第41話 カラムの過去と想い(1)
「薬草ばかりじゃなく他の作法や教養も身につけなさい。……もし完璧に身につけたのであればこれからも好きな薬草を探しても構わないよ」
───そう、幼いわたくしカラムに言ったのは父であるリュゲイル公爵だった。
★★★★★★
わたくし、カラム・リュゲイルは幼い頃から薬草が大好きで作法や教養よりも薬草第一に考えるほどだった。……そんなわたくしは両親から薬草のことを話しても理解されないがやることをやっていれば好きなことをさせてくれてた。わたくしは公爵令嬢だからいずれ誰かの元に嫁がなきゃいけない、そんなことなど分かってはいた……けど。それがわたくしはすごく嫌だった
きらびやかなお茶会や舞踏会を出席するたび、令嬢たちの間でわたくしの薬草に対して嫌悪感を持っている人がほとんどだった。
……あぁ、なんで好きなことをしているだけなのにこんなにも人から否定されなきゃいけないのかしら。
そんなふうに思いながらも笑顔を貼り付け挨拶をしていたところ、この国の第1王子……アル・スチュワード殿下が階段から降りてきたと同時に黄色い歓声があがり思わず魔法を小さく唱え耳を塞いでしまった。
その時───、殿下がじーっとこちらを見ているのに気づきわたくしはドキリと心臓が鳴り響き、目をそらさず笑顔で応えると殿下は口角を少しあげたあとすぐに視線を外し笑顔に戻った。
わたくしは魔法がバレたのかとヒヤヒヤしていたが、その後なにもなかったため安堵しわたくしは体調不良とのことで早めに帰宅した。
────そんな何気ない日のことだった。
わたくしがアル・スチュワード殿下の婚約者に決まったのは……
わたくしはそのことを知ってから急いで父がいる執務室へと向かい、バンッ!と扉を開け父に告げた。
「お父様!!なぜわたくしがアル・スチュワード殿下の婚約者なのです!?…わたくしは誰とも婚約せず好きなことをして生きたいのですよ…!!」
父であるリュゲイル公爵の目の前で慌てて抗議するも、父はなぜか笑顔でわたくしに返してきた。
「…カラム。大丈夫だよ、アル殿下はカラムが好きな薬草を止めるつもりはないと契約にも記してくれている。それにカラム以外との婚約はしないと明言していたよ」
「………え?」
わたくしは驚きで固まってしまった……、なぜ殿下がそこまでありえないほどの条件でわたくしに提示し、しかも契約書にまで記させたのかを。
わたくしが固まっている様子に父は安心したのか穏やかな微笑みを浮かべながらわたくしに告げた。
「カラムが幼い時、私が言ったこと覚えてるかい?」
「はい。薬草探したいのなら作法や教養を完璧に身につけろ…ですよね?」
「そうだね、カラムはその時から作法や教養も完璧になった。だから今でも薬草探したりしてるだろう?だから私もアル殿下にそのことを伝えたのだけど…アル殿下が『それがカラム嬢の魅力だから問題ない』と仰っていたのだ」
「…………」
わたくしは何も言えずにいた。なぜって、たった数回の王子誕生祭でしか話したことがなかったから、そこまで惚れこまれる理由が見当たらなかった。
………なぜ、殿下はそこまでわたくしのことを好いてくださるのか、あの時のことなのか、それともたった数回しか話したことも会ったこともない人間に対してそこまでの好条件を出してくれるのか。
「……わかりました。では明日、アル殿下を公爵家にお呼びしてください。わたくしも覚悟を決めます」
その応えに笑顔で頷く父を見たわたくしは部屋の扉をカチャリと閉め、その場にへたりこんでしまう。
………なんなの、ほんとに。
心の中は上手く整理ができていないがそれを悟られるよう明日は頑張らなきゃ行けないと思い、わたくしはその後立ち上がり自室へと戻った。
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