第97話
「そろそろ、寝るね、お兄ちゃん」
「ああ、おやすみ」
「おやすみなさい」華怜は湊の体をぎゅっと抱きしめた。
7月21日火曜日は久しぶりに晴れていた。
「おはよう、華怜、起きろ」
「ん、ああ、おはよう、お兄ちゃん、ね、して?」
「ああ」優しくキスをする。
「目が覚めたよ、お兄ちゃん」
「ああ、良かった」
パジャマを脱ぎだし、ショーツだけの恰好になる。窓から入る日差しが華怜の体に当たって神々しいくらいだ。
「嬉しい光景だが、制服に着替えるなら、自分の部屋に行きなさい」
「はーい、お兄ちゃん」
華怜が出て行くと、湊も制服に着替える。
少しすると、青空が入ってくる。
「おはよう、湊」
「おはよう、青空」ショートカットの美少女の顔を思わずまじまじと見る。
「なに?そんなに見たら恥ずかしいよ?湊」
「きれいだなって、さ」
「そう?ありがとうね」
「ああ」そう言って濃厚なキスを交わす。
1階に降りて3人で朝食を取る。今日はコーンフレークと牛乳とバナナとサラダだ。少しパサパサする朝ごはんだなと思いながら食べ終わる。
戸締りをするのは湊の役割と決まっていた。鍵を閉めて、3人で学校へ向かう。
朝からかなり気温が上がっているようだ。湊は汗をかいている。華怜は汗をかいていないが、暑い!というような顔をして湊の隣にいた。青空は涼しい顔をして歩いている。
学校に着くと華怜を1-Aに見送って、湊と華怜は自分たちのクラスへ入る。
クラスメート達に挨拶をしながら、最前列の席に座る。
今日は2教科で終わりだ、まずは、1時間目のテストの範囲を確認する。よし、大丈夫だ。
時間がくるまで、目をつぶって待つ。
最初に解答用紙が配られて、それが終わると問題用紙が配られる。
合図と同時に試験が始まる。
問題を解くが、スラスラ解ける。




