第81話
「そういえば月曜日予備校あるのか、どうしようか?」
「うーん、昼でテスト終わっちゃうから中途半端だね、湊」
「そーだな、たまには学校の図書館で勉強してから行こうか?」
「あ、うん、そうだね、それもありかも」
「私はお兄ちゃんとお姉ちゃんにお任せ」
「基本は図書館で、図書館が座るスペースなかったら、家に戻って来よう」
「了解、湊」
「あ、そういえばゲームして、負けたやつがコンビニまでパシリっていうのはどう?」
「うーん、いいけど、湊ゲームうまいからなあ」
「お兄ちゃんは、ほんとにうまいし、運もあるんだよねえ」
「まあ、まあ、ちょっと検索してみるから、なんかゲームあるかなと、あ、この『怒るおばさん』っていうのいいんじゃない?完全に運ゲー」
「うーん、16個のおばさんのうち、一つだけが外れなのね?」
「そうそう、それを引いた奴がコンビニ行き!」
「やってみようか、お兄ちゃん!」
「そうだな、ちなみに、負けた人はアイス3つ買ってくること!」
「よーし、やろうか、湊、だれからスタートする?」
「俺からやるよ、次は青空でも華怜でも決めておいて」
「はーい、じゃあ二番目は私がやる」
「華怜が二番か、私は三番目で」
湊が右上角のおばさんをタップする。
セーフだ。
「よっしゃあ!」
華怜が左下角のおばさんをタップする。
セーフだ。
「緊張したよお」
青空が中央右下のおばさんをタップする。
セーフだ。
「なんか、嫌な汗かいたわ」
そのまま順番に9番目まで引いても決着がつかない。
10番目は湊の番だ、さすがに外れを引く確率が上がっている。慎重に選ぶ。
セーフだ。
11番目は華怜だった。スマホをひっくり返したり、横から見たりしている。
「何を見ているんだ、華怜?」
「いや、外れかどうか見えるかなって」
「それは見えないだろ、普通に」




