表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方転犬録  作者: レティウス
放浪篇
20/115

傘の少女と虎とねずみ

「これより、安部清明様の葬儀をさせていただきます」


 現在ある寺で清明の葬式が行われているんだが・・・


「これで、私も晴れて自由のみだ」


 俺の隣で清明・・が嬉しそうに頷いている


「そりゃ、よかったな」


「なんだ、真理よ私が自由になったというのにつれないじゃないか」


 さて、こいつの葬式のはずなのになぜ本人が横にいるかといえば、別に亡霊となっているわけでなくれっきとして生きている


 では、何故清明が生きているのに葬儀をしているかといえば、既に俺と清明が出会ってから70年近くたっている


 出会った時のこいつの年齢は12だった。そして、それから70年ということはすでに80を超える老人なのだが・・・


「どうした真理?私の顔になにかついているか?」


 どう見たって、20台にしか見えない顔つきである・・・


「まさか、お前が人間やめるなんてな・・・いや、元々人外だしこの言い方は当てはまらないか?」


「誰が、人外だ。誰が」


「お前だ、お前」


 齢80を超えてその顔つきとか人外以外の何者でもない


「しかし、お前が寿命を捨てるとか抜かしたときは驚いたもんだ」


「まぁ、お前に言われたこともあったが元々私は老いなかったからな」


 そうなのだ、こいつときたら20台前半から全く老いていかなくてはて?と思っていたら


「女は常に綺麗に有りたいものだ」


 とか、抜かしたのをお仕置きしながら聞き出したら


「半人半妖に近いからなのか、私自身に老いたという感覚がこないのだが」


 といっていたので、それでも一緒にいたらどうやら妖怪の部分の寿命を継承していたようだ


 しかして、かの有名な安部清明が半人半妖だとばれると色々まずいので変化の術を教えて(こいつの能力のおかげか一瞬で覚えやがった)周りには老いていって遂には寿命で死にましたとなったわけだ


「さてと、俺は噂のあそこに行って見るかね」


「本当について行ってはダメなのか?」


「ダメ。お前が言ったんだろう?見てみたいと。妖怪は本当に滅すべきものなのかはたまた共存できるのかってね」


「そうだな・・・」


「ったく、ガキがしんみりするんじゃねえよ」


「何処がガキだ!」


「俺から言わせりゃ1000も生きてない奴なんて赤子だぞ?」


「お前と一緒にするな・・・」


 知るか。こう見えて俺もちょっと可笑しくね?って思うぐらいは生きているんだから・・・全く自分が老いる姿が想像できん


 てか、母親がアレな時点で俺もそれくらい生きるのかねぇ?


「んじゃ、また会うことがあったら会おう・・・清明」


「ああ、また会おう。真理」


そう言って、俺と清明は互いに背を向けて歩き出した




☆★




「さてと、この山を登れば噂のあそこにいけるのか」


 清明と別れ噂の場所に漸く着いた。都からここまでゆらゆらと歩いてきたのがいけなかったかなぁ~


 清明といたときは移動するときも牛車や馬とかだったから、久々に自分の足で旅すると分かると焦るという気持ちをかなぐり捨てて、ノンビリと歩いてきてしまった


「たしか、妖怪駆け込み寺だったか?」


 妖怪駆け込み寺・・・最初これを聴いたころなんて笑ったな。紫が目指す理想郷に近いことをここの奴がやっているなんてね


 しっかし、寺というか仏教なんて神子が政治的に導入したやつがここまで布教するとはねぇ・・・


 神子たちの見解は、いずれ限界が訪れるというものだったが蓋を開ければ衰退のすの字すらないからなぁ・・・


 ・・・なんか、忘れているような気がするが気のせいかな?


 そんなことを考えて歩いていると何処からか声が聞こえてきた


「・・・め・・・しや~」


 何だろういったい?犬の姿で昇っているからこれといって悪意ある行為とは思えないんだが


「う~・・・め・・・しや~」


 うめしや?


「う~らめしや~」


 そういう声があたりから聞こえてくるが、姿は見えない・・・気配は直ぐそこの藪の中からなんだが


「一体なんだ?」


「驚けー!」


 そう言って飛び出してきたのは、水色の髪に左が赤で右が青の左右非対称のオッドアイの傘を持った少女だった


「・・・」


「・・・」


 辺りに痛い沈黙が訪れる。俺としては、なんでこんな少女がいる?アニメの中だけじゃねえの?って感想で固まり


 少女の方はどうやら歩いていたのが犬とは思わなかったようで、そんな自分を反省してるんだと思う


「あ~、なんか用か?」


「えっと・・・驚かないの?」


「・・・なんでさ?」


「えっと、ほら薄暗いなかで気味悪い声が聞こえて急に出てきたりしたりしたら」


「ああ、だってお前の位置は声が聞こえた時から分かっていたから何してんだろうとしか思ってなかったし」


「・・・え?」


 あれ?また、固まったどしたんだろ?


「わちきの行動ってばれてたの?」


「ああ」


 そういうと、何故か涙目になる少女


「あ~・・・なんと言うか・・・気にするな?」


「・・・ふぇ」


 だめか・・・その後、この少女が泣き出したので足を止めて泣き止むのを待つとした


 ・・・しいて言おう。驚けといわれると俺は驚きたくなくなるタイプだ・・・天邪鬼なんだよねぇ



☆★



「落ち着いたかい?」


「はい」


「そんで、どうして行き成り出てきて驚かそうとしたんだ?」


「えっと・・・実は言うと、わちきは人間に捨てられた傘でそれが妖怪になった存在で」


 ふむ、この場合は付喪神か?


