第79話
試験勉強が明日もあるとなると、大分余裕が出てきた。華怜の勉強もちらちらと見る。去年やっていたところだと懐かしくなる。
「何?お兄ちゃん」
「あ、いや懐かしいなって」
「そっかそっか」
「邪魔しちゃったか、ごめんな」
「ううん、いいよお、月曜日の分はもう終わっちゃっているから」
「もしかして、青空も終わっている?」
「うんー月曜日のやつは終わっちゃった」
「あ、そっか・・・どうしよう」
「んー、火曜日のやつもほぼ終わっているよねえ、湊」
「だなー、月曜日帰ってからやれるし」
「でも、遊びに行くのもね」
「勉強再開してまだ2時間か・・・」
「うーん、でも、今日、明日はやったほうがいいよね、1点でも加点できるように」
「そうだな、青空」
「じゃあ、予定通りに8時まではやろう」
「はーい、湊」
「了解だよ、お兄ちゃん」
3人は再度勉強に集中する。
女性のカバー曲がBGMで流れる。3人とも、もうあまりシャーペンで何かを書くというよりは、今まで作った資料などを見返している。華怜はそもそもシャーペンをほとんど持たないが。
湊は途中、トイレに立った。少し、空が暗くなってきている。時間を見ると7時半だった。あと30分かあと大きく伸びをする。
部屋に戻ると青空と視線が合う。好きだよ、とサインを送ると、「私も」というような反応がある。湊は顔がにやける。
ラスト30分と気合を入れて勉強する。やってみると、少し曖昧に記憶していたところも出てくる。
そして、ようやく、8時になった。湊が何も言わなくても二人とも教科書を閉じる。
「終わったなー」
「うん、とりあえずはね、湊」
「なんか、疲れたよお兄ちゃん」
「とりあえず、先にシャワー浴びてくる」
「はーい、いってらっしゃい、湊」
「いってらっしゃい、お兄ちゃん」




