出会いと別れ
ゆうかりんの話を書き終えてからのお気に入りの増加が過去最多でした
稚拙な文章ですが、お気に入りをしていただいている方のためにもがんばりたいです
「な~、真理。次は何処に行くんだよ~」
街道を妹紅と一緒に歩いていると妹紅がそんなことを聞いてきた
「ん?特に決めてないぞ。ここ最近は面白い噂とかも流れてこないしなぁ・・・お前のせいで」
「私は関係ない!」
といってもなぁ、妹紅と旅していたらどんどん減ってきたんだぞ?
理由は色々はしょると、妹紅が野宿がやだと抜かすからである
なので、近くに村などがあれば仕方なしに止まるんだが、流石にタダで止まるわけにはいかないと思い多少とはいえ賃金を支払っているのだ
しかし、金は使えば無くなるものでありなくなったものの補充をどうするかといえば
○そこいらの獣を狩って店に売る
○妖怪退治
以上の2つをしているのだが、妖怪退治がいけない。
何がいけないかと言うと、妹紅と共に行動をするようになり妖怪退治をしていれば必然的に妖怪が近寄ってこなくなり
裏の噂などが全然入ってこなくなってしまうのである
なので、そろそろ妹紅とも分かれようかと考えている最中である
もともと、妹紅が俺と旅をしている理由は妹紅に自衛の手段を学ばせるためであって、一緒にいるためではない
妹紅も不老不死なので別に今分かれても今生の別れともならないだろう
なので、分かれようと考えているんだが・・・適当にはい、さようならは流石にかわいそうなのでいい分かれ方はないだろうか絶賛考え中である
「あ、真理。村が見えたよ。今日はあそこに止まろうよ」
「へいへい」
妹紅が指を指した先には大きな村があり、そこでは人の賑わいがここまで聞こえてきたのである
俺は、人化した後に空間を弄り認識阻害を俺と妹紅の周りにはった
この認識阻害だが、簡単に言えば俺と妹紅の髪の色などを見ても気味が悪いと思われないようにするものだ
妹紅も既に気にしてないと言うが、人からの奇異の視線をうけるとばつが悪い顔をするのでとりあえず張っているしだいである
因みに、俺一人だと余程の事がない限りは獣化したまま、村をうろついたりするので不信に思われなかったりする
「ちょっと、いいかな?」
「はい、なんですか?」
村に入り、近くにいた女性に話しかける
「旅のものでね、そろそろ日が傾いてきたんだがどこか宿を貸してくれるところは無いかね?」
都ならば宿などもあるが、ここはあくまで村なのであったり無かったりする
都の間にある村ならば結構な確立であったりするのだが、如何せんここだと都のルートからは外れている
「そうですねぇ・・・でしたら、上白沢様のお宅に伺ってみるのはどうでしょう?」
「上白沢様?」
「はい、この村で語り部とされている方です」
「村長ではないのか?」
「ええ、村長は別の方が勤めていますが、村長含め村人全員が上白沢様を慕っております」
「ふむ、ありがとう。いってみるよ」
「はい。上白沢様自身も穏やかな方ですので大丈夫と思います」
もう一度お礼を告げて、妹紅と共に教えられたうちへと向かってみる
~
「ここかな?」
「だと、思うぞ?さっきの人の言っていた場所がここだし」
む?また、妹紅の口調が荒れているな。ったく、お仕置きかな?
