第8話
「キスの仕方も似ているかもよ?」
「華怜、だーめ」
「はーい、お姉ちゃんが帰ったらお兄ちゃんにしてもらうからいいもん」
「今日は泊まって行こうかなー」
「お泊り、していきなよー!」
「うーん、私がこっちにいるとおにいが寂しがるかなって」
「海汰ちゃんかあ、海汰ちゃんはあまり家に来ないよね」
「なんとなく、誰に対しても遠慮しているところあると思う、おにいは」
「んーそうなのかも?」話しながらも2人は体のボディーソープを泡立てていく。
「おにいが帰ってきた時にさ、おかえりって言ってあげたいんだよね、もちろん、湊とも華怜とも一緒にいたいのだけど、おにいは一人だから」
「そっかそっか、海汰ちゃんは優しい妹を持ったんだなー」
「そう言いながら、私が帰ったら湊を独占できると思っているでしょ?」
「はは、ばれているか」
「華怜の考えそうなことだよ」
2人はバスタブに一緒に入る。2人で入っても体があたらないくらいには広い。
「ねえ、もしお姉ちゃんがお兄ちゃんと結婚して、私が海汰ちゃんと結婚したら、義理の妹になるのかな?義理の姉になるのかな?」
「華怜は難しいこと考えるのね、多分、私がお姉ちゃんなことには変わりないのかもね」
「そっかー、海汰ちゃんのお嫁さんだから、私がお姉ちゃんのお姉ちゃんになるのかと思ったよ」
「華怜は華怜だよ、どうなっても」なんとなく、華怜の頭をぽんぽんしてあげた。
「うん」
2人はようやく、お風呂から出て、またキャミソールに着替える。湊は小休憩のつもりか、スマホの動画サイトを観ていた。
「遅いよー、水難救助に行こうかと思うくらい時間たったぞ」
「ごめん、ごめん、湊」
「お兄ちゃんも一緒に入ればよかったのに」
「まあ、俺もそれが一番なのだけど」
「ばかなこと言ってないで勉強再開しよ、私は12時になったら帰ります」
「え、帰っちゃうの?」
「帰りますよ、シンデレラなので」
「そっかぁ、ちょっと残念」
「お兄ちゃん、私がいるから、ね」