第20話 カラムの想いと断罪
すみません、今回長いです…!
そしてスチュワード王国のアル視点です。
その頃、スチュワード王国にはある一通の手紙がアルの元に届いていた───。
俺、アル・スチュワードは侍従から手紙を受けとり、慎重に開け中身を確認するとそこには……リヴィアからクロエがゼフィール王国で冒険者をしていること、リビィアの弟ラビィア様がクロエのおかげで助けられたこと、そしてなぜクロエが冒険者をしてるのかを知りたい…と記されていた。
「……は?え、なんで!?」
混乱してる俺は頭をフル回転させるがなぜそうなったかは俺にもわからない。俺は隣にいるカラムに持っている手紙を渡すとカラムは全て目を通した。
「…………クロエは全てわかっていたのね」
そう小さくつぶやいたカラムはどこか切なげな表情をしながら瞳は怒りに満ちていた。………あぁ、なるほど。そりゃカラムは許せないな
カラムの一言で俺は確信した、恐らくカラムはこの後行動に移すことを見込んで俺はカラムに告げる。
「……カラム。心当たりがあるなら俺の名を使ってでもクロエの代わりに潰していいぞ」
隣にいるカラムに笑顔で伝えると、その意図がわかったカラムは笑顔なのに狂気に満ちた姿で受け入れた。……俺は知らねぇぞ、カラムを怒らせたら国王ですら止められねぇんだからな?
───その後カラムは俺の名で至急三人を王宮に来させることを俺の侍従に伝えたあと、すぐになぜそうなったかを自分の侍女たちに調べさせた。
★★★★★★
数時間後───
王宮の応接室では俺とカラムが三人を待っていたところ、コンコン─とノックが叩かれ、誰かを確認させ中へ入ることを許可した。
「急なご連絡に応じていただきありがとうございます。ルイ・スチュワード様、メリー・バレット様、カイル・スティード様……」
隣にいるカラムが笑顔で優雅にお辞儀をするが、その雰囲気は脅威や圧に満ち、三人は慌てて礼をした。……ちなみに俺は何も手を出せないから見てるだけの傍観者だ
「まず、あなた方にはこの書類を見てもらいたいと思いまして……どうぞお受け取りください」
にっこりと笑顔で言うカラムにその場にいた全員が身体をこわばらせ、当の三人は冷汗をかきながら震える手で書類を受け取った。
その時───。スティード公爵、バレット嬢、ルイは顔を青ざめ…たと思いきや、カラムに声を荒らげた。
「わ、私は虐待や金の横領などしてないっ!!なぜ複数の罪状などがこの書類に記されているのだ!?!!」
顔を真っ赤にさせながら抗議するスティード公爵。
「あたくしはルイ様以外の殿方と交流などしてませんわ!?婚約者を奪った…って、そんな酷いことしてませんの!そ、それに、クロエ様は婚約破棄のこと受け入れて"約束"してくれましたわ!」
動揺しながらも素直に内容を伝えカラムに抗議するバレット嬢。
「俺は王族だぞ!?メリーとの愛を誓ったまでなのに、なぜ暴力罪や窃盗罪などの罪に問われなければならないのだ!!!」
王族という盾にあやかって声を荒らげる弟のルイ。
なによりも、笑顔だったカラムがその抗議を聞いた瞬間──。表情が一切無くなり、瞳からは怒りが滲み出ていた。………あぁ、バカだな。素直に認めりゃいいものをないがしろにして笑
そう思いながら対峙している四人を見ていたら、低い声でカラムが口を開き、三人に告げた。
「ほんっとうに、自分の罪を認めないのですね?ならば証拠をお見せしますわ」
カラムは侍女からある物を受け取り、箱を開けると中には複数の写真や録音データが残っていた。それを見せたあとカラムは追い込むように一人ずつ容赦なく追撃する。
「スティード公爵様はこの写真とこの音声に身に覚えがありますでしょう?」
そう言ってカラムは写真を見せ、その後音声を流すとそこにはクロエと公爵の音声が残されていた。
『っ、私は何してもいいですから…公爵家の跡取りになるシルに暴力するのはやめてください…!!』
