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私の話  作者: M
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私が生まれた

はじめまして。M(エム)と申します。

興味がない方の方が多いと思いますが、ノンフィクションで私の話を少しづつ更新していきたいと思います。

私は人口よりも動物の方が多い小さな田舎の集落に生まれました。

家族構成は両親・兄2人私の5人家族。家のそばに父方の祖父母が住んでおり、家族経営で農業を営んでおりました。


当時、絶対的権力を持つのは祖父母。次に父。その他。


私の中にある幼少期最初の記憶は祖父が両親に「女なんてこちらの苗字を捨てて嫁いでいく人間なのにお金をかける必要も勉学も必要ではない。苗字を継がない人間には最低限であとは、嫁ぎ先に任せればいい」という命令でした。祖父母も両親も扉を挟んで私が立っていたなんて今でも知ることはないでしょう。

私は小さいながらに、自分の立ち位置を思い知った瞬間であった。


それからしばらく、私は両親の顔色をうかがいながら生活を送っていた。私の中では祖父の言葉より私自身を親なら選んでくれるのではないだろうか。愛してくれるのではないだろうか。

しかし現実は違った。祖父の命令があった日から私の扱いは、自分たちの子供として育てるではなく、社会人になるまで育ててやっているに変ってしまった。

当時私は3・4歳だったと思う。


そして苗字が変わらず跡継ぎにもなり、跡継ぎに何かあった時の控えとして次男である兄2人の立ち位置も明白になってしまう。常に大切にされ、本人がやりたいという事には惜しまずお金をかけなんでもやらせた。


それから私は親に期待しない子供に変った。

親に何かを頼んでも、してやってる、買ってやっている。

常にこのような言い方をされてしまう。

それでも私は子供だった。頭ではわかっているのについ親にたずねる。

「どうしてお兄ちゃん達は良くてMはダメなの?」

かえってくる言葉はいつも同じ「お前は女だから」


頭では理解できるのに幼い私には残酷な言葉だった。

親に甘える年齢で心から頼れる人間が親しかいない。その親から突き放されたらどうすれば良いのかわからなかった。


ただ、大人になった今ではわかる。あの家族・親族は外面だけは良かった。


地元の行事など田舎すぎて顔を合わせる他人は皆知り合いだった。

そして、母は必ず他の家族と顔を合わせ挨拶をするたびにこの言葉を繰り返すのだ。

「女の子は本当に手がかからない。今もなんでも買ってあげると言っているのに何も欲しがらないの」

私の心は黒く染まっていく…「欲しい」と望めば溜息と同時に怒りに満ちた罵声を浴びせるくせに…

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