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東方転犬録  作者: レティウス
放浪篇
11/115

隙間から現れた妖怪

今までずっと書き忘れていましたが、基本服装は原作キャラは原作と同じ服装です

 諏訪神奈コンビの元を離れてから何処に行こうか迷っていたが、風の噂で都に絶世の美女が現れたというのを聞いたので向かってみようと思う


 そういや、都がいつの間にか奈良から京に移っていたなぁ・・・そうすると今は平城京か。覚え方は710(なっとー)ねばねば平城京だな!


 変?仕方ないだろう、俺が学生だったころは先生がこうやって教えたんだからな。それ以来これ以外の言葉を教えてもらっても頭に入ってこなかったんだから


 話が逸れたが、噂の美女というのも見るのも一興と言うことで都に向かっている最中だが、今の時代の絶世の美女と言うとあのおたふくみたいなのか?今の美女の概念は基本的にそうだったはずだが・・・


 あれ?卑弥呼や神子を筆頭に人間でも神でも妖怪でも周りから美女と呼ばれているのは基本的にスラリとしていたり胸が大きかったりなどした奴等だなぁ・・・


 布都や諏訪子様は基本的にちっこかったり幼女だから可愛いとしか言われてないが、まぁそんなことは置いておくとしてもこの世界の価値観というのは違うのかも知れないしなぁ


 そうすると噂の美女とやらも俺視点でも美女なのだろうか?まぁ、見た目なぞどうでもいいが楽しませてくれることを期待しよう


「漸く一人になったわね」


 そんな感じで都へとてくてくと歩いていると何処からか声が聞こえてきたのだが当たりを見回しても誰もいないのでそのまま歩き出す


「ちょ、ちょっと待ちなさい!」


 再び声が聞こえてきたので周りを見回すが、あたりには平原が広がっているだけで誰もいないので空耳と決め歩き出す


「ま、待って!」


 空耳です


「待て!」


 だから空耳


「じゃないわよ!!」


 突如として、目の前に現れたのは金髪で紫のドレスのような服を着た女性だった。とりあえず首を傾げてみる


「いや、今更犬のフリをしなくてもいいわよ」


 いやまぁ、ずっと見られていることは気づいていたんだが今更出てくる+一人を狙うとか何を考えているのかわかんないから無視していたんだよね


 てか、空間を操る俺にとって異常があれば直ぐに分かったから見張られた瞬間から知っていたが


「なんのようだい?」


「・・・今までの無視については無かったことにする気ね」


「当たり前だろ?わざとだったし」


「ぶっちゃけた!?」


 悪いか?正直どうでもいいんだが、なんかこう・・・こいつから出てくるオーラが


「うさんくせぇ」


「初対面に対して随分な物言いね」


 ピキリと額にリアルに青筋を立てて此方を見るめる金髪さん


「いや、お前見たら10人中7人は胡散臭いと言うと思うぞ?」


 残りの三人はまぁ美女なので先にその姿に見ほれるかその妖力にびびるかのどっちかだな


「やけにリアルな数字ね」


 この時代で横文字使うなや、てか使い方も先取りしすぎだよ。それにしてもこいつは一体なんのようで俺が一人になるまで待っていたんだ?


「さて、自己紹介から始めましょうか。私の名前は八雲紫、スキマ妖怪よ」


 そう言って目の前の女性・・・八雲紫が挨拶をしてくる。まぁ、名は体を現すとはよく言ったもんだな。服装が紫の服を着ているからな・・・関係ないか。


 それよりも、スキマ妖怪ねぇ・・・聞いたことも無いな。そうすると一人一種族かな?


