懐かしい顔
久々すぎるあのかたの登場
うふふ…くる。あの人がもう少ししたら来る…ああ、早くきてくださいね…クスクス
☆★
「!!?」ゾクッ
「どうしたのよ、真理?急にキョロキョロしちゃって」
「ああ、お前がそこまで挙動不審な態度を取るなんて初めてだぞ?」
「あ、ああ。なんか、背中に悪寒が走ってな」
紫と玉藻に説明しながらも当たりを見回してしまう…なんだ、この感覚は?嫌な予感しかしないんだが…
「ほら、山頂が見えてきたわよ」
「…すごい、威圧を感じるな」
紫が指差した先を見て玉藻がそんなことを呟く
鬼と言うのは妖怪の中でも最上位の力を持つ妖怪だから玉藻が言う威圧も放ってるかも知れないな…だが
先ほどから感じるこの悪寒の正体には説明が付かないような付くような感じがする…あえて言おう、あそこに行くと絶対に碌なことが起きない気がする
「ほら、着いたわよ」
そう言って、紫が降りるのを後から追いながらも何とかして、悪寒を払拭できないかをやっていたが無理だったか…
「あっれ~?紫じゃん。どうしたの?」
「あら、萃香。久しぶりね」
「うん、久しぶり。それで、どうしたの?知らない奴も連れて」
紫が降りた場所にはなんか、馬鹿でかいタルを両手で軽々運んでいる米神の上辺りに立派な角をもち両手と髪に分銅をつけた幼女がいた
「誰が幼女だ!!」
「お前だ、お前」
てか、心を読むな
「誰なんだよ、あんたは」
「俺は真理。少し長生きをしている犬の妖怪さ…お前さんは?」
「私は、萃香…伊吹萃香!鬼の四天王の一人さ!」
「幼女に四天王が勤まるのか?」
「だから、幼女言うな!!」
目の前の萃香という鬼だが、小さいなりして馬鹿でかいタルをもてることから確かに鬼という力を持ってるかもな…いや、あれくらいなら妖怪でもいけるか
「ところで、萃香何やっているの?そんなでかいタルを持って」
「なんか、かあさまが宴会をするから準備してってさ…てか、まだ私は幼女言ったそいつをしばいてないよ!!」
「おお、こえぇ、こえぇ」
「…お前、馬鹿にしてるだろ?」
「分かる?」
玉藻に突っ込みを入れられてあっさりばらしたが溜め息を吐かれた
「まぁまぁ、少し待って欲しいわ。私はその鬼神に用があるのよ…終わった後好きにすればいいわ」
「おい」
「んー…分かった。んじゃ、かあさまとの話が終わったら勝負だ!」
「意味が分からん」
「鬼は酒と喧嘩と人間が大好きなのさ」
「酒と人間という部分では同意しなくもないが、俺は喧嘩は嫌いだ」
だって、メンドイし
「だったら、ついてきな…あと、勝負は絶対やるからね」
「えー…それは、そうとお前は紫とどんな関係なんだ?」
後を、ついて行きながら萃香に聞いてみた…なんか、親しげだし
「私と紫かい?友人だよ」
「「………!? なんだとぉぉぉぉぉぉッ!!?」」
一瞬、萃香の言葉が理解できなくて止まってしまったがよくよく意味を反芻してつい大声で叫んでしまった
どうやら、驚いたのは俺だけではなく玉藻も動揺だったらしく俺とユニゾンして叫んでいた
「ちょっと!!その叫びはなんなのよ!?」
「お、お前…俺以外に友人がいたのか!?」
「し、信じられん!?」
玉藻の言葉が俺が言いたかった全てを集約してくれたようだ
「どういう意味よ!?いるわよ私にも友人くらい!!あと…一人だけだけど…」
「「なんだとぉぉぉぉぉぉッ!!?」」
今度は俺と萃香の言葉が重なった
「あ、ありえん!」
「ゆ、紫?鬼は嘘が嫌いなんだよ?嘘を言わないでくれないか?」
萃香の言葉ひでえな、友人だろう?
「な、なによ!!私に友人がいちゃいけないっていうの!?」
「いや、すまん」
「ごめんよ」
泣きが入った紫に流石に罪悪感が一滴浮かんで謝ってしまった
「てか、玉藻は許さない!!開け!」
「アーッ!」
玉藻が紫の開いたスキマに落ちていった…何がおこるし?
「そんで、その鬼神だったか?どこにいるんだ?」
「かあさまなら、この先にある本殿にいるよ」
俺と萃香は玉藻の事に対してわれ冠せずを貫き別の話をふった
「ふ~ん、鬼神ねぇ…神じゃないのか?」
「なんか、畏れられすぎて祭られたんだって。かあさま曰くいらないものを貰ったし、別に神としての力はもってないってさ」
鬼神というと浮かぶのは鬼神母神くらいしかうかばないから、聞いてみたらビンゴだった…てか、なんかこのくだりで一人だけ思い出せそうだが…誰だっけかなぁ?
