表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/2

第2話 おっさん考えてみる

後日俺は会社へ行った。

 休みたい気持ちもあったのだが、俺が休んでは示しがつかない。


 上司とは本来、部下に慕われ、尊敬され、目標となれる人材でなければならないと俺は常々思っている。


 だからこそ、こんな理由で休んではいけないのだ。

 俺からしたらこんなでは済まされないが、それが社会と言うものだ。


 会社へ到着すると……


 加藤さんと目が合う。

 加藤さんは会釈だけすると、自分の仕事場へ戻った。

 相当きまずいのだろう。俺も気まずい。



 すると、



「部長! 加藤さんに告ったって本当ですか?」

「うそ、あれ本当だったんですか!?」



 予想通りギャラリー(部下達)が押し寄せてくる。



 聞く話によると、加藤さんが別の部署の人に話して、そこから広まったという。

 俺の心はいたたまれない気持ちとなった。


 そして、何でおれが結婚しているのか知らなかったのかというと、部下達全員で隠していたとのことだった。俺の加藤さんに対する気持ちをみんな知っていたのだ。


 だからこそ、仕事に支障をきたさないため隠していたという。


  俺って部下にそんな心配されてたのか。

 信用されてなかったんだろうか。


 そういう意味ではないことも理解はしているのだが、昨日の今日ということもありしんどかった。



 ――――ほんと、なんで俺はこんな仕事を続けているんだろうか。彼女が既婚者だとわかった今、どこに頑張る理由があるというんだろうか。



 先程とは打って変わり、頼りになる”上司”と言った雰囲気は微細も感じられない竜二であった。

 腰を掛けてデスクワークをするもおぼつかない様子。



 すると何を思ったのか……

「会社辞めようかな~」



 頑張っても意味ないし、株や仮想通貨で稼いだお金がたんまりとある……辞めても、問題はないんだよな。


 そんな事を天井を見上げながら考えていた。


 なのに指の動きは一切止まらずパソコンに文字が入力されていく。

 まさに天才である。


 頭で考えること、そして指を動かすこと。

 これをいともたやすく行っているのだ。



 本人は気づいていないが、普通の人ではなかなかできない。

 非凡な才能の持ち主である。



 やめるにしても今してる仕事はなかなかやめれれないし。どうしたものか……

 無理やり辞めてもいいが、それだと部下の重荷になってしまう。


 第一、だれに俺の仕事を引き継がせるのか。課題はやまやまだ。

 それと、会社を辞めた後時間が有り余るわけだが、それについても考えねばならない。


 デスクワーク中、ずっとそればかりを考えていた。

 相も変わらず仕事は流れ作業のようにスラスラと終わっていく。

 流石はこの若さで部長になった男である。


 時間がたつにつれ、考えも多少は纏まってきた。



 とりあえず会社を辞めることは確定事項にしよう。



 考えが纏まると、まずは後澤うしろざわ社長に相談しにいった。

 理由としては「今の自分を見つめなおしたい」的なことをいった。

 勿論社長が、はいそうですか、というわけもなく苦労はした。



 けれど、食い下がりに食い下がった結果、承諾はしてもらえた。

 それから半年後、俺の代わりも見つかり、部下達とも円満な別れをして俺は会社を去っていった。



 さて、第二の人生どうしたものか……

面白いと思った方、いいね評価リアクションブクマなどお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