 一人一種族とは文字通り一人しかおらず種族としての個が他にいない妖怪のことである


 因みに俺の場合は犬妖怪なのでこれに当てはまらない。母親以外にもここ近年では犬神なども増えてきたしなぁ


 犬神は祟り神+妖怪だから厳密には違うが


「俺は知っているだろうが真理だ。ただの犬の妖怪だよ」


「ただの犬が神の下で普通に暮らせるかしら?しかも、なにやら特殊な力を持っているみたいだしね」


 まぁ、見られていたのは知っていたが力の事もある程度ばれているのか?基本的に俺は能力を常時発動はしているがそれを使うそぶりなぞ見せたことは無いんだがなぁ・・・


 とりあえず、いつまでも犬のままでいるのもあれだから人化しますか


「ふふ、本当に綺麗な顔ね。嫉妬しちゃうわ」


「嬉しくないね。次に言ったらかみ殺すぞ?」


 お互いハハハ、フフフと笑っているが雰囲気が一触即発だ・・・あ、近くを飛んでいた鳥とか全部逃げ出した


「そんで、そのスキマ妖怪さんがなんの用だ?ぶっちゃけこれから都に行こうとしたところを邪魔されて軽くイラついているんだが?」


 まぁ、噂の美女を見なくても別に構わないんだが正直見られるならば見たい


「ええ、今ね私とても大きな計画を練っているの」


「計画?」


「そうよ。人と妖怪が共存する理想郷。それを作るために奔走しているのよ」


「へ~面白そうじゃん」


 面白い。これは十分俺を楽しませることが出来るものだが


「正直言おう。無理」


「どうしてかしら?」


「妖怪は人を食らい、人は妖怪を退治する。この理は絶対に覆せない」


 俺の名前の真理そのものだ。人は妖怪を恐れ退治し妖怪は糧として人を食らう、これをどうにかしない限り″共存″なぞ夢のまた夢である


 俺のような人を食わない妖怪を探しそれだけを集めるという方法も無くも無いが、俺のような妖怪なぞ他にいないと断言できる


 如何せん玲央ですら人を襲うのだからな。故にこの計画自体が矛盾しているのだ


「其処は今考えているプラン・・・案があるわ」


「へ~どんな?」


「ええ、ルール・・・掟を作るのよ。妖怪は人を襲ってはいけない。人は必要以上に妖怪を退治してはいけないって」


「また言おう、無理」


「どうしてかしら?」


「妖怪だけ損じゃん。正直妖怪は数が減っていくし何よりも・・・何故従うということが確定なんだ?弱小妖怪では頭が乏しく中級ならば反発し大妖怪ならば従う理由が無い」


 妖怪にメリットがなさ過ぎる。確かに人がいるということで妖怪への恐怖があるので食事などは確かに人でなくてもいいかもしれないが、それでも本能的に人を食らいたいという欲求があるだろう


 でなければ、森や山に住んでいる妖怪がわざわざ人里まで降りてくる必要性が無くなる


「ならどうすればいいの?」


「お前が作りたいんだろう?その理想郷を。ならば人から答えを求めるなよ・・・まぁ、俺が考えられる限りは協力してやるよ、面白そうだからな」


「そう」


「んで、その掟だが妖怪にメリットが無さ過ぎる故に少し緩ませろ」


「緩ませる?」


「そ。そうだな・・・境界を引くんだよ。そうだなぁ・・・一定の場所では襲ってはいけない程度ならば頭がいい妖怪などは基本的には納得するんじゃないか?

 

 そうだなぁ・・・お前の理想郷とやらがどういった形かはわからんが人と妖怪が共存するならば妖怪が基本的に住む場所・人里があるんだからなぁ・・・

 

 ある程度の範囲までは人を襲ってはいけない場所と決めておけばいいんじゃないか?それに加えて逆に人がそこ以外の場所にいって妖怪に襲われたら知りませんとな」


 これならばある程度は納得してくれるだろう。まぁ、必要ないと考える奴が今の時代は大半なので恐らくは受け入れられてくれないだろうがな


「なるほど・・・」


 八雲はなにやら俺の案になずいた後うんうん唸っていた。大方俺の案に修正を入れているんだろうな


「んじゃ、何かあれば呼べば協力をしないことでもない」


「ちょっと待ちなさい!」


「なんだぁ?」


「最初の目的を言い忘れていたわ。貴方私の式にならないかしら?」


 はて、式とな?式とは式神のことだろう。ここ近年は陰陽術が活発になり素養が高い人間は基本的に陰陽術師として活躍をしている人が多いからな


 おっと、また話が逸れた。まぁ大雑把に言うと式神というのは術師を主とし契約をしたものを使役するための術だ


「お前面白い事言うなぁ」


「あら、私はいたってマジメよ?」


「違う違う」


 いやいやと手を振りながら答える


「何で俺が飼い犬にならなきゃならんのだよ。冗談も大概にしな」


「・・・貴方、誰にものを言っているのか分かっているのかしら?」


 ずぶりと周りの空気が重くなる感覚が襲う。八雲が妖力を噴出し始めたのだ。周りには人はおろか動物はおらず。妖怪ですら八雲が妖力を出した瞬間に恥も外聞もかなぐり捨てて逃げ出した


