第48話
テストが木曜日からということで、授業中試験範囲が発表されていった。
湊と青空はカリカリとノートを取っていく。
今回は学年順位一桁を狙うということで、二人とも気合が入っていた。
午前中の授業は順調に終わり、お昼の時間になった。3人で食堂に集まる。
「華怜、だいぶ復活したみたいだな」
「そうかな?お兄ちゃん、いつもこんな感じだよ」
「夏休みはおにいと4人で遊びに行こうよ」
「そうだね、お姉ちゃん、試験終わったらどこか行こう」
「今日は予備校かあ、一日長いなー」
「そういえば、予備校の方も、来週あたり模擬試験があるんじゃないっけ?湊」
「あ、そういえば、そうかあ、たしか土曜日か?」
「うんうん、たしかそうだよ」
「えー、そうしたら私一人になっちゃうの?」
「模擬試験はたしか午後2時くらいまでだから、おとなしく待っていろよ、華怜」
「はーい、おとなしくしています」
「この前の模試、たしか俺と青空偏差値同じだったよな」
「そうだったよね、珍しいというか、いつも同じくらいだけどね」
「模試のほうも偏差値67くらいまで上げたいな、青空」
「うーん、そうだねえ」
「あ、私の偏差値・・・」と言ったところで湊が遮った。
「華怜の偏差値はいい、俺たち庶民が悲しくなるから」
「えーそうかな」
「そうです」
「とにかく、もう午後の授業だ、また、放課後、下駄箱の所でな」
「はーい」
午後の授業も湊と青空は集中して聞いていた。
5時間目、現代文の先生が面白い先生でたまに冗談を飛ばす。教室の中に笑いが起こる。おやじギャグだ。
青空のツボに入ったらしく、話が終わっても、まだ笑いがこみあげているようだ。隣でクスクス笑う青空がかわいい。
7時間目まで順調に終わり、1階の下駄箱の所で3人は合流する。
「これから予備校かあ、一週間が始まったって感じだな」
「そうね、湊、月曜日は、もりだくさんだよね」
少し雨が激しく降り出したこともあり、3人は電車で池袋へ行くことにした。
高校のあるJR大塚駅からJR池袋駅へは、山手線で一駅だ。




