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2pair=4pair?  作者: 神名 信
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第3話

 湊と青空は2年に上がると、そろって文系コースに上がった。海汰が文雄大学法学部に通っていたため、二人もそこを目指すつもりだ。おそらく華怜も同じコースになるだろう。

 今日は7月7日の火曜日で、期末テストまで2週間。ほとんどの生徒が進学する文央高校2年のクラスは少しずつ受験のプレッシャーがかかってきていた。

 文雄大学は都心にキャンパスがあることもあって人気があり、偏差値65はないと合格は難しいとされている。2年からは、湊も青空も受験予備校に通っている。2人が行くのだったらと華怜も1年生ながら同じ予備校に行くことになった。実は、華怜が一番成績は良かった。

 湊と青空は2人でずっとB判定が続き、もう少し学力を伸ばしたいところだ。

 午前中の授業の間、2人は一文字も書き逃さないよう、教師が黒板に書いた文字を真剣にノートに写していた。おそらくは、2人とも勉強が好きなのであろう。

 4時間目終了のチャイムが鳴り、クラスの生徒がみんな一斉に開放感に包まれる。秒で華怜からLINEが着ていた。席とっておいて、と返信をして青空と2人で食堂に向かう。


 「お兄ちゃん遅い!」

 「華怜が早いんじゃ!」

 3人のお弁当は全部同じで、湊と華怜の母親が作ったものだ。さすがに、青空の両親は申し訳なく思っているらしく、何かあるごとにカニやら果物やらギフトセットやらを持ってきてくれて、冨永家はいつもなんらかのお土産が置いてある。

 3人でいることが当たり前過ぎていて、湊も青空もあまり2人きりになりたいとは思わない。お弁当のおかずはみんな好き嫌いがあるので、3人がそれぞれ交換して食べていた。中でもプチトマトは3人とも嫌いなので交換材料にならないのだが、自然と湊のところへ全て集まって、文句を言いながら3人分のプチトマトを食べる湊がいた。

 「青空、日曜日どうしよっか?」

 「うーん、たまには別行動にする?」

 「えー4人がいいよお」華怜が異議を唱える。

 「先々週も海汰兄ちゃんにおごってもらったばかりだからな、それに今週は試験勉強しようかと思っていたんだよ」

 「そっかぁ、私一人で海汰ちゃんといちゃいちゃしてくるかなー」

 「そうしてこいー」

 「そんなこと言って、お兄ちゃんは、二人きりになったら、お姉ちゃんにいやらしいことしようとしてるんでしょ?」

 「ば、ばか」

 「顔が赤くなっているよ、正直者だねえ、お兄ちゃん」



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