『はぁ?何言ってんだ。お前とアイツは私の道具なのだからなにしてもいいだろっ!!!』
その後。音声に殴る音などが聞こえ、その音声はカラムは止めるとスティード公爵は青ざめ血の気が引いた顔をしていた。
……いや、どこからその音声入手したんだよ。まぁ、カラムのことだから深く追求するのは野暮か。けどまぁ、確かにこれは酷いな
そんなふうに思いながら見ていたらカラムの視線はバレット嬢に向いた。
「バレット様は先ほどクロエ嬢が"約束"したと言いましたよね?」
「……そ、そうですわ!!"何一つもって干渉しないこと"を条件に婚約破棄を受け入れてくれましのよ?」
目を泳がせながら誇らしそうに伝えるバレット嬢にカラムは冷たいため息を吐きながら口を開いた。
「……"約束"の意図をあなた方は分かっていらっしゃらなかったのですね。でも、この写真や現場にいた皆様の証言から言い逃れはできませんのよ」
優しさの欠けらも無い凍りついた笑顔で言い放ったカラムにバレット嬢は怯え、腰が抜けたのか床にへたりこんでしまった。
………"約束"って、クロエは恐らくこの三人に邪魔されたくなく、先に証拠を残すための言葉を魔法で録音してたんだろうなぁ。いや、こわっ!!でもさすがカラムのお気に入りだな笑
俺自身も少しの恐怖を覚えながらも最後の一人にカラムと俺も視線をズラし、冷ややかな目で見た。
「そして、ルイ様。貴方はクロエ嬢が幼い頃からわたくしとアル様がいない間に濡れ衣を着せたり、精神的暴力などをクロエ嬢にさせてましたよね?」
そう誰よりも低い声で告げたカラムに俺も冷たい目をルイに向けると、ルイは顔を赤らめカラムに殴りかかろうとしたが……遅いな。
カラムはすぐさま詠唱をし、動けないよう先にルイを捕らえたあとその後二人を捕えた。
「もうお分かりで?これは全て事実ですの。なのであなた方は名を剥奪と共に罪を償ってくださいませ。……わたくしのお気に入りの子を傷つけ、のうのうと生きている貴方たちは生きてる価値すらないですわ」
低く、けど怒りと憎悪に満ちた声で捕らえた三人に言い放ったカラムは、本当にクロエが大事なのだと俺は改めて気づかされた。
そしてルイ、スティード公爵、バレット嬢は騎士に連れられ応接室から出ていった。
……ふぅ、やっと終わったか。俺はカラムの元に行き、ギュッ─とカラムを抱きしめた。
「カラム。大丈夫だ、ゼフィールに行けばクロエに会える。リビィアが繋いでくれるからさ?……シルは俺がなんとかするから安心しろ。だから今は思ってること吐き出せ」
ぐっ─!と抱きしめる力を込めるとカラムは涙を流しながら吐き出した。
「ずっと、クロエを助けたかったの。でも、わたくしにはできなかった。…だけど、クロエが自分の道を歩んでいることがあの手紙から伝わって嬉しかったの…。だから、わたくしはクロエの代わりにクロエを苦しめた人を潰せて本当に安心したら…っ!」
ゆっくりと、言葉が詰まりながらも吐き出してくれたカラムに俺は愛しい気持ちがまた湧き上がる。なにより、初めてクロエへの気持ちを吐き出してくれたカラムに俺はなんだか心が温かかった。
………泣くほど、クロエが大事だったんだな
そんなふうに思いながら俺はカラムの頭を撫でながらカラムの気持ちを心から受け止め、必ずクロエに会わせようと心に誓った。
ここまでの読了お疲れ様でした!
読んでくださり本当にありがたいかぎりです。「こういうキャラ好き!」「この展開アツかった!」などなど……、どんな感想でも大歓迎ですのでもしよければ一言だけでも構いません。気軽に感想やコメントしていただけると作者兼読者としても飛び上がるほど嬉しいです!!
それと強制ではないのですがよかったらブックマークや下の評価、いいねなど押していただくと助かります!無理にとは言わないのでご安心を……閲覧してくださることに意味がありますので気ままに見てくださると嬉しいです!これからもぜひよろしくお願いいたします。




