第90話
「俺も、青空のこと好きだから」そう言って青空の体を優しくなぞる。
「湊、私の体は全部、あげちゃうから・・・」
「ああ、青空は全部俺がもらうよ」青空の首筋にキスをする。
「あ、だめ、そこ」
「青空」
「湊、愛しています」
「ああ、青空、愛しているよ」
そのまま30分、熱く抱きしめ合う二人、時間を忘れそうだった。いつまでもこうしていたかった。
「ね、そろそろ帰らなきゃ」
「ああ、そうか」
「湊、おやすみなさい」
「おやすみ、青空」
キャミソールに包まれた青空の体が玄関に消えていくのを確認して、自分の部屋に戻る。
「おかえり、お兄ちゃん」ピンク色のキャミソール姿の華怜が部屋では待っていた。
「あ、ただいま、寝ていればいいのに」
「少しは切なくなったりするんだよ、私だって」
「そうなのか、」
「そりゃあさ、お兄ちゃんとお姉ちゃんは誰からも文句がつけられないベストカップルかもしれないけど、さ」
「そうかな」
「そうだよ、美男美女だし、幼馴染だし、二人とも勉強も頑張っているし」
「まあ、そうなのかもな」
「もう、寝よう、お兄ちゃん」
「ああ、寝ようか」
「ね、」
「ああ」華怜のくちびるに軽くキスをしてあげる。
「眠くなってくるよ、お兄ちゃん」
「明日もテストだからな」
「うん、頑張らなきゃね」
「そうだな」
華怜がぎゅっと近づいてくる。キャミソールからはだけそうな胸にドキッとする。
それでも、自制心を保ち、華怜の髪の毛をなでてあげる。
「お兄ちゃん、大好きだよ」




