第77話
「え?あざといかな?」
「うんうん、自分のかわいらしさを引き出しているよ」
「そっかぁ、なんかありがとう」
「華怜、ほめられていないぞ」
「え?ほめられてないの?」
「いや、ほめているよ」
「まあ、華怜は何を着てもかわいいからな」
「ありがとう、お兄ちゃん」
「下に食べに行こうか」
「うん」
下に降りるとお父さんとお母さんがいた。いつまで寝ているんだと少し怒られる。
お父さんたちはもう食べていたようで、3人の食事が用意されていた。
シーフードカレーとシーザーサラダだった。
みんなで、話しながら食べる。お父さんから試験のほうはどうなんだと聞かれる。
3人とも、まあまあだと思うと答える。
お母さんは華怜が服を汚さないか心配しているようだ。華怜は気にせず食べる。
食べ終わるとアイスコーヒーが出てきた。みんなコーヒー党なので喜んで飲む。
これから、月曜日の勉強をするからと3人で部屋に戻る。
「11時半かあ、とりあえず、4時間やってみよう」
「うん、4時間ね、了解、湊」
「はーい、頑張ります、お兄ちゃん」
相変わらず、華怜はベッドに飛び込んで勉強を開始する。
湊と青空はテーブルに向かい合って勉強を始める。
青空は集中して勉強するとすごくきれいな表情になる。それをちらちらと見るのが好きだ。そうしていると、青空から、何見ているの?と叱られる。
JPOPをBGMに流す。再生回数1千万回以上というもので、3人とも聴いたことのある曲が続けてかかる。
華怜は無意識に口ずさんでいた。
BGMが1時間のものだったので、ちょうどいい目安になった。
湊はいつものようにカードを作っていた。すでに33枚ほどカードができているが、あと3枚ほど作れば完成だった。
丁寧に作っていくと1時間半でカードは出来上がった。
あとは、カードを何回も見返すだけだ。36枚のカードを暗記するくらいに見直す。
数式なども書き込まれていて、見れば分かるような工夫もされている。
表裏びっしり書かれた試験範囲を何度も見直すうちに時間は過ぎていく。
時計を見ると3時30分だ、そろそろ時間かと二人を見る。




