著者:砂廣ジュン
こんにちは。インタビューするって子は君だよね、よろしく。
『僕がどんな仕事をしていたか』って? 早速だね。
僕は手紙を届ける仕事をしてた。毎日何通もの手紙を届けてたんだ。
それが僕にとっての生きがいであり、存在意義でもあった。
始めた頃はあまり仕事が来なかったけど、少し前までは沢山のお客さんに仕事を頼まれてたんだ。
それが僕にとってはとてつもなく嬉しかった。みんなの役に立ててるってことだからね。
けど、僕がその仕事の嫌だったことが一つだけある。
それは手紙を届けられないことだった。
みんな、宛先を書き間違えた時、そのまま送っちゃうってこと、よくあるでしょ?
そんな時に、僕は届けようがないんだ。
届けられないで、みんなの役に立てないことが、僕はとても悲しい。
そんな時僕はどうするかっていうと、手紙を書いてた。
僕の友達にじゃないよ、手紙を出した人にね。
届けられなかったことが分からなかったら困るだろうから、「届けられませんでした。ごめんなさい」ってね。
ざっくり僕の仕事内容はこんな感じだった。最近は鳴かず飛ばずだけどね。なにか質問とかあるかい?
ああ、まだ自己紹介をしてなかったね。僕の名前はーーーー
メーラーデーモンっていうんだ。