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東方転犬録  作者: レティウス
放浪篇
21/115

魔法使いと命

「んでさ、気になってることがあるんだよね」


 俺がそういうと、寅丸などを初めとした面々がなんだ?という表情になる


「実はさ・・・」


「「「ゴクリッ」」」


「お前、名前なんていうんだ?」


「「「ズコーッ!」」」


 傘の少女のほうを向いて忘れていた名前を聞くというのを行ったら三人がずっこけた


「ために溜めてそれか!?」


「馬鹿なのか!?」


「あれ?わちきって名前言ってなかったっけ?」


「ああ、俺もやったからね教えてくれんか?」


「いいよ。わちきの名前は多々良小傘っていうんだよ」


「小傘かいい名前じゃないか」


「なんで、撫でてるんだ?」


「わからん、まぁ減るもんじゃないしいいだろう?」


「うん」


 そうして、小傘を撫でていると寅丸から話しかけられた


「それで、貴方はどういった御用でここにいらしたんですか?」


「言っただろう?何故に妖怪駆け込み寺なんてやってるのか興味があるってな」


「でしたら、この寺の尼と話すとよいでしょう。その尼がこのようなことをやりだしたので」


 寅丸が威厳たっぷりに喋っているんだが・・・


「どうでもいいけど、虚勢張ってね?」


 正確にはキャラ作ってね?こう、威厳ある人の喋りってもっとどうに入っているんだが、こいつは何となく違うと分かる


 なんていうか、神奈子様みたいでもないし諏訪子様見たくもない・・・諏訪子様も見た目と普段アレだけど神様としての威厳は持っていたからなぁ


 あ、ここから結構近いし後で言ってみようかな?


「うぅ、ナズぅ・・・ばれちゃったよ~」


「ご主人!いつも言っているだろう!自信を常に持っていれば自ずと身につくって!!」


 従者に怒られる主人・・・シュール


「まぁまぁ、正直威厳なぞあってもなくてもあまり敬わないからさ、そこら辺で」


「君が言い出したんだろう!しかも敬わないのか!?」


「別に信仰とか無縁の妖怪だし?」


 そういうと、盛大に溜め息を吐かれた・・・ナゼダ


「まぁ、いい。じゃあ、聖の所に案内するよ」


「聖?」


「この寺の尼さんだよ」


 そういわれて、その聖なるものがいるところへと案内された



☆★



「よくぞ、いらっしゃいました。この寺の住職件尼の聖白蓮と申します」


「ご丁寧に。俺は犬の妖怪の真理だ」


「それで、どういった内容で」


「聞きたいことは一つ。何で、妖怪なぞを招き入れるんだい?」


「妖怪の貴女がそれを聞きますか」


「何度でも言うが、俺は男だ」


「・・・・(゜д゜)」


 なんか、固まってら


「起きれ」


「・・・ハッ!?」


 チョップをしたら元に戻ったんで良しとしよう


「なにか、おかしなことが起こったので思わず放心してしまいました」


「何度でも言うが、俺は男だ」


「またまた、そんなご冗談を」


「冗談で言うと思うか?」


「その顔で男?ありえないですよ」


「それを言うなら、その髪で尼はねえだろう」


「髪・・・あ」


 今頃気づいたんかい。この聖とかいう尼さんはあろうことかグラデーションかかった髪の毛をしていて最初は日が当たってそう見えるのかと思ったんだが、日が隠れた時に見てもそうだったんでこれは自毛だろう


