第49話
まだ夕方ということもあって電車はそれほど混んでいない。
3人はドアよりのポジションで立っていた。
話している間もなく、池袋駅に着き、乗客が吐き出される流れに乗ってホームへ降りる。
いつも歩いて池袋に来てご飯を食べて予備校にちょうどいい時間なので、20分くらい余計に時間がある。
ご飯の前にロフトに行こうという話になり、西武デパートの上にあるロフトへ行く。
かなりの種類の文房具が並んでいる。青空も華怜も勝手に動き始める。湊はとりあえず、シャーペンの芯とマーカーを買おうと売り場を探し歩いていた。
3人とも目当ての物を買うことができたようで、丁度20分で西武デパート1階に降りてきた。
たまには中華が食べたいと湊が言って、この日は中華になった。
湊はタンタンメンと小ライス、青空はつけ麺、華怜は冷やし中華だった。
3人とも、黙々と食べる。
「あー、美味しかった」
「美味しかったね、お兄ちゃん」
「湊、食べるの早くない?」
「そっかな?」
「そうだよ」
「んー、ちょっと気を付けてみるよ」
「まだ20分くらいあるか、授業まで」
「うん、そうだね、湊」
「今日もお兄ちゃんたちと同じ時間に終わるよ」
「ああ、そうだな、終わったら1階のロビーで待ち合わせよう」
「うん」
「ずっといるのも悪いし、席について自習しようか?」
「あ、そうだな、青空」
「行こう、お兄ちゃん、お姉ちゃん」
数分で予備校に着く。華怜とは別々の教室になる。
「また、終わったらな、華怜」
「うん、お兄ちゃん」
予備校は3時間だが、本当に面白い授業ばかりだ、勉強というのはこんなに面白い物かと再認識させられる。青空も同じ意見なようだ、顔の輝きが違った。
あっという間に授業は終わり、1階ロビーに降りると華怜がいた。
雨は小降りになっていたが、バスで帰ろうということになり、バス停まで3人で歩く。




