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(仮タイトル)すらいむ?に転生  作者:
勇者?召喚
14/26

僕の心は……

 お待たせしました。

 いや、1週間ぐらい空けただけなんだけどね?

 

 柚木の親友の話です。

 あの液体?ああ、あいつなら鍛冶屋でいい汗?掻いてるんじゃないの?

 やあ、初めまして……僕は嵩原優(たかはらゆう)。今は32歳、独身だよ。

 今度の章の語部を任されてるんだ。

 

 ふふ、この歳で独身なんて笑っちゃうよね?

 高校生の時までは好きな人が居て…いっつも傍にいて……。

 なのにその人、どこかに行っちゃって。

 探しても探しても見つかんなくて……

 家に引き篭ったり、自傷したりしたんだけど、やっぱり彼に会いたいって気持ちが止まんなくって。

 それでやっと地元から離れた県で就職。

 そこまで立ち直るのに5年もかかっちゃった。

 

 僕が高校時代から卒業して彼が居なくなり、再び逢ってまた引き裂かれて……

 そして僕が彼と再会するまでの道程を綴った。

 これはそんな僕のお話。

 





「やっほー。おはよう柚木。朝から元気ないね」

「ああ、おはよう嵩原。いや~昨日は彼女が寝かせてくれなくて……」

「彼女居ないのに何言ってるの……ほら、行こ?」

「なんだとぅ。俺だって彼女くらい作れるわボケー!」

「はいはい」


 彼の名前は中西柚木。

 彼女居ない暦=年齢で、僕の唯一の親友。

 彼との出会いは中学の時からだけど、僕が彼に好意を抱く理由を説明するには僕が小学生ぐらいまで遡らないといけないだろう。


 

 僕は子供の時から男の子だった。

 他の男の子と一緒に遊び、おままごとなんて女の子の遊びだっていって男の子を泣かせたり……

 お風呂は男風呂に入り、着替える時もそうだった。

 強くなりたいと思っていろんな道場に通っていた。


 僕のランドセルは黒だった。

 皆が坊主頭の中僕だけショートヘアだったけど、男の子だった。

 

 小3で髪の毛を伸ばすのが流行った。

 僕は髪の毛を伸ばした。

 そうしたら女の子見たいだって言われた。

 

 水泳の授業で僕だけ一人で着替えるようになった。 

 僕は男の子にあるものがないから……

 たったそれだけの理由で男の子じゃなくなった。

 

 小6になると僕はクラスの人の殆どに無視されるようになった。

 男か女かわからない。

 俺と付き合ってくれ。

 関りにくい。

 そういわれた。

 僕は男の子だから、男の子と付き合ったりはしないんだよ?

 そういったらついに皆が僕を無視しだした。

 後から知ったけどその子は学校で一番人気があって、テレビにも出てる子役の子らしい。

 だから僕は女の子から苛められ、男の子から無視された。


 中学生になって僕は遠い遠いところに引っ越した。

 僕が苛められている事を先生がお母さんとお父さんに教えたらしい。

 中学生になっても苛められたら大変だからっていってた。


 このころから僕は病院に通うようになった。

 僕には病気があるらしい。

 性同一性障害

 それが僕の病気の名前。

 女の体に男の心。

 

 そして僕が体育の時間の時、着替えるのが嫌でずっと休んでいるのを同級生の男子に怒られた。

 怖かった。

 格闘技をやってても、どんなに強いといわれても、人に嫌われる恐怖に勝てなかった。

 僕は泣いてしまった。

 

 その次の日、泣き虫と言われるようになった。

 上級生に好きな子をお前に盗られたと怒鳴られた。

 殴られそうになって、必死に許しを求めた。

 その日、僕のお小遣いはなくなってしまった。


 でも……


 半年後、僕はパシリと呼ばれるようになった。

 ジュースやパンを10人分僕のお金で買ってこないと怒られるんだ。

 今日は11人分買ってくるように言われた。 


「お、来たな。どれどれ……」

「カレーパン頂き!」

「じゃあ俺クリームパン~」

「あ、ずりいぞお前ら」

「早いもん勝ちだっての」


 当然、そこに僕の分はある訳がなくって。

 僕は半年間ずっとお昼ご飯は食べてなかった。

 お金も貯めてたお年玉から使っていた。

 そろそろそれもなくなってきていて、お金が払えなくなる。


「柚木、食べないのか?タダだぜ?タダ」

「……………」

「おい、どうした?いらないなら俺が食うぜ?」


 どうやら知らない1人は柚木というらしい。

 柚子君は地味で同級生だってことすら知らなかった。

 

