第30話
「おはよう、じゃないわよ、華怜、なんでくっついているの?」
「ん?落ちそうだったからお兄ちゃんに助けてもらったんだよ」
「もう、まあ華怜だからね」
「うん、私だから」
「湊はなにいつまでも寝ているの?朝ごはんにしよ」
「んー、起きるかぁ」
3人が歯磨きをして食卓に行くと珍しくお父さんがいた。
「おはよう」と3人に挨拶をする。3人とも「おはよう」と返す。
「ちゃんと食べてね」と言ってお母さんが食事を食卓に並べる。
ごはんと納豆と卵焼きとお味噌汁とお茶がそれぞれの前に並べられる。
「いただきます」と3人は言って食べ始める。
「華怜、明日は海汰君とデートか?」お父さんが聞いてくる。
「うん、海汰ちゃんと行ってくるよ」
「じゃあ、デート代少し渡しておくよ」そう言って1万円を渡してくる。
「パパ、大丈夫だよ、前にもらったの使わないで持っているから」
「いいから、取っておきなさい、華怜」
「ん、ありがとう、パパ」
「青空ちゃんと湊はどうするんだ?」
「一日勉強しているつもりだよ」
「お、偉いな、予備校のほうも順調みたいだな、通知が着ていたぞ」
「予備校は面白いから、な青空」
「うん、予備校の授業はほんとに面白いよね」
「お父さんが子どもの頃はゲームばっかりしていたなあ」
「へー、そうなんだ?でもお父さんはいい大学出ているじゃん」
「まあ、そこはうまくやったさ」
「そうそう、ママ、今食べてるからちょっと遅くなるかもしれないけど、お昼は私とお姉ちゃんで作るから、私たちの分は作らなくていいからね」
「あら、花嫁修業かしら?」
「だよね?お姉ちゃん」
「うん、かなあ?」
3人は食事を食べ終わると、着替えるということで一度それぞれの部屋に戻った。
湊はオレンジ色のロゴ入りTシャツにダメージジーンズに履き替えて部屋で二人を待っていた。
先に戻ってきたのは青空だった。白い無地の七分袖Tシャツに、デニムのショートパンツ、白い靴下といった服装で現れた。




