第22話 ジャスパーギルドに到着
────あれから半日、外は夕焼け色で染まり私たちパーティーはジャスパーギルドに着き急いでギルド長室へ向かうと、ちょうどリヒトさんが中から出てきた。
「クロエさん、ゼファー。お疲れ様でした」
丁寧な礼をし、笑顔で言うリヒトさんはその後張り詰めた表情をする。その時、アイリーが私の手をキュッ─と強く握るのがわかり私はアイリーを握り返しながら笑顔で伝える。
「この人は安心して大丈夫な人だから、そんな警戒しなくていいのよ?」
優しく、穏やかにアイリーに伝えると目をぱちくりさせながらも笑顔で頷いてくれた。
「…アイリーと言うのですね。僕の名前はリヒトと言います、仲良くしてくださると嬉しいです」
アイリーに目線を合わせるため屈んで言うリヒトさんは警戒心を解くような笑顔で伝えた。アイリーは目を見開きながらも安心したのかにっこりとした可愛らしい表情で頷いてた。その後リヒトさんは中でことの詳細を改めて聞きたいと言われ私たちは頷き中で全て話した。
★★★★★★
「…なるほど、やはりあの時と似てますね」
全ての話を聞いたリヒトさんは眉間に皺を寄せながらそうつぶやくのに私は引っかかった。
……あの時ってなにかしら。前と似たようなことがあったの?
私は黙っていられずリヒトさんに聞こうとしたが、先にゼファーが口を割って入ってきた。
「…!それって、マジで言ってんのか?!」
いつもの冷静で軽いゼファーではなく、どこが焦ったような口ぶりで言うゼファーに私は驚いた。なぜ、ゼファーがそこまで驚くのかが私には分からなかったから……
私とアイリーが不思議そうに見ていたことに気づいたリヒトさんは話し始めた。
「…まだ僕たちが幼い頃、似たようなことがあったんです。大量の魔物が森の中で発生し街を燃やしたり人を食ったりすることが」
「当時の僕たちはまだ子供だったため何もすることは出来ませんでした。沢山の騎士や魔法師方のおかけでなんとか被害は拡大せずに済みましたが…、その時。ゼファーは───」
そう言ったリヒトさんは口をキュッ─と結び、ゼファーに視線を向けると、ゼファーは切ないような苦しいような表情をしたあと、ぐっ!─と拳を握りしめていた。
……何があったのだろう、ゼファーの身に。
私はゼファーの拳の上にそっと手のひらを乗せる。それに気づいたゼファーは私を辛そうな表情で見つめながら唇をかんだあと、私に言った。
「……後で話すから、ごめん。まだ心の整理ができてないんだ」
珍しく動揺してるゼファーにこの話しはただ事ではないと思い、私はゼファーに伝える。
「わかったわ。無理に聞こうとしないから安心して?話せる時が来たらその時話して欲しいわ」
優しく、安心させるように伝えるとゼファーは泣きそうな表情でコクリと頷いた。
……私はゼファーの支えになりたい、それにこの状況も恐らく長期戦になると思う。覚悟しなきゃいけないわ
私も心で決意を固めていたところ───
クイっ─とカーディガンを引っ張られそっちを見るとアイリーがうるっとした瞳で口を開いた。
「ボク、クロエとゼファーと一緒にいたいよ…」
涙が溢れそうなほどの瞳で言うアイリーに私はぎゅーっと抱きしめ、アイリーの頭を撫でながら優しく伝える。
「…私もよ。アイリーも一緒に冒険者する?」
アイリーに目線を合わせながらそう言うと、キラキラした瞳で頷いた。その光景を見ていたリヒトさんとゼファーは目を見開いたあと、ゼファーが口を開く。
「え、アイリーはまだ子供だぞ!?」
その問いにアイリーはぷくーっと頬を膨らませたあと、ゼファーに大きな声で言った。
「ボクは女で十五だもん!!もう一人で戦えるし元気になったもん!!」
その時───、空気が一瞬ピタリと止んだ。
「え、そうなのか!?!!」
そう、ゼファーが驚いたかと思えばリヒトさんも目を見開いていた。私はビックリして二人に聞いた。
「…え。ゼファーとリヒトさん、アイリーが女の子で成人してるの知りませんでしたの?」
首を傾げながら私が二人に聞くと首を縦に振り『てっきり男の子かと』と口を揃えて言っていたのに私はハテナでだらけになってしまう。だけど、アイリーは頬を膨らませたまま二人に言った。
「ボク、よく間違えられるからいいもん……でも!ボクは一人前だから二人に迷惑かけることしないから…、二人と一緒にいちゃだめ?」
今度はぷっくりとした頬をなおし、泣きそうな瞳で私たちを見ていたからゼファーは慌ててアイリーをぎゅっ─と抱きしめて言った。
「いいよ、むしろ子供なんだからもっと迷惑かけろ。気を使うなよ?」
そうアイリーの頭を撫でながら言うゼファーにアイリーは涙をこぼしながらコクリと頷いてた。
私はその姿に微笑ましく感じ、リヒトさんにアイリーの登録の手続きをしてもらい私とゼファー、アイリーはその後ギルドから出て宿へと向かった。
────新たな仲間がルミナスブルーに加わったことでこの先どうなるのだろうか、それはこの先の話を見てからのお楽しみである。
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