第93話
「そっか、華怜は東大コースだもんな、月、火、水、金か」
「うん、まあ来週からは夏期講習だから、8月までは月曜から金曜まで毎日だけどね、そこはお兄ちゃんとお姉ちゃんも同じでしょ?」
「そっか、夏期講習か・・・」
「ああ、そうだったね、湊」
「今週は土曜日に模試もあるし、試験終わっても、また勉強か」
「私は、チアガールの恰好をして盛り上げていればいい?」
「いや、華怜、そんなことはしなくていいぞ、華怜も勉強するんだ」
「はーい、お兄ちゃん」
「とりあえず、予備校まで歩こう」
「うん、そうだね、湊」
文央高校から池袋の予備校まで歩く、今日はもう雨も降らないだろう。
快適な冷房が効いていた図書室にいたせいか、むっとした気温に汗が出てくる。
左手を握っている華怜はそれほど汗をかいていないようだが、暑そうな顔をしている。
青空の方を見ると汗もかいていないし、涼しそうな顔をしている。
「青空、暑くない?」
「うーん、ちょうどいいくらいかな?図書室は寒かったかも」
「へー、そうなんだ?」
「うん、まあ、上着を羽織るほどじゃなかったけど」
「そんなものかー、華怜はどうだった?」
「うーん、私は、丁度いいくらいだったかな、外は暑いよお」
「だよなー、涼しくて過ごしやすかったような」
話しているうちに池袋へ着いた。まずは何か食べようとなった。マクドナルド行こうということになり、いつものマクドナルドへ入る。
「華怜、席取りよろしく」
「はーい、私のきちんと買っておいてよ」
「おう、任せておけ」
青空と湊で注文して、トレイを持って2階へ上がる。
窓際の良さそうな席を確保していてくれた。
「華怜、でかしたぞ」
「任せて、お兄ちゃん」
「子どもみたいにはしゃがないの、二人とも」
「えー」
「えー」
「こらこら、二人してあほの子みたいにならない」
「だってなあ、華怜」