「忘れていたんかい」


「まぁ、そのですね・・・頭に被る頭巾が嫌いでして」


「全国の尼さんに謝れよ」


 なんだ、その理由は


「そ、それよりもこんな事をしている理由でしたね!」


「話を変えたか・・・まぁ、いい。それで?」


「実はですね、私には命蓮という弟がいまして、その弟はとても優秀な僧侶でした」


「命蓮ねぇ・・・すまん、聞いた事無いな」


 ここ最近はずっと清明と一緒にいたせいか、そこら辺の噂も入ってこなかったしなぁ


「その弟はとても優秀で姉である私もとても誇りに思っていのですが・・・

 命蓮は若くしてその命を終わらせてしまいました」


 聖が暗くなる・・・ダメだな、寿命という概念が分からんと悩んでいると聖が続きを喋りだした


「そして、私は・・・弟が死に次に私かと思うと怖くなってしまったのです」


「まぁ、人にとって寿命という部分はとても怖いものなのかもな」


 妖怪達にとって、死とはその存在が忘れられることだと思っている。だから、妖怪は人を襲うしな


「そして、いつ来るか分からない死に遂には、逃げ出してしまったのです・・・」


「逃げ出した?」


 てか、聖も神子もやはり死からは逃げたいのか・・・まぁ、神子の場合は青娥が来た事によって仙人になったが


「はい・・・大陸より伝わる外法・・・魔法というものを使い今の私を保つことができるようになりました」


「魔法だって!?」


「どうしたのです!?」


「いや、すまん。なんでもない」


 驚いた。まさか本当に魔法と言うものがあるとは・・・妖術・陰陽術などがあることから、何となくあるのかなぁと思っていたがマジであったとは


「そこで、私はその魔法と言うものを使い体を若返らせて寿命をなくしました」


「ふむ」


 しかし、それだけでは妖怪駆け込み寺と言うものにはならんだろう


「しかし、思いのほかこの体を維持するのに当時の私は力が足りなく妖怪の生気を必要としたのです」


「体を維持?」


「ああ、伝え忘れていたのですがこう見えて私は既に齢100を超えているのですよ」


「へー」


「あら?大体の方はこういうと驚くのですが」


「まぁ、色々と知り合い多い俺にとってはそれくらいなんだよね・・・てか、お前から見て俺って幾つに見える?」


「貴方の年齢ですか・・・妖怪ですので100は超えているのでしょうね・・・500くらいですか?」


「その4倍は最低でも生きているさ」


「・・・え?」


「というかんじで、見た目と年齢があってないというのは別に俺にとってはどうでもいいというわけさ」


「そ、そうだったんですか・・・」


「因みに、仏教がどのように入ってきたかも知っていたりするんだけどね」


「本当ですか!?」


 そういった瞬間に後ろから寅丸が飛び込んできた


「ビックリしたなぁ」


「そうか、こんな風に驚かせばいいのか」


 なんか、小傘が勉強しているし


「まぁ、本当さ。当時の神子・・・聖徳太子が導入をしたのは知っているな?」


「はい!」


「まぁ、その理由だが・・・ぶっちゃけ、自分のためだったりする・・・詳しくは教えない」


「へ?なんで・・・」


「まぁ、その内分かるかもしれないからね」


 神子が復活でもして話せばいいだろうさ、俺はめんどくさい


「そ、そうですか・・・」


「それよりも、続きいいかい?」


「ああ、はい。残念ですがそうしましょう」


 割と聖も興味を持っていたみたいだが、続きを話してくれるようだ


「さて、体を維持するのに最初は妖怪を利用していたのですが・・・次第に妖怪達の現状を聞いているとそれを利用することにも嫌悪感が出てきたのです

 そして、私は妖怪を助けるためにここに来る妖怪達は受け入れているのです・・・いつか、人と妖怪が手を取り合って生きていけたらと信じて

 ・・・何を笑っているのですか?」


「くっくっく・・・すまん、すまん」


 紫と同じかと思ったがちょっと違うな。紫は妖怪のため(・・・・・)の理想郷でそこで人間も一緒にと考え、こいつは本当の意味で対等な存在を求めたわけだ


