王都到着
話の持っていき方が強引です。
気が向いたときにでも再編集します。
文字数更に増えますが……
どうも、騎士豚を倒したものです。
睡眠場所は、近くの木に登って寝る事にした。
朝早くに目覚めた私は水溜りに向かって私の顔を見ながら互換された『擬人』を確認した
『人型擬態』が『擬人』に互換されてより、人間らしく……というより前世の私のような姿になった。
より、人間らしくなったのはいいのだが問題は背丈だ。
実を言うと背丈も前世と同じになりかけているのだ。
折角の高身長の夢をぶち壊された気分だ。
それはともかく、騎士豚の装備はいいのだが、何故か装備しても攻撃力に+がつかない。
あれか?俺に使える武器は触手だけとでも言いたいのか?
とりあえず格好だけでもつくので槍は持っておく事にする。
鎧は食べた。
流石に鎧は城の人間にばれてしまう。
王都についたら槍もどこかに売ってしまおう。
そういえば、寝ていた時におかしな声が聞こえた。
――――――――泉に……
そう、こんな声……あれ?まだ聞こえてる
――――――――泉に……来て……
泉に?何かあるのだろうか。
興味がわいてきて無性に泉へと向かいたくなった。
その時、私の『冷静』と『沈着』が発動し、頭の中がすっきりしたような気分になった。
そして考える。
どうして場所も知らない泉に行こうとしたのか
どうして私の能力が発動したのか
どうしてこの声は私を呼んでいるのか
私はほとんどの状態異常を軽減できるが今まさに状態異常になっていて、冷静以外の状態になったから『沈着』が発動したのではないかと推測した。
ならばこの声に従うのは危険じゃないのか?
そう考えた私は無視することに決めた。
その時、声が前にも増して強く聞こえ出した
――――――――泉へ…泉へ…泉、泉、泉……早く、来て……
だんだんと恐くなってきたが、状態は強制的に冷静へと引き戻される。
おかげで思考に集中できる。
おそらくこれは私を誘惑していると推測できる。
チョウチンアンコウのように獲物を誘い、獲物に喰らいつくのだろう。
ここにいては危ないと思い、私は早くここから出る事にした。
―――――――――泉へ……来て……早く……あなたを……
その声は最後まで紡がれず、私に聞こえる事はなかった……
skill lost
『悪&$道#心』 開放条件を満たせなくなりました。
skill get
『善悪の天秤』 -12
走って先ほどいた場所から去った私は特にこれといった事もなく王都に着いた。
王都には町に入る為の門がある。
金を払い、商人や旅人が身分を証明させるための物だ。
当然私にお金などない。
なので私は少々強引な手段を使わせてもらった。
両手足を触手の状態に戻し、そして、壁を登っていく。
その時『擬態』を使いながら登っているので見つかる事はない筈だ。
そうして私は王都に入る事に成功した。
何はともあれ先ずは勇者を見に行くために聞き込みをしよう。
前と同じように偶然近くにいた人に聞いてみる事にした
「すまないが勇者ってどこにいるかわからないか?」
「?あなた他所から来た人?」
「ああ、ついさっきこの町に着たんだ」
「そう、残念だったわね。勇者様なら聖剣を抜きにフィーツ村に向かっているそうよ」
「そ、そうか……」
勇者を見るためにここまで来たというのにこれでは無駄足だったのか?
「そう落ち込まないで?この町にいればいつか会えるんだから」
まあ、それもそうだ。
だが私には金も無いため宿も取れないし食べられない。
一番良いのは就職することだがそれにも問題がある。
「あ、そうだ。ねぇあなた、もしよければ私のところで働かない?男手が欲しいの。駄目かしら」
「あ、いや、私は……」
そんな事をいわれても、わたしには身分の証明ができないのだ。
働ける訳がない。
「仕事内容は私のやってる鍛冶屋の手伝いよ。重い物ばかりだから大変なのよ」
「しかし……」
「もしかして長い間は働けないとか?」
「あ、ああそうだ」
困ったわたしは咄嗟に嘘をついた。
別にこの町にいても問題は無い。
「んーそっか。じゃあ、この国にいる間だけでもお願いできない?」
何故私はこんなに誘われているのだろうか。
気になったが、折角の就職の機会を断る理由もないので了承しておく事にした。
金はこれからも必要になるからな
……金を貯めてから身分証を買えば良いだろう。
「ほんと?助かるわ。じゃあ着いてきて」
そう言われ着いた所は小さな店だった。
店には目つきの悪い、親友とは違う形のかっこよさを持った男がいた。
「よお、リリー。ん?なんだその男は」
「こんにちは、グレイ。うちで雇う事にしたの」
「ああ?こいつを?何でだよ」
「鍛冶屋って重たい荷物が沢山あるの。それに鍛冶に時間かかるから材料の買出しとかしてくれる人がほしかったからね」
「……っち。おいてめぇ、リリーに手出しやがったらぶっ殺すかんな」
「あ、グレイ、どこ行くの?」
「クエストがまだ残ってんだよ、剣一本買ってくぜ」
……なぜ私はいきなり脅されたのだろうか。
