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東方転犬録  作者: レティウス
招いてみたよ、風神録
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巫女?いいえ、祝です

省られた少年少女(旧名パインアリス)様の東方人衛伝とコラボしてもらいました。


どこに真理がいるか探してみてねw

「ほへぇ~、こんなにお綺麗なのに男性なんですね」


「そうだよー。誰もが最初は騙されるよね」


「騙すなんて、酷いな。俺は騙したことなんてないよ。相手が勝手に勘違いしているだけだ」


 ここ近年は否定するのもあっさりしているから、最後まで信じないような奴もいたりするが、そんな輩は基本的にそのあとは付き合い無いからどうでもいい。


「そういや、早苗だったか?」


「はい!」


 おうおう、元気があってよろしいことで。学生服からここの巫女装束なのか、白と青の袴姿に変わっている。変わった衣装だ。普通は赤白じゃないのか?


「どこかで、見たことあると思ったら、かつて見たあの子の子孫か」


「真理が見たのって、誰だっけ?」


「ほら、なんだったかなぁ……不可能を可能にするとか言ってた、あの子」


「ああ、それなら早雪だな」


「そう、それだ」


 いやぁ、懐かしい。酒を交えて昔話に花を咲かせているけど、ネタがどんどんあふれてくる。


「えっと、ご先祖様ってどんな方だったんですか?」


「そうさなぁ……純粋な子?からかいがいがあったなぁ」


「それは、真理だけだろう。あの子はねぇ……私に酒を飲むな!って死刑宣告した子だよ」


「神奈子が四六時中酒を飲んでいたのが悪いんだよ。まぁ、真理に喧嘩を売ったのは印象的だったなぁ」


「そんなこともありましたね」


 神力と霊力の融合を果たして、威力を上げたあの子はまさに神童と言って間違いはないだろう。


 目の前で、ちょこんと座りながら酒は飲めないらしいのでお茶で付き合っている早苗も中々に才能はありそうだけど。


「神奈子様と諏訪子様の子がこんな風に続くとはなぁ」


「またそれかい!いい加減に、そのネタはやめな!」


「そうだよ!それに、早苗も早雪に負けず劣らず……」


 そういって、ちらりと早苗を見てみれば、何やら目を見開いていた。


「やっぱりそうだったんですね!」


『やっぱり!?てか、お前もか!』


 ぱぁっと笑顔になった早苗が嬉しそうに頷いていた。


「前からそうじゃないかなって思っていたんです!神奈子様と諏訪子様はやっぱり、禁断の愛に目覚めていたんですね!」


「ダメだこの子、早く何とかしないと」


 諏訪子様が手で顔を覆い、深いため息を吐く。その気持ちはすっげぇわかる。


「ケラケラと笑っているんじゃないよ、まったく」


「見ている分には楽しいだけですからね」


 笑っていたら、渋い顔をしたお二柱が窘めてくる。


「本当に変わってないねぇ」


「変わっていたら、変わったで別人だと疑うか、洗脳されたか疑うけどね」


「ヒドイいわれようだ」


 まぁ、何百年の付き合いになることだしなぁ、仕方もないか。俺も遠慮ないし。


「そういや、真理たちは今までどこにいたんだい?それだけの力を維持しているってことは、人を襲っていたのかい?」


「人食いではないですって言っているでしょうに」


「同じく」


「うちもや」


「こいつらが人食いだったら、友人付き合いはしておらんよ」


 古い妖怪の何割かは人食いとして生まれてないからな。俺の場合は、もともとは獣だし。


「幻想郷。その言葉に聞き覚えは?」


「知らないねぇ」


「まって、前に誰かが訪ねてきて言っていたような……」


 う~んと唸る諏訪子様。神奈子様はそんなことあったか?と首を傾げているけど、大方酒でも飲んでいて記憶が飛んでいるんだろう。


「真理、そういえば、八雲のお使いはどうするのだ?もう、夜も遅いが」


「そういや、そんなものあったな」


 清明に言われるまですっかり忘れていた。ズボンにしまっていたメモを取り出す。


「そうだ!八雲、そいつだよ!数年前に、私たちに幻想郷に来ないかと誘ってきた妖怪は!」


「ああ!あの酒を置いて行った奴か!」


 神奈子様、その思い出す理由はどうかと思いますよ?


「真理だけには言われたくない!忘れたとは言わせんぞ!かつて、酒をつかさどる神と戦って、勝つことにより毎年酒をたかっていたのを!」


 ナンノコトカナー?ここ最近、歳のせいか、物覚えが悪くてねぇ……そんな事実は記憶にない!


 って、そんなことよりも、紫のメモに書いてあった内容は、守矢神社にいって、神様と会ってきてくれだった。知り合いだし、説得できれば、こっちに連れてきてだった。


「つーことで、幻想郷に来ません?俺としても、お二柱が消えるのは忍びないですし」


「「断る」」


 わぉっ、そろって拒否されちまった。


「なんで?これといって、現代の日本でとどまり続ける理由なんてないでしょ?」


「確かに、いまだに妖怪がいて、私たちの存在が確立される場所ってのは魅力的だけど、いまさらそこまでして生き延びたいとは思えないんだよ」


「それにねぇ。早苗のこともあるし」


 そういって、お二柱が見るのは、夜も遅くなってしまって寝てしまった早苗である。


「この子は先祖がえりとでもいえばいいのか、ここ数代は力なんてあってなかったような子たちだったのに、こうして力をもって現れてしまってねぇ。心配でたまらないよ」


「なんだかんだで、やっぱり私の子だからね。無責任にほっぽり出せないよ」


「なるほど。だったら、早苗も連れて行けば?どうせ、その力のせいで、現代では適応し辛いっしょ?」


「私たちの事情で連れて行けるわけないでしょ」


「そうだね。それに、この子には自分の意志で生きてほしいからね。祝だなんだという責任とは関係なくね」


 巫女は巫女でも祝だったのか。まぁ、祝でも着るものは変わらんはずだけど。


「う~ん。孫を見守るおばあちゃん?」


「はっはっは、否定はしないけど、真理に言われたかないよ!私たちと対して歳かわらないだろうが!」


「私にとっては、真理や神奈子の方が年上だしね」


「俺は、爺だって自覚してるも~ん」


「その姿で言われたって説得力はないよ!」


 しかたねぇだろうが。俺だって老けたいのに老けないんだから。一体俺の寿命はどうなっているんだろうね?


「とりあえず、飲もう。もしかしたら、打開策が見つかるかもね」


「乗った!」


「乗るな!あんたたち二人は飲みたいだけだろうが!」


 とりあえず、しみったれた話は酒がまずくなるから、提案したんだが、諏訪子様からツッコミが入った。


「「そうだけど、それがなにか?」」


「ダメだこいつら、手遅れだ」


 そんなのであった当初からでしょうに。それに、なんだかんだで付き合ってくれるんでしょ?そんな諏訪子様はやっぱり尊敬できるよ。

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