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2pair=4pair?  作者: 神名 信
68/132

第68話

 3教科が終わり、3人は下駄箱のところに集まった。

 明日、明後日が休みということもあり、周囲の生徒たちもかなりほっとした表情だ。

 「とりあえず、終わったな、あと二日」

 「うん、終わったね、湊」

 「終わったよ、お兄ちゃん」

 「とりあえずは、帰ろうか」

 「うん、そうだね、湊」

 帰り道は、寄り道をせずに真っすぐ滝野川の冨永家へ向かう。久しぶりの日差しが3人の影をくっきりと歩道に焼き付ける。

 「暑いね、お兄ちゃん」

 「あー、ほんとだな」

 「お兄ちゃんに曇りにしてっていったらなるのかな?」

 「ならないよ!」

 「そうなんだ?」華怜は不思議そうな目で湊を見つめる。

 「そんな目で俺を見るな、仙人かなんかだと思っているのか?」

 「そうじゃないけどさ、なんとなく、なんでもできるのかなって」

 「なんでもできるか、そんなことありえるのかな?」

 「どうなんだろうね、お兄ちゃん」

 「例えば、この宇宙を造った神様がいたとして、なんでもできるのだろうか、それは、ノートに絵を描くようなものじゃないのかな、俺たちは描かれた絵みたいなものだから、作者のことを万能のように思っているけど、次元が違うだけで、不自由な想いをしているのじゃないかな?」

 「お兄ちゃん、たまに難しいことを言うよね、でもそっか、神様も不自由なのかな?」

 「ただ、絵を描けるってことは、ここに雨を降らせることも洪水を起こすことも、できるのかもしれないけどね」

 「なるほど、私たちの世界に対してはなんでもできるってことかあ」

 「そーだな、雷を落とすくらいはわけがないだろうな」

 「え、やめてよ、お兄ちゃん、ぞくぞくしてくるよぉ」

 「あ、ごめん、大丈夫だから」

 「うん」そう言って湊の手をぎゅっと握りしめる。

 「二人とも、なにをそんなに難しいことを言っているの?」

 「あ、まあ、たまに、華怜の栄養みたいなんだよね、めんどくさい話が」

 「そんなこと言って、湊だって好きなくせに」

 「はは、そうかな?」

 「うん、面白がっているよ」

 「ああ、まあそんなところだ」

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