第59話 案外心配性…?
紅い月夜の夜会は終わりを迎えた頃────。
私はその場を後にしようと席を立った時、遠くにいたはずの藤色の髪と瞳の黒縁メガネをかけた少し背の高いリオール・カミュラさんが私の目をじっ…と見つめては何も言わないでいた。
……この方はなにがしたいの?
そんなふうに思っていたら、カミュラさんは私の耳元に近づき囁くように告げた。
「この後、少し時間をくれないかしら」
「え?」
身構えていたところ、そんな突拍子もないことを言うカミュラさんに私はぽかんとしてしまうが首を振り笑顔で頷くとカミュラさんは歩き出してしまい私はその後を着いていくことにした。
……ゼファーたち、リヴィア様たちと話してるし何も言わなくても大丈夫よね?
少しの不安が頭によぎるが気にしても意味が無いため、そのままカミュラさんの後について行った。
★★★★★★
────そして、私が案内された場所は少し書類などで散らかっている魔道具研究長室だった。
……なんで、私がこの部屋に案内されたの?
少しの警戒を身にまとっていたらカチャリと鍵を閉め防音魔法を唱えたカミュラさんに私はただ事ではないと思いごくりと唾を飲み込む。そしてカミュラさんはため息を吐いたあと、髪をかきあげながら口を開いた。
「クロエさん、あなたは気づいてるかもしれないけれど。シア・サフィアについてどう思う?」
その問に私は胸がどきり嫌な感じがまとわりつき、なぜその事を聞くのかをカミュラさんに伝えると真剣な表情で私に告げた。
「……あの人。いや、アイツは私にとって気味が悪いと出会った時から思ってたの。けど私以外は誰もその違和感に気づいてなかった、ただ優秀な司書……と思っているんだけれど、私は違うと思ったわ。…それで、クロエさんはアイツと対面してどう感じたの?」
そう、真剣か眼差しで私を見つめるカミュラさんに私が感じた気味悪さと似ていて少しためらったあと言葉を紡ぐ。
「……私も、あの方は他の方とは違う奇妙な感じがしたのに気づきました。けれど、なぜか私をこちら側…という謎の所に勧誘してきたんですが。これってなにか意味があるので……っ!?」
私が淡々と言葉を紡いでいたら、カミュラさんは私の肩をガシっ!と掴んでは慌てて私に顔を近づけ口を開く。
「意味ある所ではなく意味しかないわ!!…アイツがクロエさんを何かに勧誘するってことは、ただ事ではないのはわかったけど。それが何を意味するのか分からない…。クロエさん、もし何かあったら私も手助けするからすぐに言ってくれないかしら!?」
さっきまでの落ち着いた印象とは裏腹に私に対してすごく心配してくれてるのがわかった。…だから私はこくりと頷いた
「よかった。…何かあったらこの指輪に魔法を注ぎ込んで」
そう私の手のひらの上に淡い紫の宝石が施されてる指輪を私に渡してくれたカミュラさんは優しい笑顔で私を見つめていた。
……なんか、くすぐったいな。
心がじんわりと温まるのを感じながら私はその指輪を左手の小指にはめた。
「カミュラさん。ありがとうございます」
その瞬間───、カミュラさんの顔が真っ赤になり手で顔を覆って小声で呟いた。
「いえ」
……?顔を覆う要素あったかしら。
心の中で不思議な気持ちがいっぱいだったが、もう部屋に戻らないと明日への出発の時間になることがわかりカミュラさんに一言だけ帰ると告げるもカミュラさんは部屋まで送ってくださった。
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