第64話
勉強が始まると3人は集中していた。
華怜はベッドでパラパラと見ているだけだが、それでもいつもより真剣だった。
部屋の中にはBGMとペンのカリカリという音だけが流れる。
湊は青空のほうをちらりと見る。真面目に勉強している青空はやっぱりきれいだ。青空が、集中しなさいといった目で見返してくる。
何時間か過ぎていく、湊は明日の試験範囲はほぼ見直しが終わった。
青空と華怜はまだ勉強しているようだ。時間を見ると6時15分だった。
トイレに行ってくると言って席を立つ。トイレを済ませ、キッチンに行く。二人とも好きだろうからとアイスコーヒーを人数分作って持っていく。
青空と華怜は感謝して、それぞれグラスを取る。
パラパラと教科書とノートを見直す。まだ、4時間経ったところだ。あと1時間と思って試験範囲の最初からやり直してみる。
見直してみると記憶がおぼろげなところもあり、少し例のカードにまとめなおす。3教科分の修正をしている間に1時間経って7時半になった。
「5時間経過したぞ、二人は休憩でいいか?」
「あ、いいよお兄ちゃん」
「うん、休憩しよー、湊」
「華怜、コンビニ行ってなにか買ってきてよ」
「えーめんどくさいよ」
「あ、私行ってくるよ、湊」
「え?青空が行ってくれるの?」
「じゃあ、お姉ちゃんと一緒に行く」
「あーじゃあ、お願い、お金は俺が出すから」そう言って湊は千円を青空に渡した。
「はーい、行こう、華怜」
コンビニまでは家から出て3分くらいのところだ。
二人はなにかスイーツでも買おうかとコーナーに行く。色々と目につくが、エクレアとカップケーキとプリンをかごに入れた。丁度千円くらいだ。予算はオーバーするが、ジュースも3つかごに入れた。
会計を済ませて家に戻る。
「ただいまー」
「お、はやいな」
「とりあえず、スイーツを3種類買ってきたよ、湊はどれにする?」
「俺は残り物でいいよ、二人先に選びなよ」
「あ、うん、じゃあ華怜からでいいよ」
「ほんと?じゃあ、私エクレア!」




