第54話
高校に着くと1-Aに華怜を見送ってから2年のクラスへ入って行く。クラスメートたちと挨拶をしながら最前列に着く二人。
席に着くと15分くらい時間があるからと漢字を覚え始める。
少しすると午前中の授業が始まった。
黙々とノートを取り始める二人。
湊はなんとなく隣の青空を見た。
きれいな顔をしている。100パーセント美少女だよなと納得する。
なによ?という感じで青空が見つめ返す。湊はウインクをしてごまかす。
少し脱線しちゃったかと、また授業に集中する二人。
午前中は少しだけ集中力を欠いたまま、授業は終わってしまった。
お昼の時間はまた食堂に3人で集まる。
「ちょっと、湊がこっち見るから集中できなかったでしょ」
「あ、うん、なんか美少女だなって」
「あー、ありがと」
「お兄ちゃんたち、なにを新婚カップルみたいな話をしているのだ?」
「あー、うん、まあ」
「だって、湊が」
「お姉ちゃんは、私からみても美少女だから、間違いないよ」
「兄妹で、何を褒めているんだか、もう14年くらいの付き合いでしょ?」
「たしかに、そうなるか、青空」
「うん、そうなるよ、湊」
「なんか、色んなことがあったね」
「そうだねー、3人で変なおじさんに追いかけられたりとか?」
「青空、よく覚えていたな、あれねー」
「あれ、怖かったよ、お兄ちゃん、私まだトラウマなんだけど・・・」
「ああ、あれはやばかった、ほんとに」
「って、そろそろ時間だよ、二人とも、戻ろう」
「ああ、そうだな、青空、華怜も終わったら下駄箱の所な」
「うん、またあとでね」
午後の授業は、青空のほうを見ないようにしようと決めた。ただ、そう決めれば決める程、隣が気になってしまう。横目で見るが、青空は真面目にノートを取っている。
なんか、今日は俺おかしいのかな、そう思いながらノートを取る。ノートに「青空」と書いてみる。
いつの間にか、横から手が伸びてその横に「湊」と書いてくれた。




