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氷のライラとお見合いしたのは国一番のプレイボーイと呼ばれる王子様でした(笑わないのは呪いのせいなので許してください)  作者: 風野うた
本編

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23/33

22、エスペン王国のお家事情を知った日 中

楽しい物語になるよう心がけています。

どうぞ最後までお付き合いください!!


 ライラはここで本当の名を言うべきかどうかと悩む。が、しかし・・・。


「彼女は僕の婚約者ライラだ。我が国の宰相クルム侯爵のご令嬢だよ」


 本人の代わりにキースヴェルがすんなりと答えてしまう。


「サンチェスキー王国の侯爵令嬢様だったのですね。失礼ですが、エスペン王国にご親戚はいらっしゃいませんか?」


(あれ?私のことをご存じではない??)


 ダイアナはライラの顔つきを見て、自分に似ているというよりもエスペン王国に縁があるのではないかと考えたようだ。キースヴェルは先日、サンチェスキー王国の夜会で起きた出来事が彼女には詳しく伝わっていないということに気付いた。


「ダイアナ嬢、その質問には僕が答えよう」


 新たな手駒を捕まえたとキースヴェルはワクワクしてしまう。そして、彼女にライラの出自を説明し始めたのだった。


――――


 翌日の朝十時、国王謁見の間にキースヴェルとライラは招かれた。


 広い部屋の奥の数段上ったところに国王の玉座がある。しかし、ふたりが入室した時、そこに国王ラドクリフの姿は無かった。


「殿下、まだラドクリフ国王陛下はお見えになられていないみたいですね」


「ああ、弱っていると事前情報を得ているから・・・。少し遅れて来るんじゃないかな」


 昨日、ダイアナはライラが国王の姉の娘だということを初めて知ったらしい。彼女はいずれ消される運命だったこともあり、重要なことは何一つ知らされていなかったようだ。バイラ公国から乗っ取られているという状況については、国を立て直すために手伝ってくれる方々といった程度の認識で全く気付いていなかったらしい。


 しかし、彼女はライラの母を王妃ローレンスが殺したという話をすると目に涙を浮かべて何度も頷きながら聞いてくれた。自分の母もライラの母と同じように王妃ローレンスから死に追いやられたという気持ちがあったのかも知れない。


(殿下はそこまで話したら終わりにしたのよね。私に掛けられた呪いの話とかはどうしてあの場でしなかったのかしら)


「殿下、昨日は何故、私に掛けられた呪いの話を出さなかったのですか?」


「うーん、そうだね。国王に会えば分かるよ」


「?????」


―――――待つこと十五分。


「大変遅くなり申し訳ございません。国王陛下が到着されました」


 案内役の騎士が知らせに走って来る。キースヴェルとライラは和んでいた雰囲気をしまって背筋を伸ばした。


 背後にある扉が開かれ、ズシっと重い足音を響かせながら国王ラドクリフが歩いて来る。彼はキースヴェルたちの横まで来ると突然、立ち止まった。


「遅れてすまない。私が国王ラドクリフだ。わざわざ妃の葬儀に駆け付けて下さり感謝する」


 てっきり素通りして壇上の椅子へ腰掛けると思っていたライラは、間近で話が始まってしまい緊張する。そして、軽く伏せた顔を上げるタイミングも分からなくなってしまった。


「初めまして、陛下。サンチェスキー王国の第四王子キースヴェルです。そして彼女は僕の婚約者のライラです。我が国の宰相クルム侯爵の娘と言えばお分かりになられますか?」


「ああ、報告は受けている。我が娘メイスと護衛騎士が大変失礼な振舞いをしたとのこと、私が代わりにお詫び申し上げる」


 国王ラドクリフは胸に手を当て、深々と頭を垂れた。


(国王陛下が頭を下げてらっしゃる!?え、ええ、どうしたら・・・)


 そこでキースヴェルがライラの耳に囁く。


「ララ、顔を上げて、お受けしますと言ったらいいよ」


 ライラはキースヴェルのアドバイス通り、顔を上げてから国王ラドクリフへ告げる。


「謝罪をお受けします」


 ライラの言葉を聞いた後、国王ラドクリフはゆっくりと顔を上げた。


「な!?」


 彼は声出し、酷く狼狽えた表情を見せ、額に手のひらを当てる。


「こうも姉上に似ているとは・・・」


 そして、大きなため息を吐いた。


「大変申し訳ないが、王妃の罪を教えてもらえないだろうか?」


(王妃の罪とは?王妃ローレンスの罪ということ?何も知らなかったとでも言うつもりかしら。まさかね・・・)