「わ、私が何をしたんだ!?」
「声出てた?」
「いや、何か不穏な感じがしたから・・・」
女の勘はよく当たるというがこぇえな本当に
「さて、下らないことをやってないでっと・・・ゴメン!」
「真理がやりだしたことじゃん・・・」
黙れ妹紅。とりあえず、家前で大声をだして家のものを訪ねてみると、しばらくしたら戸が開きそこから妹紅の髪色に似ている銀髪の女性が出てきた
「うちに何か?」
「いや、実は私達は旅のものでしてね宿はないかと住人に尋ねてみればここを紹介された次第でありまして」
「なるほど、では父とお会いになりたいということでよろしいですか?」
「住人が言う上白沢様がそうであるなら」
「少々お待ちを」
そういうと、女性は一度戸を閉めて確認のためであろう上白沢様の元へ向かったようだ
しばらくすると再び戸が開き先ほどの女性が現れた
「どうぞ、ご案内します」
「忝い」
女性の案内で屋敷の奥の間に案内されるとそこには、女性の髪と同じ髪色をしている男性が上座に座っていた
「よく参った旅のものよ、歓迎しようぞ」
「ありがとうございます、上白沢様」
「別に私は偉くないので様付けでなくても良いのだがな」
そう言って苦笑いする上白沢様
「いえ、村人が様付けで呼んでいる方をタダの旅人がそれ以外に呼ぶには憚れますよ」
こっちも苦笑いをして返す
「そうか、ならばこれ以上は言うまい。さて、女子二人の旅はなにとぞ不安であったろう?あまり派手には持て成せないがゆっくりとしていくといい」
「お心遣いありがとうございます」
「なんのなんの」
「お一つよろしいですか?」
「何かな?」
「ええ、私は男です」
「ははは、そうかそう・・・か・・・へ?」
今まで豪快に笑っていた上白沢様が突如として目を点にして固まった・・・後ろで妹紅が必死に笑いをこらえている・・・やっぱ、お仕置きは必要かな?
「ま、まことであるか?」
「ええ。なんでしたら、後で一緒に湯浴みでもいたしますか?私も久々に誰かと汗を流したいものですので」
「い、いや、やめておこう」
冷や汗をダラダラ流しながら上白沢様が断ってくる・・・まぁいっか
「お父様、話は終わりましたか?」
「慧音か?ああ、もう終わったぞ」
ふすまが開き、そこから先ほどの女性が入ってくる
「娘さんですか」
「ああ、紹介しようか・・・慧音」
「はい」
慧音と呼ばれた女性が上白沢様の隣に座り背筋を伸ばし
「上白沢 慧音と申します。一晩とはいえ家のようにお寛ぎください」
「あいや、此方も名乗って無かったので。私は真理と申します」
「藤原 妹紅です」
ったく、妹紅もこういう場ではおしとやかに振舞えるんだから普段でもやっていろよ
「旅をされているのならば、地方地方の歴史にもお詳しいので?」
「まぁ、そこそこ程度ですがね」
「よければお聞かせ願いませんかね?語り部として歴史に興味がありましてね」
「そういえば、住人も言っておりましたが語り部とは?」
「ええ、実はですね我が一族では常にあった歴史というものを残そうと考えておりまして」
「ふむ、興味深いですね。妹紅、お前は娘さんと一緒にどっか行ってな」
「いいの?」
「かまわんさ」
「分かったよ」
「お父様」
「ああ、後にお前にも教えよう」
妹紅と慧音が退出したあと改めて向き直る
「さて、語る前に少々・・・その、髪色は?」
「これですか?いやぁ、なぜか我が一族は代々この髪色でしてなぁ、特に不具合があるわけでもなし。また、住人も昔からいるものから見れば見慣れたもので私どものことを気味が悪れませんので助かってますよ」
「なるほど、まぁ私も人の事が言えたギリではありませんがね」
「む?」
そう言って、認識阻害を解く
「おお、面妖な」
「まぁ、陰陽術の一種と思ってください」
「おお!その若さでそこまでの術ができるとは!」
因みに俺の実年齢はとんでもないが見た目は16.7程度だからな、驚きもするか
「さてさて、歴史ですか・・・何処から話したものですかね」
「なに、夜は長いゆっくりで構いませんよ」
とは言われても、歴史っぽく話すにしてもこの時代からみての歴史も沢山あるからねぇ・・・
「では、かつて邪馬台国と呼ばれたところからお話しますか」
そう言って俺は、かつていた友人の話を始めたのであった