 すげぇ妖力量だなこりゃ、ここまでの妖力量を持った奴は玲央いらい見たこと無いな。こりゃ、理想郷を作って上に立ったとしても実力で黙らせることも可能だろう


 ・・・俺や玲央などの例外を除けば


「八雲よ」


「何かしら?式神になる気になったのかしら?まぁ、この状況で喋れる余裕があるなんて予想外だったけど」


「いやいや、そうじゃないが。そうだなぁ今考えたんだがちょっといいか?」


「ええ、どうぞ」


 扇子で口元を隠しながら胡散臭い笑みを浮かべながら俺を施す


「なに、俺を飼いならすのならば俺が一生興味が尽きない何かをもってこい」


 まぁ、八雲の理想郷とやらは確かに興味が尽きないが、現状は穴がありすぎて正直従事したいとすら思えん


「次に俺を飼いならすのは俺だけだ」


 まぁ、簡単に言えば飼い犬になる気なぞ無いということだ。何故2番目かと言うと俺の行動理念が面白いこと=それを見続けることなので、その過程で誰かの式になるかもしれないということだが次の理由が当てはまった時だけだけどな


「最後に・・・何故自分より弱い・・奴の言うことに強制されなきゃならない?」


 それを言った瞬間に八雲が持っていた傘から弾幕が俺に向かって飛んでくるがそれを俺は避ける


「いい加減にしなさい?その程度の妖力で誰が弱いですって?」


 完全に切れた八雲が目を据わらせて此方を睨む。ふむ、美人は怒っても怖いというが本当だな。八雲は十分美女と呼べるだけの妖怪だが如何せんそれよりも先に俺は胡散臭さが出てしまう


「ふむ、笑みを浮かべるよりもお前は怒っていたほうがいいんじゃないか?胡散臭さが消えているぞ」


「大口を叩くな妖獣風情が!!」


 扇子が振るわれそこから針のようなものが飛んでくるのを何とか避ける。たしかにこの状態では八雲はおろか中級妖怪と何とか戦えるかな程度なので八雲の怒りも分かるが


「相手の実力を誤るなかれってね・・・5尾解放」


 5尾を解放すると先ほどまでのプレッシャーが無くなり八雲の妖力と拮抗する・・・すげぇな5尾と同等とか


「な、なによそれは!!」


 焦ったような八雲の言葉に俺はただ普通に返す


「何ってシッポだが?」


「犬の尾が増えるなんて聞いたこと無いわよ!」


「俺もないなぁ・・・まぁ、本当は違うが説明メンドイから教えん」


「いいわ、無理やりにでも聞きだしてあげるわよ!」


「やってみな・・・っ!!?」


 軽口を叩いた瞬間に嫌な気配がしたのでその場を直ぐに離れると先ほどいた位置に大きな岩が落ちてきたので上を見てみるとそこにはなにやら両端をリボンに結ばれた切れ目がありそこから目が覗いていた


「なんだありゃ」


「あれが私の隙間・・・故に私はスキマ妖怪なのよ」


 隙間ねぇ・・・空間の応用か?そうすると俺もできるかな?てか、そこからものを落としたのか


 実際の妖怪の力に加えあんなことが出来るならば実力以上の力を持っていると言っていいだろうな・・・相手が俺じゃなきゃ


「まぁ、食らわなければどうと言うこと無い」


「いつまで言ってられるかしら?」


 其処からは様々なものが此方へと流れてくる。刀を初めとした刃物からそれこそ酒まで・・・酒は落とさずにきちんと回収したぞ?後で飲むために


「く、流石妖獣と言ったところかしらね意外とすばしっこいじゃない」


 しれっとした顔で俺を評価する八雲に俺も若干驚く。隙間からの攻撃を初めあいつは弾幕攻撃をしてくるのだが未だ妖力が尽きないようだ


 まぁ、このクラスになるとこの程度になるのは分かってはいるが激情していたのがいつの間にか冷えているのも原因だろうな


「しっかし解せないねぇ。これほどまでの力があるのに何故に俺を欲しがる?」


「ふふ、確かにこの力は強力だけど貴方見たく直接能力が利かない相手だと時間がかかるでしょ?それに私って疲れること嫌いなの」


「小間使い狙いかよ!!働けグーたら」


 なんだよ、何か真剣な理由かと思ったらただのめんどくさがりなだけかよ・・・(※きちんとした理由を最初に言っていたが、次の言葉で一瞬で吹っ飛んだ)