「まぁ、いいや。案内よろしく、酔いどれ幼女」
「あんた、後で覚えときな」
「すまんな、ここ最近物覚え悪くて忘れるわ」
「むっかつくねえ…」
はっはっは、幼女と言えば諏訪子様元気かな?
☆★
「ムッ!」
「どうしたのさ、諏訪子?」
「誰かが私の悪口言ったような気がしてね」
「何言ってるんだい?」
「まぁ、いいや…神奈子!!真昼間から酒を飲むな!」
「いいだろう、別に。ここ最近はこれと言ってないんだし」
「黙れ!!」
「ちょっ!?いつの間にそんな弾幕を!?」
「反省しろぉぉぉぉッ!」
「アーッ!」
☆★
なんか、変わってなさそうだな…うん
「ついたよ、ここが私達の住処さ」
「でっかいな」
「そりゃ、この山にいる鬼の大半はここに住んでるからね、これでも狭いほうさ」
「遅かったね萃香…ん?お客か?」
門の所に出てきたのは額に赤い角を持ちその角に星マークに体操着の上を…なぜ、この時代にあるし
「ああ、なんか紫の友人を連れてきたんだって。それで、かあさまに会わせたいんだってさ」
「へ~」
じろじろと此方を見る鬼
「まっいいか。アタシは勇儀…星熊勇儀、萃香と一緒の鬼の四天王さ」
「ああ、お前さんが噂の星熊童子か」
「おや、アタシのことを知ってるのかい?」
「まっ、俺のほうも色々と情報はあるんでな」
「それで、なんで私を知らないの?」
「俺が知ってる鬼なんて酒呑童子と星熊と茨木くらいしか分からんよ」
後は、それ以外しか知らん
「私、その酒呑童子なんだけど?」
「うっそ」
酒呑童子ってあれだろ?日本三大妖怪の一角だろ?こんな幼女なのか…
「幼女言うな!!…うぅ…かあさま恨むよ何で私だけ…」
なんか、ぶつぶつと呟きながら萃香は目の前の星熊の胸を睨んでいた
「ん?何を見てるんだ萃香?」
「チッ」
「舌打ち?本当にどうしたんだい?」
星熊は星熊で分かってないようだ
「まぁ、いいか。かあさまなら中にいるから案内するよついてきな」
そういうと星熊は門をくぐってついて来いと手で促してきたので俺と紫は後ろからついていく…萃香はどうやら一度タルを置いてから合流するといって一旦別れたが、1分もしないうちに現れた…瞬間移動か
「さっ、ここにかあさまがいるよ」
そう言って星熊が扉を開けた瞬間
「真理さぁぁぁぁぁぁんっ!!」
「げはぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「真理!?」
「「かあさま!?」」
腹にとてつもない衝撃を受けて、無様にも俺は意識を失った…てか、こんなダメージを受けるなんてどんだけぶりだ…
☆★
「ん?ここは…イテテ」
目が覚めたが、腹が痛くて手で押さえてうずくまってしまった
「あっ!漸く目を覚ましましたね真理さん!!」
頭上から声が響いたので目を向けてみればそこには綺麗な桃色の髪をもち額に2本と頭のてっぺんに角を持った鬼が俺に膝枕をしていた
「もう、あえて嬉しくて気絶なんて…嬉しいです」
両手を頬に当ててイヤンイヤンと言いたげに俺を落とさないよう器用にクネクネしている鬼
「かあさまが、こんな乙女みたいな態度を取るなんて…あいつって一体なにものなんだ?」
「紫、あんた友人だろう?何かしらないのか?」
「う~ん、私も知らないわねぇ」
なんか、俺をほっときヒソヒソ話をしている3人だがそれよりも
「いや、お前の突進おおかげで気絶したんであって嬉しさで気絶じゃないから」
「クスクス…もう、そんなつれないこと言うなんて…相変わらずですね」
「いや、聞けよ」
はぁ、変わってないよ本当に
「よっこいしょっと」
「あん、もう少しそのままで良かったのに…」
しょぼーんと落ち込むが気にせず向き直る
「さて、久々の再会があんな形だったが…改めて、久しぶりだな…玲央」
「はい、お久しぶりです真理さん」
鬼神母玲央…俺の初めての友人であり一番付き合いが長いといえる奴だろう
「それにしても、お前が鬼神ねえ…考えれば当たり前なのに気づかなかったよ」
「いやん、酷いです真理さん」
よよよと泣き崩れる玲央…昔の淑やかさはどこいったよ
「それにしても、真理さんと会うのはかれこれ…2000年ぶり以上でしょうか?最後にあったのがなんか、そろそろ人間が進化しそうだからあまり来れないとか言って以来ですし」
