第62話
3人で朝食を取る。今日はコーンフレークとサラダとリンゴだった。朝は軽いほうが助かるかなと思いながら家を後にする。
傘を持たなくてもいいことを少し感謝しながら3人は学校への道を歩く。華怜は相変わらず恋人つなぎをしていた。
「試験が来週の火曜日までで、火曜日は丁度予備校もないから、どこか3人で行こうよ、湊」
「ああ、そうだな、ここのところ、全然遊んでないし」
「そうだね、お姉ちゃん、いつものサンシャインでいいよー」
「そうね、華怜はサンシャインシティ好きだよね」
「うーん、なんかあそこは落ち着くんだよね、地元的な?」
「うんうん、私もあそこは好きだよ、お店も多いし」
「火曜日か、いいね、楽しみができて」
「そうだよ、湊、息抜きも大事だよ」
「うんうん、お兄ちゃんはたまにまじめすぎるところあるからね」
「そうかな?」
「そうだよ、私も華怜もいるんだから、ね?」
「ああ、そうか・・・」
高校に着くとまだ少し時間があった。華怜を1-Aに見送ってから、自分たちのクラスへ入る。
1時間目のテストに向けて最後の勉強を始める。昨日までにA4の半分ほどの大きさカードにまとめてある。それを見ればすぐに試験範囲が分かる。
何回か見直して、大丈夫と思い、少し目を閉じていた。
時間が着て、試験が始まった。
問題を解くが、大丈夫、ほとんど間違えようがない。
かなりのスピードで問題を解いていく。
全て回答するのに20分、見直しに10分。残りの時間は寝ていた。青空は丁寧に解くので、いつも時間いっぱいかかって解いているようだ。ちなみに華怜は見直しせず、どの試験も15分で終わらせている。
3時間目までほぼ同じように終わらせ、試験一日目は終わった。
下駄箱のところで3人が集まる。それぞれ手ごたえがあったようだ。
「家に帰ってから弁当食べようか?」
「うん、そうね、湊」
「お家へしゅっぱーつ、だね、お兄ちゃん」
3人は高校から滝野川の自宅へ向けて歩き始めた。
何気ない下校の時間、ほとんど生まれてからずっと一緒の3人。これが永久に続くのか、いつかこの関係も終わってしまうのか、ふと、湊の頭にはそんなことがよぎった。