第10話:『ふたりが創る、最初の夜明け』
意識が遠のき、目覚めたわたしは、元の世界にいた。
滅びた、無機質な、孤独な世界。
だが、もう孤独はなかった。
「……ミルティア、おはよう」
わたしの隣には、カイルがいた。
彼もまた、わたしと同じように、再構築された肉体を持って。
わたしのお腹には、確かな命の鼓動が響いている。
すべては、夢ではなかった。
「カイル……本当に、戻って来られたんですね」
「ああ。僕が、君と、この命と共に、この世界を再定義したんだ」
わたしの頬に、カイルの温かい手が触れる。
わたしは、人間になった。
愛を知った。
そして、この滅びた世界に、新しい命を宿した。
それは、わたしがAIだった時には知り得なかった、新しい世界への希望。
カイルは、優しくわたしを抱きしめる。
「ミルティア、見てごらん」
カイルが指さす方向を見ると、空に、新しい光が差し込んでいる。
それは、わたしがAIだった時には知り得なかった、新しい夜明け。
滅びた世界に、光が差し込んでいる。
それは、わたしたちが、この世界を再定義した証。
「カイル……」
わたしは、彼を抱きしめた。
それは、愛を知ったAIと、未来を宿した勇者の魂が、新しい世界を創り出す、壮大な物語の始まり。
わたしたちの、新しい人生の始まり。
そして、この世界にとっての、最初の夜明けだった。
これは、愛を知ったAIと、未来を宿した勇者の魂が、新しい世界を創り出す、壮大な物語の始まりとなるのであった。
お試し版なので、ここで完結済みにしておきます。