Side End
~
「さて、妹紅でよかったか?」
「ん?口調が変わったな」
「父の前では淑やかに演じているだけでこっちが素だ」
「なるほどな、だったら私も普通に喋るか」
「そっちもか」
「いや、真理がうるさくてさ」
「真理というと、一緒にいた方か・・・あれで、男とは」
「まぁ、最初は誰だって間違えるなあの顔じゃ」
「だな、それでだ。父がああなると長いから私の部屋で話すとするか」
「真理もなぁ、面白そうな顔をしてたから長くなるな」
「ふ、どちらも似た境遇というわけか」
「だな、それじゃ案内頼むよ」
「ああ、こっちだ」
~
「ははは、慧音!真理殿は凄いぞ!かの邪馬台国の歴史すら知っているのだからな!語り部たる私すら知らないようなことも知っていたぞ!」
夕飯となり、ご馳走に預かっていたのだが上白沢様が酒を飲むと酔っ払ったのかご機嫌に笑いながら娘さんの慧音にそんなことを言っていた
「はぁ、お父様はお酒に弱いのですから程ほどに」
「これが酔わずにいられるか!歴史たるものを得て気分がいいのに酒を飲まずしてなんとする」
歴史関係なくね?まぁ、酒が飲めるからいいがな
「なぁ、真理~私にも飲ませてよ」
「がきんちょは黙ってなさい」
「酷い!私だって立派な女性だ!」
「女性・・・?」
慧音を見る
「なにか?」
妹紅見る
「なに?」
「・・・はっ!」
「テメエ!今、鼻で笑いやがったな!!!」
何処をとは言ってないぞ俺は
「まぁ、二口で酔うようなガキにはまだまだ早いわ。そんな奴に飲ませる酒はねえ!」
昔妹紅が欲しがったのでやってみたらお猪口2杯で潰れやがってなぁ・・・二人で飲み明かせると思ったのに即潰れて寝やがって
あの時のやるせなさは無かったよ本当に
「大変だぁぁぁぁっ!!妖怪がでたぞぉぉぉぉっ!!」
楽しく夕食をとっていると、そんな叫び声に似た声が聞こえてきた
「そ、そんな・・・」
「い、今までこの村に妖怪が来ることなんて無かったのに・・・!?」
上白沢親子が青い顔をして震えてらっしゃる
「大丈夫だ!私達が何とかする!」
勢いよく立ち上がった妹紅がそんなことを言う、やべえ妹紅カッコイイな
「で、でも!」
「一宿一飯の恩という言葉もあるし、大丈夫だ!私はこう見えて妖怪退治もしているから!」
拳を握りしめて、上白沢親子に力説する妹紅、やべえさっきも言ったがカッコイイ!
「旅のお方にこんなことをお願いするのも場違いかも知れませんが、なにとぞこの村を宜しくお願いします」
上白沢様が深々と頭を下げる
「よし!行ってくる」
「ガンバレ~」
そんな妹紅を俺は応援する形で送り出す
「何言ってんだ!真理も行くんだよ!」
「なん・・・だと・・・!?」
そういや、妹紅の奴「私達」とか、言っていたような・・・
「いやだいやだ!」
「こんな時に何で駄々こねるんだよ!!」
「酒を飲んでるんだぞ!誰が好き好んで戦いに行くか!!」
「黙れこの酔いどれ!!」
「酔ったことなど生まれて一度もねえわ!!てか、俺は妖怪退治で生計たててねえ!!」
「あ、あの・・・」
「はい?」
「もし、助けていただけるならば我が家秘蔵のお酒を」
「やろう、とっとと行くぞ妹紅」
「切り替えはやっ!?」
だまれ、酒の力は偉大だ
~
『ぎゃぁぁぁっ!?』
弱小妖怪共が妹紅の炎によって消し炭になって消えていく
「はぁ、何で俺がこんなことを・・・」
「酒につられたのは何処のどいつだ!ボヤいてないで働け!」
「へ~い」
まぁ、酒のためにがんばろうかねぇ・・・って
「やべ、妹紅ちょっと待って」
「なんだ!!」
「ごめん、一回獣化してから戻らんとダメだわ」
「はぁっ!?」
「いやだって、耳とシッポが出てないと俺戦えないんよ」
これは、俺だけの特性かもしれんが耳とシッポ出さないと弱いんだよ本当に
「いいから、早くしろ!!」
「あいあい、っと獣化完了ですぐさまに・・・ってまずっ!?」
獣化した瞬間、一匹の妖怪がものすごい速度で村の中に向かっていこうとしたのだが・・・
「ぎゃぁぁぁぁぁっ!?」
突如として現れた角の生えた女性によって縊り殺された
「誰だあれは・・・?神力・・・いや、妖力?霊力?不思議な感覚だな」
「慧音!?」
「マジで!?」
てか、よく見てみると村があった場所に村がなかった・・・はぁ?
