第58話 こちら側
「カラム様からクロエさんのことよくお聞きしてて、この度会えて本っ当にわたし嬉しいんです!」
千草色の瞳を輝かせながら早口で私に言うソルティエさんに私は謙遜をするも首を横に振ったとおもいきや、ぐいっ…と私の顔近くまできてはきらりと瞳を光らせ口を開いた。
「いえ!カラム様ほとてもクロエさんのことを気に入っているのはわたしでもわかります!…それに、カラム様以外と薬草のお話するのがわたしの夢だったんです…笑」
眉を八の字にさげて言うソルティエさんに私は嬉しさがこみあげてきて思わずソルティエさんの手を握り彼女に告げる。
「そうおっしゃてくださり嬉しい限りですわ。よかったら私もお話したいので今度お時間いただけないかしら?」
私が微笑みを浮かべながらソルティエさんに伝えると瞳を光らせぶんぶんと首を縦に振って頷いていたのに、私はクスッと笑っていたらクイ…と袖が引っ張られそっちを見るとラヴィア様が目を潤ませながら私に言った。
「クロエさん…僕も、話したいです!」
淡い白銀の髪にアクア色の大きな瞳で言われては私の中でいいとしか言えずラヴィア様の小さな手を握り笑顔で応えると、花が咲くような表情をして私の腕を引っ張りお菓子がある方へと向かった。
★★★★★★
─────あれから数時間経ったが…私はたくさんの質問攻めにあい、たくさんの人との交流をしすぎて気疲れをしてしまい席を後にし夜風にあたっていた。夜風は少し冷たく、ふわりと葉が宙を舞っているのをぼーっと眺めていると、月が徐々に紅く染まるのをこの目で初めて見た。
「……あんなふうに染まってたんだ」
ゆっくりと紅く染まる月を眺めていたらコツ─コツ──、と靴音が聞こえゆっくり振り返るとそこには……司書のシア・サフィアさんがいた。私は張り付けの笑顔を被り礼をしたあと口を開く
「サフィアさん。なにか、ご用でしょうか?」
そう笑顔で伝えると、一瞬サフィアさんの笑顔がぴくりと固まるのを感じ私は嫌な予感がし警戒態勢をとると、サフィアさんが口を開いた。
「サフィア…ではなく、シア…とお呼びください。クロエ様」
「!?」
……その呼び方は普通はしない。この人、私が誰だったのか知ってるわ!
その瞬間───、私はぞわりと背筋が凍るのを感じ思わず笑顔の仮面を外し反射的に一歩さがるとサフィアさんは逆に笑顔を取り繕い、その場で手を私に差し出すようにしながら言った。
「クロエさん、こちら側に来ませんか?」
そう、淡々と告げる言葉には冷たさが残るも高揚感が入り交じり私は思わず聞き返してしまう。
「……こちら側、とは?」
私が恐る恐る紡いだ言葉にさっきまで笑顔ではなく、楽しそうな笑顔でサフィアさんは口を開いた。
「それはまだ教えることはできません、今は何もしませんがいずれ貴方様をこちら側へと連れてきますので覚悟してくださいね?」
「は?…ちょっ!!」
私が言い終わる前にサフィアさんは眩い光を放ったあとその場から消えた。
……こちら側、ってなに?あのローブの人達と関係があるの?…わからない、でも危険な感じがするのは確かだからサフィアさんには近づかないでおこう。
心の中でそんなことを思い、私は外から中に入るとまだ賑やかに談笑してるみんなの姿が目に入り、安堵のあまり胸をなでおろした。
────夜風が私の肌をさらうなか、紅く染まる月はさっきまでの美しさと裏腹に不穏な空気を残し去っていた。
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