第24話 シルの想いと決意
作者が泣きながら書き上げた話です。
その頃───。スチュワード王国では、カイル・スティード公爵、ルイ・スチュワード第二王子、メリー・バレット子爵令嬢が法を犯し捕まり、名誉剥奪共に刑罰がくだされたのを数日後に知ったクロエの義弟……シル・スティードは持っていたペンを床に落としてしまった。
……は?アイツら捕まった、って。うそだろっ!?え、姉さんは!?!!
僕、シル・スティードは慌てて講義中の教室から飛び出し、外へと向かう。
……なんで、なんで!!姉さんはどこ!?!
必死に走り、正門が見えてきた僕は感情が溢れ出そうになるを抑え、呼吸を整えてから転移地で僕の自室へ飛んだ。
『もし、私に何かあったらシルの机を見ればわかるわ』
そう、優しい笑顔で学園に行く僕を見送ってくれた姉さん。その時は意味が分からなかった……けど、今ならわかる。だって───姉さんしか使えない隠蔽鍵が手紙に施され、僕の机の上にのっていたから。
震える指先で手紙をとるとカチ─という音が部屋に鳴り響く、その後僕はそっと中身を開けて目を通す。
───シルへ。
これを読んでるということは私がいなくなったことに気づいたのね。…そんなシルにはこれから私がどこに行くのかシルにだけ教えてあげる。
シル。私ね、隣国のゼフィール王国で冒険者になるためこの家を出るわ。冒険者になれるかはわかんないけど、私の全力を尽くしてでもなってみたいの。自由になれるなら私はそれがいい、たとえ誰に反対されようと自分が行きたい道を貫きたいの。
だからね、シル。もう縛られなくていいわ、公爵家の跡取りも嫌なら投げ捨てていい。その代わり、自分らしさを保てる道をこれから歩んで欲しいの。…私はシルが選ぶ選択を遠くから見守ってるからね
クロエより。
僕は気づいたら涙が溢れてた、……結局。僕は姉さんを守れなかった、僕を救ってくれた姉さんを僕の手で守れなかった。僕よりも傷つきやすいのに強くて、優しくて、人思いな姉さんを誰よりも知っていたのに……!!
僕は手紙を握りしめ、声を殺しながら涙をこぼす。
……姉さん、なんで。姉さんはそんなに強いの、?なんで。冒険者になること、先に言ってくれなかったの、一人で抱え込まないでよ……
心の中はやるせない感情でぐちゃぐちゃなのに姉さんの手紙はどこか暖かく、強さもあって僕の方が助けられた気がした。
そんな時だった───。
「シル。久しぶりだな」
バッ!と急いで振り向くとそこには第一王子、アル・スチュワード殿下が僕の部屋の扉を背にニヤリと笑っていた。
「…な、なぜ殿下が公爵家にいるのですか!?」
慌てて聞いた僕にアル殿下は口角を上げながらカツカツ─と靴音を鳴らし、僕の元へ近づき近距離で告げた。
「シル、お前はスティード公爵家の当主になりたいか?……それとも、クロエを追うか?」
その問に僕は喉がつまる感覚がし、唾をゴクリと飲み込んだ。……そんなの、決まってるじゃん
「僕は、地位も名誉もいりません。姉さんを追いたいです…!!」
そう真剣な瞳でじっ─と殿下を見つめると、殿下は目を伏せたあと冷静な表情で頷いた。
「…わかった。それなら3日後王宮に来い、カラムもクロエに会いたいみたいだから一緒に行けばクロエに会えるぞ?」
そう、ニヤリと笑う殿下に僕は食いつくように行くことを伝えると笑ってその場を去りながら、僕に言った。
「んじゃ、それまで公爵家出る支度しとけよ?」
パタン─と扉が閉じ僕はベッドにダイブしながらへたり込む。
……なんか、色々ありすぎてわけわかんない。
今までの事を思い出すも脳の処理が追いつかず頭を枕に押し付け唸ってみるが答えは出なかった。
「姉さん。今度は僕が守るから…、勝手にいなくならないでよね」
ぽそっ─とつぶやくも、その言葉は空気に飲み込まれるだけだった。……そして気づけば瞼がゆっくりと落ち、僕は眠りの世界へと沈んでいった。
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