「まだいたか妖怪!」
そう言って、角の生えた女性・・・慧音らいいが・・・が突如として俺の方へ向かってくる
「はぁっ!」
「よっと、落ち着け馬鹿」
「黙れ!!」
型も何もあっちゃいない攻撃で攻撃してくる慧音の攻撃を俺は難なく避ける
「はぁ・・・はぁ・・・」
ある程度避けているとスタミナ切れなのか肩で息をしながらこっちを睨んでくる
「慧音落ち着け!」
膠着状態が続くかなと思っていたら妹紅が此方にやってきて慧音の前に出た
「妹紅か、そこをどけ。妖怪を倒さなければ」
「いいから、落ち着け!!どうしたんだよ、お前のその格好は?!それに村が無いぞ!?」
「くっ・・・」
妹紅が慧音の肩をもち押さえつけると、慧音は突如として膝を突いた
「け、慧音!?」
「・・・大丈夫だ」
そういうと、再び立ち上がり此方を睨んでくる
「真理もいつまでもそのままでいないで人化しろよ」
「ああ」
妹紅に言われたので素直に人化すると慧音は驚いた顔になったあと、再び此方を睨んだ
「騙したのか!なんなのだ貴様は!!」
「騙しちゃいねえよ。てか、なんなんだはこっちの台詞だよ。お前こそなんだ?その角は。上白沢様は間違いなく人間だったがお前から感じるそれは完全に別物だ、しかも角が生えていないときは何の力の欠片も感じなかったのに今は感じるとは」
慧音が妖怪と隠していたとは思えん。隠しているならば隠している何かを感じたはずだ
「これは、天恵によって得た能力で得た力だ」
そういうと、慧音は起こったことを喋りだした
~
真理達が妖怪退治に向かったあと、慧音は自身の部屋でどうしようもない恐怖とそれと同時に罪悪感に苛まれていた
理由は単純で、前者は今までこの村は奇跡的に妖怪に襲われたことが無かったのだそれゆえに慧音は生まれてこれまで妖怪に対する恐怖が無かったのだ、しかし今は違う。どこからか聞こえてくる雄たけびや悲鳴により体が震えて止まらないのである
そして、後者のほうだがこちらもたまたま旅でこの村に立ち寄った人たちが自分達を守ろうと出て行って戦ってくれているのに自分はただこうして部屋で怯えていることしか出来なかったのだ
「私は・・・私はどうしたら・・・!」
震えながらも何とかしたいと思っているが、自分には何の力も無い。出来ることといえば、父と同じように歴史の研究にそれを残す努力をすることだけである
そんな、慧音だったが突如として頭に浮かんできたのだ
――歴史を食べる程度の能力
というものがだ
最初は何がなんだか分からなかったが、この名前が浮かんだ瞬間に使い方も分かった
だが、使い方が分かりそれを使うのは憚れたのだ
やろうとしたことは2つ
1つはこの能力を使い、村という歴史を食べなかったことにすればいい
では、2つ目はと言うと・・・それは、妹紅たちの助けに行くことである。
しかし、彼女は戦う術を持たない一人の女性である。どうすることも出来ずかつ、方法も無い彼女が選択するのは・・・
自身が人間であるという歴史を食べ、妖怪と同等の力を手に入れればいいということである
言葉では簡単であるが、実行に移すのは難しいだろう
元々妖怪である真理や、悲しみの果てに決意した妹紅とは違い慧音はただ1回のために決断するにはその材料は少なすぎるのだ
「だけど、私は!」
しかし、慧音は決意する。これは、彼女のこの村に対する愛着ゆえかはたまた別の何かは分からない。それは彼女の心の中だ
そして、慧音は自身が生まれ変わるものも決まっていた。自身の名字にある上白沢の中にある白沢という文字
白沢とは、施政者の前に現れ未来の厄災等について警告するなどのことをする神獣である
歴史と繋がりのある獣こそ、上白沢に繋がりがあると昔から言われていたのである
そして、彼女は人であったという歴史を食べ、そして白沢の獣となったのだ
~
「なるほどね~」
いやはや、どうしてこう、女ってのは唐突なのかね?
