第63話
冨永家に着くと、まずは部屋着に着替えるため3人はそれぞれ部屋に戻る。
湊は相変わらずTシャツと短パンといった格好だ。
少しすると、青空が入ってくる。ロゴ入りTシャツにショートパンツといった格好だった。少し、蒸し暑いねと言ってエアコンをつける。
さらに5分くらいすると華怜が入ってくる。白いワンピース姿だった。
二人とも、部屋着でも十分にかわいい。メイクも部屋にいるときは滅多にしなかった。
「まずは弁当から食べようか」
「あ、そうだね、湊」
「うんうん、お兄ちゃん」
3人はお弁当をテーブルの上に広げる。お母さんの愛情たっぷりのお弁当だ。
「おいしいね」
「ああ、そうだな」
「湊、プチトマト食べて」
「あ、お兄ちゃん、私のも」
「えー、なんか、いつも俺のところに来てないか?」
「プチトマトもお兄ちゃんに食べてもらいたいんだよ」
「そうそう、湊の口にがりっとしてもらいたいのね」
「お前らなあ、まあ、いいか、そこに置いておいて」
「わー優しいな、お兄ちゃん」
「湊は優しいよね」
「食べたら勉強するぞー、明日も3教科」
「うんうん、やらないとね!お兄ちゃん」
「明日終わったら土日休みだから、少し気が楽だね」
「ああ、そうだな、青空、火曜日まで試験だから遊びには行けないけど、ゆっくりできるなー」
「まあ、そうだよね、朝ゆっくりできるねー」
「うんうん、華怜を起こさなくてもいいな」
「起こされなくても、きちんと起きていますー」
「そうか?ほとんど起こしているぞ」
「んー、そう言われると、そうだったり」
「それはいいとして、勉強始めよう、とりあえず5時間ノンストップで!」
「おお、湊、燃えているね!」
「お兄ちゃん、私も頑張るよ!」
お弁当を片づけてテーブルの上に勉強道具を広げる。華怜はベッドの上に移動した。
BGMもかけて、部屋もエアコンが効いてだいぶいい温度になってきた。お弁当を食べるときにお茶も持ってきているので、足りないものもない。