「いや、貰っとくよ。じゃ、ジンジャエール貰ってくぜ」

「あ!俺の好きなやつ取りやがったな!」

「早いもん勝ち……なんだろ?…ああ、私はやっぱり教室で1人で食べることにするよ」

「え~またかよ。お前小学校のときもそうだったじゃんかよ」

「すまんな」

「許してやっからジンジャエール置いてけ」

「やだ。じゃあな」

「おう」


 柚木君は一人で食べるらしい。

 僕はここに残って足りないって人の分のパンを買って来ないといけないけど今日は違った。


「おい、嵩原。お前今日はもういいぞ」

「……え?」

「柚木のやつが2つしか持ってかなかったから結構残ってるんだよ。さっさと失せろパシリ!」


 僕は教室に向かった。

 けどその途中で彼に呼び止められた。

 

「なあ、お前……嵩原だっけ?嵩原…さ。嫌なら嫌って言っていいんだぜ?」


 そう、柚木君だ。

 

「でも……そんなことしたら……」

「殴られるってか?大丈夫だ。その時は私が……一緒に殴られてやる」

 

 私、喧嘩弱いんだよね。と笑いながら言われた。

 物凄く格好悪い言葉だけど、凄く嬉しかった。


「ほら、パン食えよ。お前のなんだから……ほれ」

「……あ…」

「ジンジャエールは……回し飲みでいいか?俺も飲みたいし。な、」


 ――――――――一緒に食おうぜ

 

 嬉しくて、涙が溢れてきた。

 けれど、何故だか彼にだけは見られたくなくって俯いた。

 こんな気持ちになったのは初めてだった。

 

 その日、僕は心の底から笑った。


 それから僕はなんだかおかしい。

 中西君……柚木君の苗字だけど。

 中西君は僕の斜め前の席で、僕が前を向くと彼の横顔がチラッと見える。

 中西君を見ていると胸がドキドキして、締め付けられて、切なくなる。

 

 彼が女の子と話している姿を見るのは苦痛だった。

 彼の傍にいると嬉しくて、気持ちがよくて、楽しくて……

 彼と話していると体がだんだん熱を帯びてくる。

 

 僕はどうかしたんじゃないかと思ってお父さんに相談してみた。

 それは恋と言うらしい。

 

 僕は彼に恋をした。

 

 僕は恋が嫌いだ。

 こんな物のせいで僕は彼と上手く話すことが出来ない。


 

 

 その3日後、僕のおまたから初めて血が流れた。

 保健の授業で習った。

 これは生理。

 女の子に起こる生理現象。

 

 僕は焦ってお母さんに助けを求めた。

 その日は学校を休んでお母さんがお赤飯を炊いてくれた。

 ……お赤飯はあんまり好きじゃない


 次の日、体が重かった。

 その日も学校を休んだ。


 そして次の日、学校に行くと声をかけられた。

 彼かと思って振り返ると


「よお嵩原。何勝手に休んでんだよこの野郎。ぶっ殺すぞ!」

「お前が休んだせいで昼飯抜きになったんだぞ?ああ!?」


 僕の心は一転、雲がかかったようだった。

 彼じゃなかった……

 苛められることを心配するよりも彼じゃなかったことを考えるなんてやっぱり僕はどうかしたんじゃないかと思った。

 でも、そんなことを悠長に考えてる場合じゃなかった。


「なに無視してんだこのパシリ野郎!!」

「テメエは黙って頷いてりゃそれでいいんだよ!!」

「この屑!!」

「そうだ!この屑!!バーカ!!!」

「死ね!この野郎!!」


 僕がいろんなことを考えていたら皆が僕に悪口を言ってきた。

 怖い……

 助けて……

 嫌だ……嫌だよぉ……


「たすけて……」

「ああ?何言ってんだ聞こえねえよ」

「……たすけて」

「ぼそぼそ喋りやがって。気持ち悪い」


 ――――柚木君……助けて


「助けて!!僕、もうやだよ!!助けてよ!!」

「っち。ぴーぴーうっせえなこの野郎!!!」


 殴られる!

 そう思い体が強張ったとき、僕と同じくらいの背の男の子が僕の前に立っていた。


 親友のスペック

 強いけど、心が弱い

 柚木のためなら人殺しも出来る。

 ヤンデレ気味だけれど違います。

 ボーイズラブ要素はこいつのせい。

 柚木はこいつを男だと思っているので……

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