第25話 シルの過去(1)
これは僕がまだ幼い時のことだ────。
「シル。怖がらないで?私はあなたの味方だから」
────暖かく、優しい笑顔で手を差し伸べそう言ったのは僕と似た姿の義姉さんだった。
★★★★★★
僕、シルはバベーラ子爵家に産まれた末の子だった。容姿は黒髪に金色の瞳、物心ついた時には物小屋に隔離され"呪いの子"と言われ育った。
そんな物小屋には古びた本や寝床もあった。ご飯は一日に二回、服も週に一度届けられるため苦労することはなかった。──ただ、僕は愛というものは分からなかった。
……僕、呪われてるのかな。
ふと部屋の隅にある汚れた鏡に手をつけ自分の容姿を見つめるも"呪い"と言われる姿ではなかった。さらりとした黒髪に濃い金色の瞳、服は質素なものだった。
『呪いが伝染るからこれからはこの部屋で過ごせ』──そう、五歳の時に言われた僕。気づけば五年の月日が経ち、十歳になっていたがこの暮らしに苦は感じなかった。
そんな時だった────。
カチャ──と扉が開き、鏡から目線をずらすと五年ぶりの再開……バベーラ子爵が僕の元にあらわれたのだ。僕は目を見開きながら見ていたらバベーラ子爵は眉をしかめ僕に一言告げた。
「今日、スティード公爵がお前を養子にするため我が家に来るのだ。…さっさとついてこい」
……スティード公爵、って。だれ?公爵ってことは国で二番目に偉い家柄だったよね?!なんで僕なんかを養子に
頭と心が追いつかないでいるとバベーラ子爵はメイドに指示をし小屋から屋敷へと向かわされた。
────そして、気づけば僕は身綺麗にされスティード公爵がいるという応接室へと向かわされた。
★★★★★★
そこから僕はスティード公爵の養子に迎えられ、同じ馬車に乗っていたところ。スティード公爵はため息を吐きながらギロリと僕に視線を落とし告げた。
「お前は我が公爵家の跡取りのため養子にしたんだ。下手なことはするなよ」
ビクリと肩がゆれた僕は背中に悪寒が走るのを感じ、コクリと頷くとこしか出来なかった。
……そっか、そうだよね。公爵は呪いの僕を道具として見てないのか。…でも、しょうがないよね。僕の容姿…、呪われてるから
そんなふうに思い歯を食いしばりながら涙を必死に抑え、静寂な馬車の中。僕はスティード公爵家へと向かった。
★★★★★★
公爵家に着くと広大な大地に広大な屋敷が目の前に広がっていた。
……すごい、ここで僕過ごすのか。
目をキラキラさせながら辺りを見回していたら公爵は僕を放置してそのまま屋敷に入ってしまい、僕はその後ろを急いで追いかけ中へと入ると。そこには僕と似た容姿の女の子が笑顔で出迎えてくれた。
「クロエ。こいつは我が公爵家の跡取りになる存在だから下手なことはするなよ、もししたら……分かってんだろうな?」
声のトーンが低くなる公爵に冷静に返す女の子に僕驚いて、固まってしまった。
……この人が僕の義姉になるのか。
そんなふうに心の中で思っていた時、僕の視線に気づいた女の子は僕の元にゆっくり近づき優しく穏やかな笑顔で言った。
「私の名前はクロエと言うの、気軽に姉さんと呼んでくれて構わないわ。この屋敷とあなたの部屋を案内するから着いてきてちょうだい」
僕は上手く声が出ず、コクリと頷きながらその後クロエさ……姉さんについて行った。
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