「それで、傘を捨てた人間に対してわちきの存在がなかった事にされるのが嫌で驚かしているんだ・・・」


「そこで、襲うと言わんのが可笑しいが面白いな」


「面白い?わちきは別に力なんて持ってないから人間が驚いてくれればそれでいいんだ」


 へぇ・・・こんな妖怪もいるんだねぇ。俺の場合は姿を見せずに妖力解放して恐怖心をあおったりして満足するが


「んで、何で妖怪のお前が妖獣の俺を驚かそうとしたんだ?」


「だって、この寺ってかなりの人が来るから驚かしやすいんだもん・・・」


「夜やれよ、夜に」


「だって、夜だとここらへん妖怪だらけになるし。てらの尼さんも人間は日が高いうちに返しちゃうし・・・」


「そう、それだ」


「なに?」


「ここって、噂どおりの妖怪駆け込み寺なのか?」


「ああ、うん。そうみたいだよ」


「ありがと。んじゃ、俺はこのまま昇っていくがお前さんはどうするんだ?」


「わちき?そうだなぁ・・・やる事無いしついていくよ」


 そういって、俺はこの少女と一緒に階段を上がっていった・・・あ、名前わかんないな・・・別にいいか



☆★



「結構長かったなぁ」


「そうだね」


 昇りきった階段を見てみると、結構な距離があった・・・別段疲れないが


「さてさて、日も暮れてるし何がいるかね」


「妖怪と毘沙門天とその弟子くらいだよ」


「毘沙門天いるの!?」


「そこには驚くの!?てか、知らなかったの!?」


 いや、驚くだろう普通は。だって、毘沙門天って神様じゃん


「妖怪駆け込み寺って事しか知らなかったな」


「ふ~ん。まぁ、気のいいかただからこれといって緊張する必要はないんじゃない?」


「神様相手に緊張したことは無いな」


「神様にあったことあるの!?」


「とりあえず・・・3人?」


 正確に言うならば見るだけならば昔の宴会の時にみたけど、きちんと話したことあるのは3人だなぁ


「3人も神様にあったことあるのに、何でここの毘沙門天様しらないの?」


「だって、俺のしってる神様全員神道の神様だもん」


 天照様・諏訪子様・神奈子様全員いるのは神社だしね


「この地に何の用でしょう」


 出迎えたのは金髪金目で腹に虎模様の服をきた女性であった


「いや、妖怪駆け込み寺と聞いて来てみれば話をきいたら毘沙門天までいるそうじゃないかって話していたところだよ」


「そうですか」


「んで、お前さんは」


「私ですか?私が貴女がいう毘沙門天の寅丸星と申します」


 そう言って頭を下げる毘沙門天こと寅丸星・・・


「因みにいえば、俺は男だ」


「「えぇぇぇぇぇぇっ!?」」


 男だというと何故か隣の傘少女まで声を上げた


「いや、だって・・・その顔で?」


「うるさい。俺だって気にしてるんだ。てか、なんでお前も驚くんだよ」


「いや、だって・・・」


 そういうと、傘少女と寅丸星が目を見合わせてこちらを見て


「「・・・ねぇ?」」


「うるせえよ」


 そんな感じで騒いでいると


「ここにいたか、ご主人。なんで、ご主人はそう簡単に宝塔を無くせるんだ」


 なんか、灰色の髪(俺より黒い。俺はどちらかと言うと白に近い)に大きな丸耳をした少女がやってきた


「ハハッ」


「危ないよ!?」


「君は・・・行き成り人を見て笑うとは失礼じゃないか」


 ねずみ少女(確定)に睨まれるがしらんよ・・・ってそれより


「なぁなぁ、そこの・・・えっと?」


「私かい?私はナズーリン。ここにいるご主人の部下さ」


「んじゃ、ナズーリンよ。聞き間違いじゃなければさ、こいつが無くしたのって宝塔って言ってなかった?」


「そ、それは・・・!」


 なんか、寅丸が慌てているがナズーリンが構わずに続ける


「そうだ。このご主人ときたら、宝塔を直ぐになくして私に探させるんだ」


「へ~・・・お前さ、本物に謝ったら?」


「私もそう思う・・・へ?」


「な、なんの事ですか?」


 しどろもどろに答える寅丸。てか、目もすげえ泳いでるな


「だって、俺が知ってる神様のような感じがしないもん。まぁ、妖力を隠せるようになったら考えよう」


「「神様の知り合い!?」」


 寅丸とナズーリンが驚いているなぁ。ふと見てみれば、傘少女が懐かしいという顔していたがお前がしたのはついさっきだからな?


「君は一体何者なんだ!」


「そ、そうです!神様に知り合いがいる妖怪なんて聞いた事無いですよ!」


「わちきも知りたいな」


「俺か?俺は真理っていうちょっと長生きしている妖怪だ」


 そういって、俺はとりあえず思っていたことを聞こうと思った

というわけで、命蓮寺突入!!


小傘ちゃんかわいいよ!ニコニコ大百科のあれを見てみるとあそこも可愛いが多くて笑いましたw


星の口調が今一かな?


まぁ、今回は清明が生き残る+命蓮寺に向かうというお話でしたので

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