第98話
午前中の2時間、テストはあっという間に終わった。
下駄箱のところで3人は集まった。
「あー終わったなあ」
「終わったね、湊」
「終わったよ。お兄ちゃん、お姉ちゃん」
「とりあえず、池袋行こうか、サンシャイン」
「あ、うん、そうだったね」
「そうそう、あそこ行きたかったんだ、お兄ちゃん」
まだ正午前の東京、日差しは強い。3人は大塚から池袋へ向けて歩き出す。
裏道を通り池袋、サンシャイン方面へと抜ける。考えると、遊ぶのも久しぶりの気がしてきた。
「お兄ちゃん、暑いね!」
「華怜、暑いな!」
「二人とも、なんかセリフがわざとらしいよ」
「そうかな?お兄ちゃん」
「んー、どうだろうか・・・」
「まあ、どっちにしても終わったよぉ」
「終わったな、華怜」
「でも、今週の土曜に模試だよ、湊」
「あ、それはちょっとだけ忘れたかったよ、青空」
「でも、今日帰ったら、やらないとだよ、湊」
「たしかになー、大学受験かあ、華怜だけはちょっと別になっちゃったけど」
「私は、どこでもいいんだけど、でも、決めたからには頑張らないとだね」
「華怜なら、大丈夫、行けるよ!」
「ありがとうお兄ちゃん、行けるかな」
「行けるよ、なあ青空」
「うん、華怜なら行けると思うよ、必ず」
「なんか嬉しいなあ、ありがとうね、お姉ちゃん」
「私たちも頑張らなきゃね!湊」
「ああ、そうだな、華怜だけ頑張れっていうわけにもいかないか」
3人が話している間に池袋、サンシャインへ着く。巨大な人工構造物だ。
サンシャインは周りに高層ビルがなく、一つだけ60階建てのビルと付属施設が建っているため、本当に大きく見える。
「着いたねー、お兄ちゃん」
「ああ、着いたな!」