「さて、聖よ」


「なんですか?」


「正直言うといずれその考えは己の身を滅ぼすぞ?」


「分かっています」


「聖!!」


 これは驚きだ、まさか俺が言ったことを既に予想していたなんてな・・・寅丸が聖に詰め寄るが聖は穏やかな笑みで首を振るだけだった


「それでも、私はいずれ必ず・・・そう、この思いは変わりません」


「・・・気に入った」


「はい?」


「気に入ったといったんだ。己を貫き通すお前をな」


「それは、ありがとうございます」


「俺はね、お前に言った年齢以上に生きているんだが・・・それゆえに最大の敵を作ってしまった」


「最大の敵?」


「そう、敵だ。それは・・・暇だ」


「「へ?」」


 寅丸と聖が同時に呆けた声を出す


「お前や寅丸みたく、使命に燃えているわけでなく惰性に生きているに近い俺は暇つぶしというなの趣味を見つけた」


 いままで、聖が語っていたんだから俺も目的をきちんと言おう


「俺はね、人間でも妖怪でもなんでも己のやることに常に進んでいく奴を見るのが好きなんだよ。だからな、お前見たく先のことをわかってもなおやり続けるやつは好きなんだよ


 だから聖、お前がその考えでいるならば俺は応援しよう。ただし、俺はあくまで傍観者に近いからあまり頼らないでな?」


「ふふ、そんな風に正面きって好意を持ってるなんて言われたらまるで告白みたいですね」


「はは、残念ながら俺はそういうのとは無縁だよ」


 そのあと、少し話をしてから出てみるとそこには見慣れない奴等がいたのだが・・・


「でっけえ雲?」


 兎に角インパクトが凄すぎる雲のおっさんがいた


「ははは、最初はどうしても雲山のほうをみちゃうよね」


 ふと笑い声が聞こえてきたのでそちらを見てみると、そこにはセーラー服を着た少女がいた・・・何故にいまセーラー服がある


「どちらさん?」


「私は村紗・・・村紗水蜜っていうんだ」


「ん~・・・格好から考えて舟幽霊ってところか?」


「お、あったり~」


「幽霊って寺鬼門じゃねえの?」


 念仏なんて聞いたら昇天しそうじゃね?


「大丈夫!危なくなったら流石に離れているから!」


「なるほどねw」


「ちょっと、村紗なに一人で喋ってるのよ」


 再度聞こえてきた声のほうを見てみれば、そこには聖よりも尼らしい格好をした少女がいた


「どちらさん?」


「私は雲居一輪っていうのよ。隣の雲は雲山って言うわ」


「二人で一緒って覚えてると楽だよ~」


 なるほど


「さてと、俺は今日はこのまま諏訪にでも行くかね」


「諏訪って大和の神と土着神がいるところ?」


「そ、友人だよ」


「「ええええっ!?」」


 まぁ、妖怪で神様が友人と抜かしたら誰でもビックリするか


「ど、どういうこと!?」


「まぁ、昔に戦争やってたのを酒の肴にしていたら仲良くなったんだよ」


「ちょっ!?よく殺されなかったね」


「まぁ、能力もちだからな、んじゃまたな・・・村紗に雲山・・・一なんとか」


「なんで、私の名前を覚えてないのよ!!」


「冗談だよ雲山の嫁」


「嫁じゃないわよ!!」


「冗談だ・・・雲居?」


「言い切りなさいよ!」


「まったな~」


「待て!!」


 マテといわれて待つ奴じゃない!そうして、逃げるように俺はそのまま諏訪へと向かった


 その数年後、遂に聖が妖怪をかくまっているというのがばれてどこか異界に封印をされたと言うのを風の噂で聞いた


 なんでも、寅丸とナズーリンだけは元々そういう役割でいたから封印されていないとかでそれ以外の妖怪も地底に封印されたそうだ


 また、遭えるといいがね~、ああいう奴がいるからこそ人間には価値があると思うんだよ

なんか、無理やりな感じがしますが命蓮寺メンバーとの絡みはここで終了です


次はオリジナルを書いて玉藻の前の話を書こうと思います

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