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(仮タイトル)すらいむ?に転生  作者:
勇者?召喚
19/26

魔法の訓練

 侍女さんのフラグを建てるためのイベントをこなす勇者さま(♀)

 本当なら数ヶ月ほど訓練をしてから魔王の討伐に行くそうだがクルエルさんから聞いた話では出来る事なら早いほうがいいということで討伐の仲間が決まり次第すぐに出立することになるそうだ。

 魔王は中央に陣取り他の国家に対し破壊行為を繰り返している。

 フィーツ村にあるという聖剣を勇者が装備することでスキル『勇者』の恩恵をフルに受けることが出来ると文献に残されている。

 この文献は何故か英語で書かれていたので、日本語しか使えないこの世界の人たちにとってこの文献を読むこと出来なかったが、勇者にしか読めない字として残されていた。


 そういえばそろそろ僕と一緒に戦う仲間の選抜が終わるらしい。

 バランスをとるためにそれぞれ『戦士』『僧侶』『魔術士』のスキルを持った人3名が選ばれることが多いのだが初代勇者は一人旅だし、3代目勇者は5人だった。

 初代の時は仲間の選抜自体なかったことだったので仕方ないとはいえ3代目勇者の場合は旅の途中で仲間が減ったり増えたりしたと記録に残されている。



 今日は魔法の試し撃ちをする。

 侍女さんは‘少し’なら魔法が使えるというのでコツを教わる。

 何でも詠唱は必要ないらしい。

 大事なのは強いイメージであって、やろうと思えば動かないでも魔法は使えるそうだ。


「詠唱するのはそのイメージに……例えば電撃を放ちたければ《カミナリ》ということで連想しやすくするためのものであって、言葉とはまったく別のこと……《焔》と言っているのに水を出したりすることも可能ではあります」


 だけどこれには欠点があって、このやり方で魔法を使うとイメージがあやふやになって威力が極端に弱くなったり、発動しなくなることがあるとのこと。


「あらゆる生物には魔力があります。魔力がなくなれば当然魔法は使えません」


 魔力は時間の経過と共に回復していく。

 魔物は他の魔物を食べることで魔力の回復を促進させることがあって、多数相手にして戦うときは気をつけたほうがいいとのこと。

 

「魔法にはそれぞれランクがあります。多数の人間が使える魔法は初級魔法。これはゴブリンやオークを殺すのには使えるかもしれませんがもっと強い魔物には効き目が薄いレベルです」

 

 初級魔法で一番強い攻撃は火系統で、一番弱いのが水。

 というのも水は初級魔法で使うと量も少なく攻撃には向かない魔法で、バケツ一杯分の水を出すのにかなりの量の魔力を消費するからだそうだ。

 

「中級魔法や上級魔法は使える人間が100人ほどしかいません。上級ともなれば1人か2人いるかいないかといったところです」


 魔物は中級魔法や上級魔法を使えるので魔法に対する防御はしっかりしておかないと危険だそうだ。

 騎士団の着ている鎧や盾には魔法に対する防御がしっかりと出来ているので中級魔法を4発は耐えることが出来るだろうとのこと。


「それでは実際に魔法を使ってみてください。イメージが大事ですよ。こうです、《火球よ》」


 侍女さんの詠唱とともに火の玉が打ち出される。 

 それは50メートル先の地面に落ちて、弾けて消えた。

 それに習って僕も魔法を使ってみる。


 イメージを……

 

「《焼け》」


 僕がそういった瞬間、目の前で火が炸裂した。

 成功かな?


「それでは次は喋らずに魔法を撃ちましょう。……」


 侍女さんの手から青白い電流が走る。

 僕もそれを見てイメージをする。

 今度の魔法は水系統でイメージは水鉄砲。

 小さな穴から勢い良く飛び出す水をイメージする。


「流石です勇者様。無詠唱で魔法を使うことは難易度が高く、実際に出来るものはよほど慣れているか、想像力が豊かな者しかいません」


 僕にそんなことをやらせようとしていたのかこの人。

 それにしても侍女さんって一体何者なんだろう。

 この人歩いてる時、足音が全くしないし気配も薄いから後ろから近づかれると吃驚するんだよね。


「」

「そうですか」


 ……うん?

 読まれた?読心術?なんて多才なんだ。

 これも魔法かな?


「いえ、これは訓練によって得たスキルです」


 わーすごーい。

 でも心を読まれるってあまりいい気分じゃないなぁ


「申し訳ございません」


 あ、無表情のまましゅんってなった。

 なんてかわいらしい人なんだろうか。


「……明日には討伐のためのメンバーが発表される筈です。今のうちにしておきたいことをするといいでしょう。それでは私はこれで」


 侍女さんはそのまま立ち去ってしまった。

 照れたのだろうか。

 しておきたいことなんてないので僕は魔力が切れるまで魔法の練習をすることにした。


「《潰せ》」


 流石に重力を使うのは初級魔法では無理なようだ。

 

「《飛翔》」


 おお、空を飛ぶことならできるんだな

 そして僕は気がつく。

 これどうやって降りたらいいんだろうか。

 イメージで地面に近づく僕を想像しても動かない。

 もしかして失敗?


 どうやらイメージ不足だったようだ。

 翼を使って飛ぶのではなく泳ぐようにイメージをすると自由に空を飛べた。


 あとで侍女さんに聞いたはなしでは空を飛んでいる間は魔力を消費し続けるので誰も好んで使うことがないらしい。とある馬鹿が空を飛んだまま魔力切れで墜ちて死亡したからだといっていた。

 そのことを話すとクルエルさんに笑われた。

 ちょっといらっときたのでスタンガンをイメージした電撃を浴びせておいた。

 

 そういえば優が召喚されたのは柚木が転生する2~3日前って設定なんだよね。

 だからこの話のときはコボルト・オーク連合の少し前位になる。


 

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