「慧音・・・じゃあ、村は」
「安心しろ無事だ。私の能力も完璧でなくあくまで表面上消えただけに過ぎない」
「でも、戻せなく意味が無いぞ?」
「それも大丈夫だ、この姿の時の私の能力は【歴史を創る程度の能力】といい、無かったことをあった事にすることも出来る」
「ほへぇ、便利な能力だねぇ」
使い方は難しいが強力な能力だ
「さて、その姿になったことによりお前さんはこれから先普通には生きんぞ?」
「そんなことは・・・分かっている・・・」
俯く慧音に妹紅が優しく慰めている
「まぁ、覚悟をもってそんなことをしたのならば褒めこそすれば怒ることはないわな」
覚悟も無くやる奴は嫌いだが、慧音は覚悟を持ちやったんだ俺はこれを称える
「さて、お前はこれからどうするんだい?」
「もう、この村にはいられないから出て行くさ」
自嘲するような笑みを浮かべる慧音・・・ふむ、丁度いいな
「「だったら・・・ん?」」
妹紅と言葉が被った。どうやら、考えていることの半分は同じなようだな
「妹紅からどうぞ」
「あ、ああ。だったらさ、私達の旅についてこないか?」
やっぱりね、まぁここで突き放すような奴には教育してない
「しかし・・・」
「気にすんなって!私も実は言うとさ」
そういうと、妹紅は突如としてその辺に落ちていた妖怪の爪で肌を切り裂いた
「なっ!?なんてこ・・・と・・・を・・・?」
慧音が途中で声がすぼんでいく。当然だろう、妹紅の傷が一瞬で回復したのだから・・・当の本人は自分でやったことなのに痛みを我慢している顔だ
そんなでかい傷をつけるからそうなるんだ。もう少し加減を覚えろ
「私はね、不老不死なんだ。気持ち悪いだろう?」
「そ、そんなことは無い!!」
自嘲的な笑みを浮かべる妹紅に慧音は大声で否定する・・・よかったな、妹紅お前の理解者ができたぞ
「私はね、復讐をしたい奴がいるんだ・・・だから、不死になった。後悔もしてないし今更やったことを引き返せない」
小さいがはっきりとした声で妹紅が話をしている
「だからさ、慧音も見つければいいと思うよやりたい事を。たとえ、親と離れ離れになるとしてもいつしか子供は旅立つんだからさ」
そう言って妹紅は慧音の眼を見据える
「そうだな・・・分かった。もし、邪魔じゃなければ私も連れて行ってくれ」
「あと、言い忘れていたけど真理は人を襲わない妖怪だから安心しな」
「そうなのか?」
「まぁ、驚かしたりはするがね。人食いとして生まれなかったからか食いたいと思ったことは生まれてこの方無いさ」
「分かった、信じよう」
そういって、頷く慧音。話が通じるのは楽だねぇ・・・陰陽師連中もこれくらい物分りがよければたすかるんだが、あいつらは力を鼻にかけてる節があるから好きになれん
「そういえば、真理の言いたかったことって?」
「ああ、それはだな」
不意に妹紅に振られて思い出した
「よかったら、妹紅と旅をしないかってことさ」
「なんだ、私と一緒か」
「ちゃうよ?妹紅とであって、俺達ではないさ」
「・・・どういうこと?」
妹紅が軽くこっちを睨んでくる
「そろそろ、妹紅と分かれようと考えていたところでね丁度いいと思ったのさ」
「ど、どうして!?」
「約束を思い出せ。俺と旅をする理由はお前の自衛の手段のためだ。お前はもう俺がお守をするようなほど弱くない」
「で、でも!あの風見幽香とかいうのにあったら!」
「あんなのが、何人もいてたまるか」