「そうか、そんなになるか。如何せん俺もドンだけ会ってないか思い出せないしな」
「そうですねぇ…私が10の時から知ってますがこれだけ会う期間が離れたのは初めてですし、ね」
「すまんな、如何せん人間の移り変わりは面白いもんでな」
「私達鬼も人間が好きですが、真理さんとは違う理由ですしね」
「お前達は単に人間と喧嘩したいだけだろう」
「ええ。まぁ、私の場合は周りがとめるので最近鈍ってるのではと思いますが」
「「いやいやいや」」
「んもう、萃香ちゃんも勇儀ちゃんも折角愛しの真理さんと会って会話を楽しんでいるのに割り込むなんて…お仕置きがほしいのかしら?」
「「ごめんなさぁぁぁい!!」」
「どこが鈍ってるんだ?」
俺のつぶやきはスルーされて、そのまま威圧を萃香と星熊に飛ばす玲央
「ね、ねえ、真理?」
「ん?なんだい?」
玲央が萃香達に威圧を飛ばしている間に紫が近づいてきて小声で俺に話しかけてきた
「あ、あなたって鬼神と知り合いだったの?」
「玲央とは知り合いだな…しかも、かなり古いな。まぁ、鬼神といわれても考えつかなかったから鬼神と知り合いって意味では違うのかもしれんが」
「はぁ…交渉の時あなたがいれば楽だったのかもしれないわね」
なんか、紫が遠くをみだしていた…おおかた、何かしらの契約やらなんやらの時に力でも見せろとか言われて戦ったりでもしたんだろう
「そういや、玲央はなんでこの山にいるんだ?」
「ほへ?何言ってるんですか真理さん?」
「ほへ?」
あっるぇ~?なんか、玲央が何言ってるのあんたって顔されながら実際言われたが…
「ここは、昔真理さんと一夜を過ごしたあの山ですよ?」
「おお!」
ぽんと、手のひらに拳を当てて思い出した。なるほど、確かにあの山だったら玲央がいるのは当たり前だな
「「「なんだとぉぉぉぉぉっ!?」」」
うっせ、一体なんだよ
「か、かあさまが女の人と一夜を!?」
「た、確かにどんな強い妖怪の男が求婚にきても断っていたけど」
「あわわわわわ…きゅ~」
とりあえず、萃香と星熊は俺を女と勘違いしたようだが…紫はマジでどうしたし?顔を真っ赤にしてぶっ倒れたぞ
「もう、萃香ちゃんも勇儀ちゃんも何をいってるんですか?真理さんは男ですよ…次間違えたり、変な誤解したり、色目使ったりしたら…分かってますね?」
「「すいませんしたーっ!」」
萃香と星熊が速攻で土下座をして玲央に誤っていた…なるほど、ああやって威圧すればいいのか…メンドイからどうでもいいや
「そんな綺麗な顔をして男なんて…私と変わってよ」
「なぜ、好き好んで幼女にならなきゃならん」
「てか、あんたも大変だね」
「同情するなら身長よこせ」
きゃいきゃいと色々言われるが軽くスルー
「あ、言い忘れてましたけど真理さんはこう見えて私より年上ですよ?敬いなさい」
「「うっそーーーーっ!?」」
「何が嘘だ何が…てか、鬼が嘘嫌いとか言っていただろうが」
因みに俺の嘘嫌いは基本玲央のが移ったものだ…こいつって、何だかんだで嘘を言わないからな
「えっと、かあさまって確かそろそろ1万歳とか言ってなかったっけ?」
「つまり、そいつもそれくらいってこと?」
そうか、玲央ってそろそろ1万歳なのか…ということは俺はもう1万くらい?
「クスクス…萃香ちゃんは死にたいのかしら?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
ごめんなさいを連発して土下座しながら頭を下げる萃香…ごめん、顔を上げるたびに助けてって目で訴えても今の玲央をとめるのは出来ん
「まぁ、萃香ちゃんのお仕置きは後でにして…真理さん!」
「なんだい?」
「結婚しましょう!!」
「やだよ」
「がーん…」orz
手と膝を突いて落ち込む玲央をほっとき改めて質問をする
「宴会やるんだろう?酒が無いなら用意するが?」
「ああ、いえ。きちんとありますよ?さ、ついてきてください」
一瞬で回復した玲央が立ち上がったので紫を肩に担ぎ後に続いた
「あ、まってよ~」
「アタシ達を忘れないでくれ」
萃香たちもそのあと続いて広間へと案内されたのであった
…玉藻は何処行ったマジで
久々登場!!玲央さん!
真理に対してだけ軽く変態化というかヤンデレっていうか、兎に角キャラが壊れるようになってしまいしまた…どうしてこうなった?
次はバトル予定です




