第92話
時間になり、テストが配られ始めた。
問題を解き始めるが、特に悩むところもない。かなりのスピードで問題を解いていく。
おそらくは、ほとんど間違っていない。1時間目のテストは20分で解き終わり、見直しに15分かけ、あとはボーっとしていた。
隣の青空はじっくり時間をかけて解いている。ただ、出来も同じくらいだろう。
午前中のテストはあっという間に終わる。外は雨が降っていたようだが、3時間のテストが終わる頃にはもう上がっていた。
テストが終わると、食堂で3人は集まった。
「湊はテスト終わらせるの本当に速いよね」
「あー、速さには自信があるけど、そこは華怜のほうが上だからなあ」
「え?私、まあ速いけど」
「華怜の場合考えると同時にシャーペンが動いているというか、むしろ考えなくてもいけているだろ」
「んー、あまり分析したことはないよ」
「冨永兄妹は速いのよね」
「まあ、速くても遅くても点数が問題かな」
「まあ、それはそうね」
「とりあえず、昼は食べたし、図書室に行くか」
「うん、了解、湊」
「了解だよ、お兄ちゃん」
3人は図書室へ移動する。そんなに広くない図書室だが、今日はそれほど利用者がいないらしい。3人分の座席は確保できた。
今からなら3時間は勉強ができそうだ。それぞれ、持ってきた勉強道具を取り出して勉強を始める。
湊は昨日までに出来上がったカードを見始める。明日は2教科しかないので、枚数は今日よりは少ない。
じっくりとめくる。目の前にいる青空が少し気になって、ちらちらと見る。青空はなに見ているの?といった感じで少しだけ批難の目を向ける。
空調が効いていて、ほどよい涼しさを感じる。
周りも勉強に集中しているらしく、静かだ。
3時間のうちに、湊はカードを3周終わらせた。これで、明日の試験はほぼ大丈夫だろう。青空と華怜もうまくできたみたいだ。
誰からともなく、席を立ち、下駄箱へ向かう。
「ちょっとだけ疲れたね、お兄ちゃん」
「ああ、そうだな、でもこれからまだあるぞ」
「そーなんだよね、予備校あるんだよね、それと私、来週からは火曜日も予備校」




