第91話
7月20日月曜日はやはり曇り空だった。
「おはよう、華怜」
「ん、おはよう、お兄ちゃん・・・・、ねえ、キスして?」
「あ、ああ」
「ありがと、お兄ちゃん」
「華怜はかわいいな」
「そんなこと言われると、嬉しくなっちゃうよ」そう言いながらキャミソールを脱ぎだす。形のいい胸を隠そうともしない。
「こら、制服に着替えるなら、自分の部屋に行きなさい」
「んー、1秒でもお兄ちゃんと一緒にいたいっていうことだよ」
「そうなのか」
「着替えてくるね、お兄ちゃん」
「行ってきな」
華怜が出て行くと、湊も制服に着替えた。着替え終わったくらいに青空が入ってくる。
「おはよう、湊」
「おはよ、青空」
制服姿の青空はほんとに美少女だ、私服もかわいいが、制服姿はいつまででも見ていられそうなくらい美少女だった。
「湊、そんなにじろじろみたら恥ずかしいよ」
「あ、うん、ごめん」
「湊だったら、なんでも許しちゃうけどさ」
「ああ」青空のあごを持って、キスをする。
「下に降りようか、湊」
「そうしよう」
食卓に3人は集まって朝食を食べる。今日はごはんと、お味噌汁、肉野菜炒めといった献立だった。
食べ終わると華怜が食器を洗ってくれる。食洗器をそろそろ導入するという話も上がっていた。
いつもと同じ時間に家を出て学校へ向かう。
今にも雨が降り出しそうだが、予報では10時くらいから振り出し、12時くらいにはあがるといことだ。3人の生活経路からすれば都合のいい雨となる。
東京さくらトラム、路面電車の線路を抜けて高校に入る。都立高校にしては比較的広い敷地面積がある。
華怜を1-Aに見送って、湊と青空は自分たちの教室に入る。
テストが始まるまでの時間、最後の見直しをする。




