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東方転犬録  作者: レティウス
なんか、巻き込まれた萃夢想
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エピローグ

「なんで毎回うちでやるのよ!」


 宴会が開始して開口一番に博麗の巫女が大声で怒鳴る。ったく、淑女としてなってないぞ。


「一番、楽にできるからな」


「滅してあげましょうか?」


 おおう、目がすわってやがるな。そういや、ボロボロの巫女服着ているが、どうしたんだ?魔理沙や妖夢も似たようなもんだが。


「真理、あんたを殺す!」


 宴会が進んで行ったら、博麗の巫女がそんな物騒なことを言いながら、スペルカードを掲げながら襲い掛かってきた。


「おいおい、穏やかじゃないな」


「聞いたわよ、今回の異変」


「解決してやったんだ、感謝こそされ、殺される筋合いはないぞ」


 まぁ、解決って言っていいのか甚だ疑問が残るような終わり方だったし、そもそもが異変と呼んでいいレベルでもなかったと思うが。


「だからよ!」


 何が?


「なんで解決したのよ!ただ酒が飲める機会がなくなっちゃったじゃない!」


 そんな理由かよ。まぁ、分からんでもないというか、大いにわかるが。


「こちとら、毎日切羽詰っているっていうのに!」


「お前が、集客の努力をしてねぇからだろ」


「そんな面倒なことできるか!人里からここまでどれだけあると思っているのよ!」


 いやいや、この幻想郷の人間を舐めちゃいかんって。てか、良くも悪くも昔の人間なんだから、歩くのを苦にせんって。


 てか、よりにもよって面倒っておい。まぁ、面倒だわな。


 だが、人里の人間がここに来ない理由はもっと単純だが。


 人里から幻想郷の端にあるこの博麗神社までやってくるまでに確実に妖怪に襲われるから来ないだろうけど。


 幻想郷の協定の中で人里に手を出すのは禁止されているが、それ以外に関しては自己責任というだけだからなぁ。


 こちとら、人食い妖怪でもないんで理由も知らんけど、そこらへんの妖怪だと人間を襲うのが生きがいって感じだが。


「お~い、博麗の巫女。酒はもうないのか?」


「どんだけ飲むのよ!」


「あるだけ飲むよ!鬼を舐めちゃいけないね!」


「こっちもおかわりだ」


「死ね!死んでしまえお前ら!」


 地団駄を踏む博麗の巫女。はっはっは、心に余裕がないなぁ。


「真理~、博麗の巫女がケチだから酒おくれよ」


「俺にたかるな、たわけ」


「いっぱい持っているんだろ。だったら、ちょっとくらいいいじゃないか」


 へべれけの萃香がやってきて、絡んでくる。ああもう、酔っ払いは面倒だな。


「てか、酒瓢箪のを飲めばいいだろ」


「ここに来る前に飲み切っちまったよ!今は、新しい水を入れて熟成ちゅうさ!」


 本当にどうしようもねぇ酔っ払いだな!そんなに酒ばっかり飲んでるんじゃねぇよ。(※ツッコミ不在)


「真理、話は終わってないわよ!」


「知るか。てか、お前は清明にしごかれていたんだろ、後片付け含めてやっておくから、やってこい」


「ざっけんじゃないわよ!ただ酒を逃してなるものですか!」


 その情熱をもう少し、別のことにいかそうぜ。そうすりゃ、人里で幻想郷の守護者(笑)なんて言われなくて済むんだから。


「そんなことないわよ!」


「ったく、なんでこう心を読まれるんかね」


「口に出して言っているじゃない!」


「なんと!?」


「真理は本当に誰でもからかうのが好きだねぇ」


 楽しいからな。てか、萃香、その鬼殺しどこから出した?


 それ、最近作ってないからあまり在庫が残ってないんだよ。


 新しい酒だけじゃなくて、鬼殺しとかも作り直すかなぁ。


「まぁ、とにかくだ。おまえさんも少しは働きな。そうすりゃ、金も溜まるだろうさ」


「働いてないあんたに言われても説得力ないわよ!」


「失敬な。あとりにお使いをよく頼まれているんだぞ!」


「お使いじゃない!てか、ガキか!」


 この中で一番歳食ってるわ。


「いいから、働く努力しろ。そうすりゃ、清明の頭痛の種も消えるってもんだ」


「健康そのものじゃないあいつ!」


 ちっ、知っていたか。頭痛いとか言っておきながら、あいつって特に気にしてないんだよな。


「働きたくないでござる働きたくないでござる」


「何で知っている」


 それ、ネタだからな?てか、本当にどうしようもねぇな今代の巫女は。先代をもう少し……いや、あいつを見習うのもどうかと思うな。


 それじゃ、先々代……は知らんから、その前……も知らん。初めて会った、巫女は……こいつに毛が生えた程度だったな。


 い、いかん。記憶を探っても碌な巫女がいないぞ。そりゃ、資質が似たようなものが襲名するから仕方ないっちゃしかたないけど。


「まぁ、いい。これやるから、がんばれ。んで、次も頑張ったらやろう」


「ひゃっはーーっ!」


 亜空間に収納してあった酒を渡してやると、どこぞの式神たちのような奇声をあげながら俺の手からかっぱらっていきやがった。


「あまり、甘やかさんでくれ」


 清明から小言を言われてしまったが、まぁ、ガキなんて現金なものなんだ、この程度の褒美があってもいいだろう。


 とりあえず、傷心中の椛を癒すためにとっとと今日は帰ろう

ご報告


永夜抄は飛び次回は風神録。

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