「お話しする前に一つ宜しいですか?ダイアナ嬢もここへ呼びたいのですが」


「ダイアナ・・・、ダイアナ!?あの子の居場所を知っているのか?」


 この発言を聞いて、ライラもため息を吐きたくなった。この王宮は一体どうなっているのかと。


「陛下。ダイアナ嬢はこの王宮の侍女として働いています。昨日、僕達を訪ねて来てくれました。もしや、その様子・・・。陛下も呪いをかけられているのでは?」


「え?」


 ライラはキースヴェルが国王ラドクリフに発した言葉に驚く。


(まさか国王陛下も呪い持ちなの!?そんな簡単に掛けられるものなの?王宮で守られている国王陛下が??)


「陛下。念のためお話を聞く前に解呪しましょう。お手をこちらへ」


 キースヴェルは両手を重ねて差し出した。少し躊躇しつつも、国王ラドクリフは自身の手をキースヴェルの手のひらの上に乗せる。


 パン!


 以前、ライラの呪いを解いた時と同じように何かが弾けたような音がした。壁際に控えている騎士たちは国王陛下とキースヴェルが何をしているのか気になるようで、チラチラとこちらの様子を窺っている。


「これで呪いは解けました。今、陛下に呪いを掛けた者たちへ呪い返しが飛んでいるはずです。先日の王妃さまと同じように・・・」


 淡々と語るキースヴェル。ライラは国王陛下を観察していた。


(国王陛下、少しは動揺するかと思ったら案外冷静にしていらっしゃるわ。国王陛下には一体どういう呪いを掛けられていたのかしら。私と同じく愛を求めてはいけない呪い?まぁ、それなら、ダイアナを助けなかったというのも納得がいくわね)


「キースヴェル殿。解呪してくれてありがとう。貴殿は魔法が使えるのだな」


「ええ、そうです」


 キースヴェルは力強く頷いた。


「キースヴェル殿。ダイアナも呼んで話をしよう。この広い部屋ではなく、私のサロンで」


「はい」


 先程までの沈んだ様子とは打って変わって、国王ラドクリフは側近を呼び寄せキビキビと指示を飛ばし始める。


 そのまま、ライラたちは国王の私室へ向かった。


―――――


 三人がサロンへ到着すると同時にダイアナも現れた。


「ダイアナ!!息災だったか!!」


「――――はい」


 ダイアナの方は国王ラドクリフに思うところがあるのだろう。返事がぎこちなかった。


「ダイアナ嬢。先程、陛下の呪いを解いた。恐らく、あなたに関われない何かが制約としてあったのだと思う。詳しいことは二人で話し合うといい」


「―――――呪い?呪いというと・・・」


(ん?ダイアナ嬢の顔色が悪くなって来た!?)


「ああ、もしかして・・・。ダイアナ嬢、手を貸してくれる?」


 キースヴェルは彼女に話しかけながら、自然に手を取る。その仕草が手慣れすぎていて、ライラは何となくカチンと来た。だがここでイライラしても仕方ないので必死に忘れようとする。


(――――後で、嫌味の一つでも言おう・・・)


「あー、やはり。あなたも呪いを・・・。解呪するよ」


 パン!!


 聞き覚えのある音がした。


「これで大丈夫。呪いは術者に跳ね返ったからもう心配は要らない。それにしても、ララだけではなく、陛下、ダイアナ嬢にまで呪いを掛けていたとはね。――――やり過ぎだよ」


「ありがとうございます。本当に・・・」


 ダイアナは深々と礼をした。


「幼少期に父と言葉を交わすことを禁じられました。これで漸く話すことが出来ます」


「ダイアナ、私は王妃に従わなければダイアナの命を奪うという呪いを掛けられていた。何ということだ!!あの魔女はどれだけ・・・」


「あのう、それってカッサンドラという魔女ではありませんか?」


 ライラは思わず聞いてしまった。


「そうだ」


「そうです。真っ赤な口紅の怖い魔女でした」


「あああ、最悪!!同じ魔女ですよ!殿下!!」


 ライラがキースヴェルの袖を掴んで訴えると彼はこう答えた。


「魔女カッサンドラは今の解呪で絶命したかもね。あと、ふたりの依頼者って誰だろうね・・・、フッ」


 妖艶な笑みを見せるキースヴェル。ライラは背筋に悪寒が走った。


最後まで読んで下さりありがとうございます。

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