あんな化け物クラスがそうほいほいいてたまるかよ。まぁ、紫とかも同等だろうが余程じゃない限りあいつは戦いとかしなさそうだし
「それで、お前一人をホッポリ出すのもどうしようか悩んでいたから丁度いいじゃん」
「だったら慧音は!?」
「その姿を見る限り相当な力を持っているだろうし、自衛の手段はお前が教えればいいだろう」
「でもでも!」
まだ、ダダをこねる妹紅
「ダダをこねるな!!」
「っ!!?」
「不比等のこともあったし、お前と共にいるのも楽しかった。だけどな、お前はもう一人でも歩いていける。いつまでも、俺と一緒じゃダメだ」
「・・・分かったよ」
渋々と頷く妹紅に近づき頭を撫でる
「くそっ、こんなときまで子供扱いしやがって」
「俺からみりゃ、大体の奴はガキだよ。さて、妹紅にいつ渡そうか考えていたが丁度いいや」
そういうと、俺は空間に手を突っ込みあるものを引っ張り出す
「・・・これは?」
「まぁ、髪留めと後は髪の飾りだな。お前の白髪は綺麗だがそれだけじゃ物足りないからな作った」
簡単に言えば俺が作ったのはリボンだ。今こいつが着ている服は着物っぽいものだが、そこに白髪だけだとなんとも味気ないのである
だから、リボンを作って渡そうとしたんだが・・・今までタイミング逃していたんだよね
「ほれ、こうやって使うんだ」
そういって、数あるリボンを髪の端々に止めてやり最後に大きいのを頭の後ろのあたりで結んでやる
「ありがとう・・・」
「ああ。不老不死のお前にこんな事を言うのもどうかと思うが、達者でな」
「うん・・・うん・・・」
もう、妹紅はボロボロと泣いてしまっている・・・ふぅ、女を泣かせるとなんとも心が痛むものだ
「さて、慧音よ」
「なんだ?」
「お前さんに上げられるものは無いが」
「かまわんさ、村を守ってくれた。それだけで十分だ」
「そうか、妹紅を頼むな。こう見えてこいつは結構寂しがりやなんだ」
「ああ、任せてくれ」
「あと・・・」(ちょいちょい)
「なんだ?」
慧音を手招きして耳うちをする
「あいつ、ところどころで言葉遣いが粗くなるから強制しといてくれ」
「・・・何故だ?多少乱暴でも心根は真っ直ぐだろう?」
「いやぁ、あいつの親がねぇ・・・かなり過保護だったんだが、もしこんな言葉遣いになったとなっちゃ呪われかねん」
いや、マジでやりそうだあいつなら
「分かった・・・できるだけ努力しよう」
「頼むね・・・さて、妹紅!」
「ぐす、ふぇ・・・?」
「また会おう!」
「うん!またね真理!」
「またな、真理殿。この恩はいつか必ず」
「気になさんな。ではな」
そう言って俺は、妹紅たちの前から立ち去った
あとで、報酬の酒を貰うのを忘れてかなりの間へこんでいたのは内緒だ・・・酒ぇ・・・
慧音との出会いでした
公式などでも二人の出会いなどは書いてないしいいかな?と思いここにしました
妹紅のしゃべりも荒っぽい喋りや普通の女性の喋り方がありますが私はあえて両方をw公式ってか、原作では普通の喋りですが2次でよくある荒っぽい喋り方も好きなのでw
因みにもんぺはまだ早いかな?と思いあえて着物にしています
ゆうかりんやゆかりん?妖怪、神様は別ですw
そういや、慧音の使っている力って妖力?霊力?実はそこら辺も良く分かってなかったりします・・・お恥ずかしい
あとは、慧音が半獣になったきっかけというのもなかったのでこういう形になりました
次は歴史上の人物が出る予定です




