第85話
「いいんだよ、お兄ちゃん、たまには甘えてね」そう言ってぎゅっと抱きしめる。
「ああ、なんか、ありがとう」華怜の胸の感覚が心地よい。
「着替えてくるね、お兄ちゃん」
「ああ、行ってらっしゃい」
華怜が部屋に戻って少しすると青空が入ってきた。
青空は半袖のレースブラウスに黒のデニムスカートといった服装だった。
「青空はいつもかわいいなあ」
「ありがと、湊は着替えないの?」
「ああ、起きたばっかりで」そう言ってTシャツと短パンを脱いでパンツだけになる。
「わ、なんか朝からえろいもの見られたかも」
「からかうなよ、青空」
「湊、筋肉ついているね、けっこう」
「え、そっかあ?」少しポーズを取ってみる。
「かっこいいよ、湊」
「こんなことやってないで、服を着るよ」そう言って、ロゴ入りTシャツとダメージジーンズを着た。
「ああ、せっかくいいもの見られたのに」
「華怜みたいなことを言ってないで」
「そっか、下に降りてごはん食べようよ」
「あ、うん」
下に降りると華怜も食卓に着いていた。
華怜は花柄シャツにミニのチュールスカートといった格好だった、長くて細い足がきれいだ。
お父さんとお母さんもいて、5人で食べることになった。
「父さん、そういえば、華怜なんだけど」
「華怜がどうした?」
「大学、東大の理3を受けてみたいらしいんだ」
「そうなのか?華怜」
「あ、うん、受けてみるよ」
「そうか、華怜、やってみるといい」
「うん、パパ」
「予備校のほうは、お母さんと相談してコース変更するといい」
「あ、うん」
「毎日遅くまで頑張っているからな、華怜なら大丈夫だ」
「ありがとう、パパ」
食事が終わり、3人は湊の部屋に戻った。




