第9話
勉強を再開したのが11時半だったので、30分ほどやって解散となった。
「俺は青空を送ってくるから、部屋片づけておいてくれ」
「はーい、歩いて15秒のところだと思うけど、ゆっくりしてきてね」
冨永家と柳瀬家はほんとに近い、冨永家をスタートだとすると玄関を出て右に曲がるともうそこには柳瀬家が建っている。
どうやら、青空の家の人は海汰以外もう寝ているようだ。海汰はまだバイトから帰っていないらしい。
さっきの続き、と、湊と青空は柳瀬家の塀にもたれかかってキスを始める。湊は青空の体を愛おしそうに触っていく。青空の体も湊の指を求めて積極的になる。
お互いの体のボディーソープとシャンプーの香がいやらしい気持ちを高ぶらせる。
「だめ、ね、もう、帰らないと・・湊」
「青空、大好きだよ」
「ん、湊、大好き」
キスが止まらない、2人は結局30分もそこにいて、ようやく別れた。
玄関に入る青空を見送る湊
「おやすみなさい、湊」周囲を気にして小さな声で言う。
「おやすみ、青空」
部屋に戻るともう1時前だった。華怜がベッドの中央を占領して寝ている。
「おやすみ、華怜」言ってベッドの隅のほうにもぐりこみ横になる。さっきまでの青空とのキスを思い出すとなかなか眠れない。
「お兄ちゃん、帰ってきたの?」少し寝ぼけたような声だった。
「ああ、明日も早いし、寝よう」
「たくさんキスしていたんでしょ?」
「あー、まあ、な」
「ずるいー私にもして」
「華怜には海汰兄ちゃんがいるだろ」
「海汰ちゃんとはキスもしたことないんだよ」
「え?ほんとに?」
「ほんと、だよ」
「そうなんだ」
「ねえ、ちゅーして」
「ああ、分かったよ」
湊は華怜の肩を抱くと、くちびるが軽く重なるだけのキスをした。
「寝よう、華怜」
「うん、おやすみなさい」湊を抱き枕のように抱いて華怜は寝息を立てた。