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2pair=4pair?  作者: 神名 信
67/132

第67話

 華怜が出て行くと入れ替わりで青空が制服姿で入ってきた。

 「湊、華怜の匂いしているよ?」

 「え?そんなの分かるの?」

 「分かる」

 「女の子の嗅覚って怖いな」

 「もう、変なことしてない?」

 「してないよ、大丈夫」

 「湊は優しすぎるからなあ」

 「青空、安心して」そう言って青空にキスをする。

 「あ、だめ。」そう言いながら反応する。

 「さ、降りようか」

 「うん」

 

 食卓を3人で囲む。

 今日はごはんと納豆、卵焼き、お味噌汁と漬物だった。卵焼きは青空が作ってみんなに配った。食べ終わると華怜が食器を洗ってくれた。

 いつもと同じ時間に家を出る。

 久しぶりの日差しで外がむっとするほど暑い。

 3人は並んで滝野川の住宅街を歩く。明治通りに突き当たるまでは本当に閑静な住宅街だ。途中、知り合いのおばさんなどとすれ違い、あいさつをして通り過ぎる。

 華怜は湊の手を取ってなにやら自分の胸に当てている。さっきの大きくなるという話を信じているのだろうか。ちょっと仕草がかわいらしくて、湊も青空も注意する気にすらならない。

 3人は明治通りへと差し掛かった。かなり交通量が多い。ここから高校までは少しだけざわついた通りになる。

 「今日出たらとりあえず、土日は休みだね、湊」

 「ああ、土日は遊べないけど、まあ、大丈夫だろ」

 「うんうん、そうだね」

 学校へ着くと華怜を1-Aに見送り、湊と青空は教室へと向かった。

 試験直前の見直しをする。湊はまた、試験範囲をまとめたカードを取り出し、何回か繰り返し見る。今日も大丈夫そうだ。

 目をつぶって、少し精神を集中させる。

 チャイムが鳴って、先生が教室へと現れる。

 前の方から順番にまず、解答用紙、その次に問題用紙が配られる。

 回答用紙に名前を書き込み、問題を見る。

 今日も、大丈夫だ、そう思えた。

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