第78話
「そろそろ休憩するか?」
「あ、うん」
「はーい、お兄ちゃん」
「下になんかジュースあったから持ってくるよ」
「あ、ありがとう、湊」
下に降りると、丁度お母さんがジュースを用意してくれていた。持っていくと伝えて、お盆に載せて持ってくる。どうやらカルピスのようだ。
「持ってきたよ、お二人さん」
「あ、ありがとう、湊」
「ありがとう、お兄ちゃん」
「多分、青空の家からの差し入れだよ、毎週すごい量の物資が送り込まれているから」
「そうなんだ、ありがとうね、お姉ちゃん」
「ううん、いつもこっちで食べているからさ」
「まあ、色々感謝しながら飲もう」
カルピスを飲みながら、それぞれやりたいことをする。
「4時半になったらまた再開するか?」
「あ、うんいいよ、湊」
「はーい、お兄ちゃん」
湊は、部屋を見渡しながら美少女二人を独占できているのはいいのかと思った。青空のロング丈のTシャツは、やっぱり色っぽいよなーとちらちらと見る。
青空は、何ですかぁ?という風に湊を見つめ返す。
湊はなんでもないですよ、という風にとぼけてみる。
華怜は、湊の部屋にあった少年雑誌をパラパラと読んでいる。ただ、パラパラと見るだけでもう忘れない。ページ数、セリフ、表情など全て記憶できる。
華怜の方を見ると、メイド風ドレスはかわいい、お人形さんがいるようだ。華怜のような美少女が好きな人からすれば、こういう恰好をさせることは夢なのだろうか?
華怜が湊のほうをじーっと見る。何?愛しているよ?というようなうるうるした目だ。
湊はなんでもないですよ、という風にとぼけてみる。
休憩はあっという間に過ぎ4時半になった。
「じゃあ、始めるか」
「うん、頑張ろ!」
「8時まで3時間半やったら、お風呂休憩にしよう」
「はーい、了解だよ、お兄ちゃん」
いつもの配置で勉強を再開する。
湊は最初の4時間でまとめ終わっているので、そのカードを丁寧に見直す。
たまに、ノートに書きだしたりして、計算を確かめてみる。