「仕方ない・・・の違いを教えてやるよ」


「やって見せなさいよ。私はその上をいってあげるわ」


「後悔するなよ?・・・9尾・・解放」


 そして、俺は9尾まで解放するとあたり一面は俺の妖力で完全に塗りつぶされる


「な・・・あ・・・え・・・」


 八雲が青い顔をしながら声にならない声を上げているのを俺は無視しあたり一面に弾幕を展開する


「ひぃっ!?」


 八雲も流石にここまでと思っていなかったのか俺が展開した弾幕に青い顔を更に青くし小さく悲鳴を上げた


「さてどうする?まだ続けるか?正直俺も久々すぎる解放なんでな、威力がどれだけ高いかすら分からん」


 玲央と分かれて以来ここまでの解放をする事なぞなかったんで正直今の妖力の量がどれだけかすら分からん


「・・・あ・・・あぁ・・・」


「妖力に当てられたか・・・封印っと」


 シッポを再び仕舞うと八雲の青かった顔も元に戻り平静を取り戻した


「さてと、これで俺がお前より強いといった理由が分かったろう?」


「ええ、私は知らずにとんでもない奴に喧嘩を売ったということね」


「そう言うこった。まぁ、大妖怪と呼ばれる奴も上下ってものがあるしな」


 そういや、1000年生きれば大妖怪って話だが、実際5000以上生きている俺ってどうなんだろう?前に2000年生きている奴と会ったがそいつはもう死ぬ間近とか言っていたしなぁ


「さて、もう一度言うが俺を式にすることは諦めな。さっき言った3つを満たせない限りは俺は誰かの飼い犬になる気は無いさ」


「・・・諦めるしか無いようね」


「そう、しょげんなって。言っただろう?面白いから手伝いはするって本当に1人じゃどうしようも無い時は手伝わんことも無い」


「それって、状況によっては断るってことよね?」


「まぁ、優先事項があった場合は断るわな」


 例えば卑弥呼や神子の所にいた時に呼び出されたら確実に断っただろうなぁ・・・前の事だから例として出して正解かわかんないが


「そう、出来るだけ貴方が暇そうなときに声をかければいいのね?」


「そうだな。まぁ、夜中で短い時間とかなら別にいつでもいいが」


 基本的に妖怪の活動時間は夜だからな夜中になりゃ人間は寝るからなその間は別にと言う感じだ


「分かったわ」


「それじゃな八雲」


「紫よ」


「あん?」


「紫って呼んで頂戴。これからの友人に対して名字に呼ばれるってのは味気ないわ」


「友人?誰と誰が?」


「私と貴方よ」


「・・・え?」


「ちょっと何よ!その「何言ってのこいつ信じらんねぇ」って顔は!」


「解説ありがとうございました」


「いえいえ・・・ってそうじゃなくて!」


「冗談だよ冗談。長生きしたきゃ大らかにかつ細かいことは気にすんな」


「細かいかしら・・・」


「そうそう。んじゃな


「あ・・・ええ。またね真理」


 八雲改め紫に別れを告げて俺は都へと足を向ける


 それにしても理想郷ねぇ、あいつがそれを語っている時はとても輝いていた。それは絶対に叶えるという意思があった


「くくっ、久々に見たなあんな面白そうな奴は」


 神奈子様や諏訪子様も面白かったが理由が違うしな、紫が何処までやれるかあいだあいだで見せてもらうとしますか

ゆかりぃぃぃぃぃん!


という訳でゆかりんとの出会いでした


因みにアンチは一切無いようにしたいと思います


誰がよくて誰が悪いなんてのは作りたくありませんし、みなさんの嫁が叩かれたら嫌ですよね?


てか、東方キャラは全員好きなので誰かを立てることはあっても誰かを落とすことはしないようにしたいと思います


だが、ネタとして弄ることはありますがね!

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