英雄の誕生
「ルドルフ・ヤン・ショーン」の人生唯一の敗北
それは上級貴族軍人学校で一度、主席の座を譲ったことだ。
卒業証書授与式から三年、階級が大佐になった時。招集がかかる。
招集がかけられ、呼び出された部屋の真ん中にはかつての好敵手
「シューベルツ・フォン・マガトライト」だった。
俺の名前はどこにでもいる普通の軍人。「ルドルフ・ヤン・ショーン」
いずれ宇宙を征服する男だ。
俺は上級貴族の子として2240年、5月6日に誕生した。
金髪で整った顔をしており、目は金星のような熱く、どこか落ち着いているような情熱に満ち溢れる少年だ。
俺は貴族専門の軍人学校に通い、堂々の首席でその学校を中高一貫で九年間。一度しか主席の座は譲ったことがない。
そう、このたった一度がこの人生唯一の心の残りだ。
彼の名は「シューベルツ・フォン・マガトライト」
いつもまるで狙っているかのように一点差で次席の座を譲らなかった。
一応クラスは一緒だったし、話してはいたが人格が何個もあるかのように明るかったり、暗かったり、はたまた同じのような上級貴族とは思えないような上から目線で偉そうなときもあった。
「なんだこいつ、偉そうに」おそらくクラスの大勢が同じことを思っていたであろう。
シューベルツは茶髪でキラキラした目をしており、悔しいが、とてもきれいな顔立ちをしていた。
運動に関してはたまたまなのか知らないが、100m走お互い11秒ピッタリだった。
俺がタイム11秒ピッタリな時点で十分驚いたが、追い打ちをかけるように同じタイムだったのがライバル視をしていたシューベルツだったのだから驚き超えて気絶もんだぜ
と、まぁいろいろと謎な点が多く、何も解決しないまま卒業証書授与式を迎え、無事に軍人になることができた。
自分が何で軍人になろうと思ったかはまた今度話すこととしよう。
自分が軍人になり主席・上級貴族だということもありいろいろと特別視されていた。
腐った政府だ、多少立ち位置が違うせいで差別がされているのさ、不愉快だろ?
まぁそのおかげで経った三度の戦闘で五等兵、大佐にまで昇格することができた。それだけはかんしゃしておくとするか。
「ルドルフ大佐!招集命令がかかりました!」
扉が強く開き、張りのある大きな声で俺を呼んだ。
「ありがとう、いつもの第三ホールかい?」
俺は招集ホールがどこか尋ねた。いつもの招集ホールは雑談や普通の集まりとしても使える第三ホールかと思った。
「いえ、今回は重要集会ホール第一ホールが集合場所であります!」
相変わらず文章の最後に感嘆符(!)が入る男だ。
「第一ホール?珍しいな」
それはそうと第一ホールだ、珍しいったらあらしない。俺が召集を受けたのは上級のお偉いさん方と初陣の時の作戦会議をしたぐらいだ。
「わかった。恐らく、二時間ぐらいで終わるだろう、紅茶でも飲んで、ゆっくりしといてくださいな。」
俺はブーツをコツコツと鳴らしながら第一ホールを目指して歩いて行く。
相変わらずこの高級感あふれる雰囲気はいいものの、消毒をバンバンしているこの匂いは慣れないものだ。
扉を開けたら誰がいると思いきや、忘れもしない俺の人生唯一の敗北を味わったあの男。
「シューベルツ・フォン・マガトライト」少将だった。
どうも皆さんこんにちは。Miraです。
今回の小説は私の大好きな作品、「銀河英雄伝説」に影響されたことが大きい作品で、ハマったせいで小説を書き始めたといってもいいですかね。
今回は初めて作った作品、「未来予知出来る奴と協力して宇宙制服をする」暇な時(主に夜中)に更新されると思うので温かい目で見守ってくれたら嬉しいです。