依頼消化
小説書く暇が無い。
速攻で何とか描いたけど……
どうも、オークを発見しました。勇者やってる優です。
「ンゴッンゴッ」
「あれだな。それじゃあ、行くぜ」
「うん。ここからじゃあ見えないけどあっちの茂みに1体、向こうに2体いるみたいだ。気をつけて」
「分かってるさ」
タニアさんとフォーク村周辺に巣くったオークを討伐するべく、やってきました。
オークはDランクでも充分倒せる強さらしいので楽勝です。
タニアさんも余裕の表情でオークの肉を切り裂き、首を刎ねています。
もちろん、討伐証明となる部位の剥ぎ取りも忘れません。
「今回はホープの出番は無いみたいだね」
「(まあ、斯様な豚ごときに拙者を使われても……)」
僕らの出番なんか無いくらいタニアさんが暴れています。
「おらおらおらぁ!!」
「ぶぎょぉ!!」
「ぶぎぃぃいいい!!」
たまりにたまった鬱憤を晴らそうとしているように見えるけど何を我慢していたんだろうか。
平和ボケの国ってクルエルさん言ってたけどタニアさん全然ひよってないじゃないか。
「ラストォォォオオ!」
「ブギャァアアアア!!」
あ、終わったみたい。
大体5分ぐらいかな。
一体何匹倒したんだろ。
[オーク討伐クエスト]をクリアした
オーク殲滅率:14/16
ノルマ:10 ・・・・達成
宝回収率:0/0
ボスモンスター:なし
クリア率:84%
Status up 18
名前:優
生命力:940/1000+60
魔力:242/247 +5
攻撃力:420(127) +7
防御力:78 (67) +5
素早さ:55 +2
器用さ:32 +2
賢さ:89 +10
魅力:143 +4
Status up 16
生命力:241/310 +20
魔力:30/31 +1
攻撃力:73 (57) +2
防御力:69 (56) +2
素早さ:46 +3
器用さ:17 +2
賢さ:9 +1
魅力:44 +4
初クエスト達成報酬があります
受け取りますか?
y/n
黙々と討伐達成証明部位の剥ぎ取りをしていると頭に声が響いてくるような感覚がした。
「(え?何今の?ホープは分かる?)」
「(拙者は何も聞いておらぬぞ?)」
「そんな……」
ホープは“声”が聞こえていないみたいだ。
きっとタニアさんも聞こえてないんだろう。先ほどから黙って剥ぎ取りを続けている。
何がなんだかよくわからないけれどとりあえずYESを選ぶ。
優はスキル『追跡者』を手に入れた。
探したい人の名前、または顔を思い浮かべる事で居場所を突き止めることが出来る。
名前で探した場合、同姓同名の人物から種族別に表示され、更に細かく設定をすることが可能となる
『追跡者』かぁ……柚木君はこれで見つかるかな?
────該当者なし
駄目か……。
まあホープは居るって言ってるし、僕が勇者として皆に知られてきたら彼も出てきてくれるかもしれない。
魔王ってのを倒したら本格的に探そう!
そう心に決める。
いつもいつも後回しにするときはこう言い訳をして、結局やらないことを僕は忘れていた。
だってそういう時は決まって彼が注意してくれていたから……。
「クエスト達成おめでとうございます。こちらが報酬です、ご確認ください」
「おう、……確かに」
王都へと戻ってきた僕達。
ギルドで報酬を受け取ってまた次のクエストに行く。
お金貯めないとね。
今の所持金は4200円。
タニアさんが思ったよりも多くオークを倒していたようだ。
嬉しい誤算である。
オークを多くといっても洒落ではない。
駄洒落といえば遠藤君が言ってたな……。
場の空気を凍らせてはエターナルフォースブリザードだ。とかいってたけど。
「あと半分ってところか……ささっと終わらそうぜ」
「そうだね。それじゃあ次は……」
まあ、今は旅の準備をするためにお金をためるのが大事だ。
この国には難易度の低いクエストしかないからか報酬も他国に比べて低いらしいが旅の備えは大切だからね。
「ま、今日はこんなとこだろ」
「……うーん。一日中働いて1万ちょっと……短期のアルバイトくらい?」
「何言ってんだ?」
「いや、なんでもないよ」
僕達はハイペースで依頼を消化していき、現在所持金は1万円。
この世界では一般人からすると高額である。
これでタニアさんの剣の代金を払うことが出来る。だけど明日もまたクエストを受けに行くつもりだ。
幸いというべきかは分からないけど魔王が現れてからモンスターの動きが活性化しだしている。ハンターの仕事も月に5回討伐任務があれば多い方だというのに今では討伐が追いつかないらしい。
そのおかげでハンターたちは儲かっている訳だが……。
そして受け取りの日、タニアさんと一緒にバレンタイン工房に行くとあの男の人が出迎えてくれた。
かなり憔悴しているようだったけどなにがあったのかな。
「……!……いらっしゃい。剣の受け取りだよね?7500円だよ」
僕は彼に手渡しでお金を渡してあげた。
触れた瞬間怖がられた気がするのはなぜだろうか。
「うん、確かに。私は反対だったんだけどね、後払い。これが依頼の剣だよ」
「へえ、なかなか……」
そういって彼がタニアさんに渡した剣はどこかホープに似ている両刃の剣だった。
「試し切りはここでやらないでくださいね、勇者様。」
「?」
そう皮肉のような口調で言い放つ鍛冶屋のお兄さんは寂しげな顔をしていた。
僕にはあまり興味の無いことだから気にしなかった。
タニアさんは試し切りをしたかったのかすぐにクエストを受けに行き、僕もそれに引きづられるように連れて行かれた。
その晩、お城に戻ってきた僕を心配したクルエルさんが湯浴みに誘ってきた。
勿論断って一人で入ったが侍女さんが背中を流します。とかいって侵入しようとしてきた時は焦った。
明日から僕達の旅は始まる。
きっと逢えるよね?柚木君……。
新たな剣を入手。
名前はまだ無い。




