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準備では終わらない

新しい生活が始まる始業式。


そこで校長先生からの”生き残るための覚悟、そのための生存競争”


そのことも、僕が求める”ピースエンド”に直結するだろう。


担任から、強制で指名された僕(あとは雲鷺と住)は別室に移動された。

ここからが、本領の発揮っと言いたいところだが、掃除をしてからだな。

「……やあああああっと終わったよ」


埃っぽさはまだ残っているが、大体は片づけたんじゃないのか。

片づけている途中で、誰かが開けた窓から、新鮮な風が入ってくる。


「……で、これから何するんだろうな」

住が、椅子に腰を下ろしながら言った。


「十中八九……作戦会議だな」

そういって、僕も椅子に腰を下ろした。


その声に誰も否定はしなかった。


僕は、空き教室の中にあったホワイトボードの前に立って、今にもインクが切れそうなペンを見つめる。

ここが、もう普通の生活を送る一部に戻らないような、そんな気がした。


『来るぞ』

直正さんの声が、頭の中で響く。


次の瞬間、ノックもなしに扉が開いた。


入ってきたのは、さっき僕たちをこの場所に連れてきた張本人である担任だった。


「掃除、ご苦労だったな」

そう淡々というもんだから少しイラッとなる。


「それで、どうするんですか?」


「まず確認だ」

「ここに集められた理由は、理解しているな?」


その言葉に沈黙する。


「三日後の吸収戦。そのための準備なんだろ」

僕は、吐き捨てるように答えた。


「正解だ。そして、それ以外でも君たちに――どれだけ”制御できるのか”を確認させてもらう」


空気が、重く伝わってくる。


「だから今日は、特訓だ。拒否権などないと思え」


拒否権はない。

校長の言葉が、頭の中で反響した。


――これは教育だ。

――そして、生存競争でもある。


「……もし、制御できなかったら?」

住が、かすれた声で聞いた。


「大丈夫であろうな。そんな、能力を持っていないだろう」


つまりは、ボロボロになってもいいということだ。

――いや、ボロボロで済めば、まだマシなのかもしれない。


僕は小さく息を吸い、吐く。

胸の奥が、じわりと熱を持つ。


『焦るな』

直正さんが囁く。

『最初から全力を見せる必要はない』


「では、校庭に移るとしよう」


「最初は……そうだな、朱熨宮と雲鷺だな。前に出ろ」


――ここからだ。

本当の意味で、日常が壊れるのは。


そして同時に、心の奥で確信していた。


三日後の吸収戦は、

“準備”なんて言葉で済むものじゃない、と。

少し遅いですが、明けましておめでとうございます。(2026 1/10)

今年は、なんとかこの話の中盤くらいまで行きたいですね。


さて、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

この話は「まだ何も起きていない」ようでいて、

実はもう日常が壊れ始めている、そんな地点を書きました。


三日後の吸収戦は、

彼らにとっても、書いている自分にとっても、

簡単なものにはならなさそうです。


少しでも気になったなら、続きを覗いてもらえると嬉しいです。

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