第89話
「やっぱり感度?」
「こら、華怜何言っているんだ」
「え、違うの?」
「まあ、それも大事かもしれないけど」
「やっぱり、形だよね?湊」
「むう、形かあ、言われるとそれもたしかに大切」
「あ、でもお姉ちゃんはお兄ちゃんにもんでもらっているから、大きくなっているのか」
「そうね、湊に大きくしてもらっている、って何を言わせるの、華怜」
「そう言えば、高校生くらいの女の子は胸の成長期だから、睡眠が大切って聞いたことあるぞ」
「湊はそういう情報得意ね、そう言えば去年より大きくなっているような?」
「って、いつまでもオッパイ談義してないで、少しだけ勉強しよう」
「はーい」
「青空は今日も帰るのか?」
「あ、うん、12時には帰るよ」
「じゃあ、1時間だけやろっか」
「うん、そうね、さらっとやっちゃおう、湊」
「了解だよ、お兄ちゃん」
いつもの勉強の配置について再開する。
1時間はちょうどいい時間だった。月曜日の試験範囲を2周見直すともう1時間経過していた。青空も華怜もほぼ同じ時間で教科書を閉じた。
「終わりにするか?」
「あ、うん、終わろー、湊」
「終わりでいいよ、お兄ちゃん」
「青空、送るよ」
「ありがとう、湊」
「いってらっしゃい」
柳瀬家の玄関前で二人の影が重なる。
「青空」そう言って優しく青空の髪の毛をなでつける。
「ん、湊、ねえ、私の胸、いやらしい?」
「ああ、すごくやらしいよ、きれいだ」
「あんな話したから、なんか、」
「あ、うん」
「好きだよ、湊」




