第29話
ジャンケンの結果奥が青空、真ん中が湊、手前が華怜になった。
「え、うそ、私ってこんなにジャンケン弱かったっけ?」
「まあ、だいたいこういうのはそうなると決まっているから」
3人は決められた順番に横になる、3人がセミダブルのベッドに乗るとかなりきつい。
「とにかく寝よう、おやすみ、青空、華怜」
「おやすみ、湊、華怜」
「おやすみなさい、お兄ちゃん、お姉ちゃん」
と、言ったものの、かなり狭い上に女の子二人に挟まれてさすがに湊は寝付けなかった。奥を見ると青空はもうぐっすりと眠っているようだ。
手前のほうは、華怜が寝付けないでいるようで、寝返りを打とうとして、動きが取れないでいる。
「お兄ちゃん寝ちゃった?」
「ん?まだ起きているけど」
「ね、して?」
「あ、ああ」くちびるを突き出して軽くキスをする。
「ありがとう、おにいちゃん、それとだけど、覆いかぶさってもいい?体勢がきつくて」
「え?まあ華怜は軽いからいいけど」
「やさしいんだあ」そう言って華怜は体をうつ伏せにして、湊の上に覆いかぶさる。思ったより湊の体に重圧がかかる。
「う、重い」
「え?重くないよ、私」
重なり合う湊と華怜。二人とも、少しどきどきしてきた。
「お兄ちゃん、キスして」
「あ、うん」少しだけ長いキスをする。
「ん、ありがとう」華怜は落ち着いたのかそのまま寝始める。
・・・おーい、華怜、お兄ちゃんは置き去りか?と思い湊はなかなか寝付けなかった。
7月11日の土曜日、3人は朝起きる時間を決めていなかった。
一度8時くらいに華怜が起きたが、おはようお兄ちゃんと一方的に湊にキスしてそのまま寝てしまっていた。
10時になると、湊が起き上がった。「良く寝たー、湊、起きて!」
「ん?俺はまだ寝ているから」
「もう10時だよ、起きて」布団をはがす。と華怜が湊にかぶさっていた。
「ちょっと、二人とも、人の横でなにしているの?」
「ん?お姉ちゃんおはよう」