「ごめんなさい、彼はグレイ、私の幼馴染なの。ねえ、グレイに何言われたの?」
「いや、特に何も。リリーに迷惑かけるなよって」
「そう、彼、他の人にもなにか言ってるのよ。何言ったのか聞いてもなんでもないって言われちゃうし……」
これはあれか、恋心というやつか。
ちゃんと伝えれば良いのに……
「さて、自己紹介がまだだったわね。私はリリー。リリー・バレンタインよ。お父さんが死んだ2年程前からここ、バレンタイン工房の店主をやってるわ。あなたは?」
「私は……」
なんと名乗るべきだろうか……
解析系の能力を使っても私の名前には霞がかかっているようにわからないのだ。
「私には多分名前が無い」
「多分?」
「昔呼ばれていた名前なら有る」
「じゃあ、そっちで良いから教えてよ」
「中■ ■木」
「え?ご、ごめんなさい、よく聞こえなかったわ」
「……村雨 忍。特に目的も持たずに彷徨っている」
本名を言ってみたがやはり聞き取れないようだ。
私にも口に出した名前がなんなのかよくわからなかった。
咄嗟に出たのは偽名だった。
「ムラサメ・シノブさん?変な名前ね」
「ああ、いや、正確には忍 村雨、かな。性と名が逆なんだ」
「本当に変な名前ね。あれ?たしか勇者様も姓名が逆だったような……」
「珍しい名前だろう?」
「ええ、とても」
ここで勇者の情報が一つ増えたな。
勇者は日本と同じような名前が付いているようだ。
ここの人は多分みんな外国人のような名前がついているから、私には呼びにくくて困る。
「さて、私はここで一体何をすればいいのだ?」
「そうね、まずは……水を汲んできてくれないかしら?」
「水を?どこでだ」
「店の裏に井戸があるわ。そこから5杯一杯に入れてきて」
「……魔法は使っては駄目か?」
「魔…法?シノブは魔法が使えるの?」
「ああ、一応」
「ねえ、シノブって魔法使いなの?」
「いや、そんな事はないが……」
「ふぅん。でもどうして魔法が使えるの?魔法使いでもないのに……」
「さあ、使えるものは使える、としか考えた事はなかったな……どうしてそんなに驚いてるんだ?」
「だって、魔法使いってなれる人は少ないし、なったとしてもギルドに入るか王国に奉公するかぐらいしか道が無いのよ」
「そうなのか?」
「そうなのかって……シノブ、あなたね……」
「まあ、便利な道具だとでも思ってると良いさ」
「はあ、そうね。じゃあ魔法で水出してくれる?」
「ああ、任せてくれ」
「あ、それと、絶対魔法使えること誰かに知らせちゃ駄目よ」
「問題でもあるのか?」
「まあね。知られたら間違いなく国の人が来て連れてかれるか、ギルドに入れさせられるかのどちらかね」
「……そうか、解った」
魔法が使える人が少ないわけではなさそうだ。
むしろ魔力の無い人の方が少なく、戦士は誰でも魔法で身体強化を自然と見につけるらしい。
だが、水を作り出したりする魔法使いは火力が高く、広範囲の攻撃を出来る事からどこの国も獲得に躍起になっているらしい。
もちろんこの国……ふぉーすでっど、というらしいが……もちろん例に漏れず魔法使いを見つければ勧誘をしつこくかけ、それを嗅ぎ付けたぎるどにもしつこく仲間になれと勧誘されるそうだ。
絶対にばれないようにしなさいと釘を刺された私は仕方なく隠れる場所を探して魔法を使っていた。
「『うぉーたー』……『うぉーたー』……ええい、『水』!!」
さいきん気付いた事は、魔法に必要なのは想像で、詠唱の違いによる影響は今の所なさそうだ。
ただ、関連のある言葉だと想像がしやすい。というだけだ。
わたしは横文字が苦手なので言いづらいが火!といって魔法を使うのはなんだか格好が悪い気がする。
とはいえ、今は誰もいないので途中から水!と唱える事に変えた私はすぐに桶一杯の水を汲み終えた
「ありがとう、助かったわ。ねえ、宿、どこも取ってないんでしょ?だったら家に泊まってってよ」
「え?いいのか?」
「ええ、死んだお父さんの部屋が空いてるしね……」
「……それは」
「いいの、気にしないで。お母さんも一緒に住んでるから」
「そうか」
「それに、シノブは目的も無く彷徨ってるって言ってたでしょ?あの時長い間働けないとか言ってたくせに……」
「あ、いや、それは……」
「ね、やっぱりずっとここで働かない?」
「……考えておくよ」
「うん、いい返事、期待しておくわ。じゃあ、帰りましょ。こっちよ」
泊まる金もないから液状になって隠れて寝るつもりだったのだがリリーが家に泊めてくれるそうだ。
何故かは解らないが働く場所をくれた上に寝泊りする場所も貸してくれるなんて……
これはぐれいが心配する訳だ……リリーは無防備すぎる。
今日会ったばかりの男を家に泊めるなんて事、普通はしないだろうしな。
いつかこの恩は返そう。
絶対に……
skill get
NEW『恩返し』
NEW『守護』
NEW『能力付与』
『善悪の天秤』 +2
連投2日目
設定集出すとか言っておきながらまだ出してない俺。
読まないといろいろわからないとこあるのに……




